2017年7月最後の週末に石鎚山登山を計画したのだが、ゆったりと登りたく、西条市のホテルで前泊、後泊をすることにした。移動日は7月28日としたが、せっかく愛媛県まで行くのだから、足慣らしに愛媛の低山を登ることにした。そして「分県登山ガイド」を参考にして決めたのが、今治市南部にある世田山、笠松山だった。
姫路市内の自宅を7時半に出ると、山陽道、瀬戸自動車道、高松道、松山道と順調に走って、今治湯ノ浦ICを下りた。そこからは少し戻る形で国道196号線を南へと走り、県道159号線に入って登山口がある世田薬師の駐車場には10時半の到着となった。その世田薬師からのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。薄曇りの空だったが、気温は既に32℃ほどあり、厳しい暑さの中を登ることになった。お寺の正式名は栴檀寺で、その前には案内図があり世田山への標識もあって、迷わず登山口に向かえた。大師堂の前を抜けて山裾に向かうと世田霊園のそばが登山口で、緩やかな山道が始まっていた。道は易しいのだが暑い中を登るとあってすぐに大汗状態になってきた。天気予報は晴れだったが、なぜか空は暗くなり小雨が降ってきた。これはどうなるかと思ったが、奥の院に着く頃には止んでいた。奥の院を過ぎると階段の登りが続くようになり、また天気が回復してきたことで気温も上がってきて急速にバテてきた。そして世田山の山頂に着いたときは、汗でずぶ濡れ状態になって息も荒くなっていた。山頂には屋根の付いた休憩場所があり、その屋根の下で暫く横になって過ごした。もう世田山だけで十分な気持ちになったのだが、予定通り笠松山まで尾根歩きをすることにした。その尾根歩きは易しい道とあって暑い季節以外ならごく軽い感じで歩けたのだろうが、猛暑の中ではひたすら厳しかった。その尾根はけっこう展望が良く、右手に瀬戸内海を、左手に山並みを見ながらだった。ただ好天が続いているとあって、すっかり濁った視界だった。海上の平市島はごくぼんやりとしか見えなかった。展望が良いことは陽射しを遮る木が少ないことを意味しており、猛暑に攻められることになった。しかも笠松山との鞍部まで30mほど下り、そして登り返すことになった。世田山にバテバテで到着したのだが、笠松山はそれ以上のバテ状態となって到着した。山頂には観音堂が建っており、その縁側の上に体を横たえると、暫し仮死状態となって息が整うのを待った。その観音堂の前からは好展望が広がっていたのだが、薄ぼんやりとした視界とあって楽しむ訳にはいかなかった。ときおり吹いて来る風が何よりの救いだった。下山は歩いてきた道を引き返すのみ。すっかり好天となった空の下を歩くので、世田山に戻ると再び屋根の下で体を横たえた。そしてまさに退散する思いで麓を目指した。麓は35℃を越えていただろうか、まさに炎天下だった。せっかく易しいハイキングコースを歩いたのに、暑いときはこうも厳しいものかと思い知らされたが、展望の良いコースでもあるので、季節が変わればもう一度登ってみたい気持ちは消えなかった。
(2017/8記)(2020/4改訂) |