2024年3月上旬に実施した塩飽諸島の山行は、初日の9日は本島の遠見山、高無防山を登り、二日目となる10日に向かったのが広島だった。広島は塩飽諸島最大の島で、別名さぬき広島とも呼ばれているようだった。その広島の山が分県登山ガイドに紹介されており、それが王頭山だった。ガイドブックではその王頭山のみのコースとなっていたが、ネット情報を見ると西隣の心経山とセットで登られているのがほとんどだったので、こちらも二山を登るコースを歩くことにした。
この日は快晴。天気予報では終日続くようだった。丸亀港9時25分発のフェリーに乗ると、広島の江の浦港には10時過ぎに着した。まずは王頭山を目指して西へと向かった。広島小中学校の手前まで来ても王頭山の標識は無く、そこから北へと向かうと漸く王頭山の標識が現れた。標識は点々とあり、西に向かうようになると「レキの墓」の前を通った。更に西へと向かうと登山口標識が現れて、スムーズに登山道に入った。登山道は自然な山道で、急坂は無く良い感じで歩いて行けた。登るうちに展望が現れて、南の風景が眺められた。シダの茂る所もあったが、道ははっきりしていた。次第に登山道の傾斜が増してきて、王頭山の北尾根を登るようになった。山頂が近づくと緩やかな道となり、展望地も現れた。山頂まで100mほどとなったときに現れたのが王頭砂漠だったが、そのときはちらりと見るだけで山頂を目指した。程なく着いた王頭山の山頂は二等三角点(点名・広島)を見るものの、周囲をびっしりと樹林に囲まれて展望は欠片も無かった。そこで王頭砂漠に戻って、そちらで休憩とした。王頭砂漠ではその得意な地形と共に展望も楽しめた。休憩後再び山頂に立つと、足を止めずに心経山に向かった。心教山への道も標識は点々とあって、道を外れる恐れは無かった。途中に280mピークがあり、そこで市井コースが分かれた。とにかく標識のままに歩くと左手に甲路コースが分かれる分岐点が現れ、スムーズに心経山への上り坂に入って大師堂の前に出た。その大師堂を抜けて更に南へと細道を進むと、大岩が重なる所に出た。そこが心経山の山頂だった。一見登り難そうな岩場だったが、慎重に登ると特に危険なこともなく岩の上に出ることが出来た。そこが素晴らしい展望地だった。王頭山でも好展望地はあったが、更に秀でた展望地で、海の風景だけでなく見上げるようにして眺める王頭山の姿も良かった。気温は低めながら陽射しの暖かさがそれを相殺しており、良い感じで休むことが出来た。30分ほどの休憩を終えると分岐点まで引き返し、甲路コースに入った。ひたすら緩やかな下り坂で、山頂から20分ほど下ればれば登山口に着いて、その先で車道に合流した。すぐに民家が現れて程なく海沿いの車道に出た。近くにバス停がありバス便があればと見たが、都合の良いバス便はその時間には無かった。そのため後はひたすら海沿いの車道歩きだった。それも対岸の山並みを眺めながらだったので、退屈さは無かった。それでも江の浦港に着くまでに80分ほどの車道歩きをすることになり、更に港の待合所で次の船便まで2時間半待つことになった。
(2024/4記) |