TAJIHM の 兵庫の山めぐり <香川県の山> 
 
大麻山    おおさやま 616.3m 善通寺市・三豊市
琴平山    ことひらやま 524m 琴平町・三豊市
 
1/2.5万地図 : 善通寺
 
【2013年9月】No.2 2013-76(TAJI)
 
    琴平町榎井より  2013 / 9

 大麻山は讃岐平野の南西に位置しており、東からはどっしりとした姿を見せており、遠くからでも目立つ山である。その大麻山には2002年5月に金刀比羅宮の参道経由で登っていた。そこでもう金刀比羅宮側から登る気持ちは無かったのだが、2013年9月は2週間ほどを琴平町で過ごすことになった。しかも滞在先のホテルが金刀比羅宮の参道からごく近い位置だった。そうなると休日の一日を大麻山登山とするのも悪くないと思えて、再訪を決めたものである。
 実行したのは9月22日の日曜日で、その日の早朝に空を見ると、大麻山の山頂は雲に隠されていた。ちょっと心配をしたものの、朝8時にホテルを離れるときは雲は消えてすっきりとした青空に変わっていた。まずはJR琴平駅に出て、そこを起点にスタートした。駅前通りを東へと歩き、最初の信号を右に曲がると、そこはもう表参道だった。始めにレトロな商店街(しあわせ横町)があり、そこを抜けると金倉川が現れて一之橋を渡ることになった。その先から門前町の雰囲気となり、土産物屋が軒を連ねていた。そして最初の石段が現れた。9時前だったが、通りはもう大勢の観光客で賑わっていた。その後の金刀比羅宮本宮、奥社へと続く参道の様子は下の写真帳でご覧いただきたいが、石段は本宮までが785段で、更に583段登って奥社だった。参詣客は本宮までは当然多く見かけ、本宮を過ぎても前後に人が途切れることは無かった。そして奥社もまずまずの賑わいを見せていた。その奥社への最後の石段が始まる手前より、大麻山の登山道が分かれていた。入口には登山口の標識はあるものの、見落としてしまいそうな小さなものだった。登山道に入ると、それまでの参道とはがらりと趣は変わって、純然たる山道歩きとなった。始めは少し下り坂で、その後はほぼ平坦な道が続いた。いわゆる尾根道では無く巻き道だった。一度樹林から抜け出して少し登った後、また巻き道として続いた。道幅は細く、薄暗さがあってマイナーな雰囲気だった。その小径が緩やかな登り坂になると、程なく少し広やかな所に出た。近くに建っていた小さな祠が龍王社で、そちらへの道とは別に、山頂への道が始まっていた。その道はそれまでの登山道とは一変して道幅は広くなり、周囲の木立は桜並木だった。すっかりハイキングの雰囲気となって、その中をゆったりとした気持ちで歩いた。登山道は尾根に出ると林道に合流して、林道を歩くことになった。その林道も桜並木になっており、雰囲気の良さは変わらなかった。その桜並木を見ながら山頂に近づいた。山頂が間近になると電波塔群を見るようになり、車道の最高地点が山頂だった。その車道から1メートルほど離れた草むらに二等三角点(点名・大麻山)が置かれていた。そこは陽射しを受けているものの周囲は樹林になっており、展望は無かった。山頂そばに建っていた電波塔の脇で昼食とした。そのときにガイド本(新・分県登山ガイド「香川県の山」)を見ると、車道を更に進めば展望台があると書かれていた。そこで小休止の後にそちらに向かうと、少し下った位置が公園風になっていた。そこもまずまず展望があったのだが、更に北西に進むと展望台が現れた。コンクリート製の立派な展望台で、早速その上に上がってみた。そこからは南の風景は見えなかったが、北に向かって広々とした展望があり、讃岐平野が一望だった。ただ残念なのはその日は青い空の割には意外と視界は悪く、遠方はごくうっすらとしか見えなかった。飯野山もうっすらとしており、瀬戸内はモヤに溶け込んでいた。それでも大麻山で展望が得られたことに満足した。後は往路を引き返して金刀比羅宮へと戻るだけだったが、前回に断念した琴平山を目指す気持ちが起きてきた。ガイドブックを見ると、奥社がある位置のピークが琴平山だった。前回は尾根を辿ったために断念したので、今回は奥社の位置から目指すことにした。登山道についてはガイドブックには記されていなかったが、奥社に戻れば見つかるかも知れないと思えた。そこで往路を引き返して奥社まで戻って来ると、そこは朝よりも一段と多くの参詣者で賑わっていた。それを横目に辺りを探ると、近くまで荷揚げ用ケーブルが通じており、そのそばよりか細い道が南へと始まっていた。何の標識も無かったが、その小径を歩いてみることにした。それは登山道と言うよりも踏み跡と言うのが正しいような道で、その上を水道のホースが延びていた。ひょっとして水源までの道かと思いながら歩いて行くと、その通りで、小径は水道設備の位置で終わっていた。そこまで来たのだから後は適当に登ってしまおうと、急斜面に取り付いた。木に掴まりながら体を引き上げるようにして登って行くが、下生えが少なかったので厳しいと言うほどでも無かった。奥社の位置と琴平山のピークとの標高差は120m程度だったので、長くも登らず傾斜は緩くなってきた。それで登るのは楽になったのだが、今度は灌木の小枝を払うようになった。また蜘蛛の巣によく引っかかった。辺りはヤブの様相で、その中を一番高いと思われる所に着くと、そこに琴平山と書かれたプレートを見た。辺りはすっかりヤブで、展望は全く無かった。そこには○囲みの金の字が彫られた標識が置かれていたので、このピークは金刀比羅宮の敷地であるように思われた。純然たるヤブの山頂であることを見届けると、すぐに下山とした。登ってきた方向を目指して下山を始めると、赤テープの付いたか細い道が現れた。ひょっとしてそれを辿れば参道に出られるのではと期待して辿りだしたところ、どんどん南へと向かい出したので、辿るのは断念した。そして改めて北東方向へと適当に下って行くと、うまく見覚えのある水道設備のある位置に出ることが出来た。そして再び奥社の前に出た。これで登山は終了したの思いになって、後は参詣者に混じって表参道を戻るのみ。上空はすっかり晴れており、気温は30℃に迫ろうとしていた。その残暑の中を琴平駅を目指して石段をゆっくりと下った。
(2013/10記)(2021/2改訂)(2024/8写真改訂)
<登山日> 2013年9月22日 8:36JR琴平駅スタート/8:47一之橋/9:14〜17金刀比羅宮本宮/9:41〜46奥社/10:15龍王社/10:36〜44大麻山山頂/10:48〜54大麻山展望台/11:39奥社/12:01〜11琴平山/12:29奥社/12:41〜46白峰神社/13:20一之橋/13:33JR琴平駅エンド。
(天気) 朝の空は薄雲が見えるものの、淡い青空の広がる空だった。朝の気温は26℃ほどで、少し蒸す感じがあった。登るほどに気温は下がって、奥社を過ぎると23℃になっていた。空は次第に晴れて薄雲は消えてきた。大麻山山頂は陽射しを受けており、木陰で25℃だった。涼しさのある風を受けた。視界はうっすらとしていた。但し、下山に入ると少しずつ視界は良くなってきた。下山を終える頃はすっかり快晴で、気温は30℃まで上がっていた。
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スタート地点はJR琴平駅だった 駅前からは琴平山が大きく眺められた 駅前通りを南へと歩いて行く
通りの途中で、琴平山がすっきりと眺められた 最初の信号を右に曲がると、もう表参道だった しあわせ横町を抜けて行く
金倉川に架かる一之橋を渡るとき、川沿いの風景を眺めた 橋を渡った先から門前町が始まった 朝から大勢の観光客で賑わっていた 少し進むと最初の石段が見えてきた
石段の両側にはみやげ物屋が並んでいた 次第に参道の雰囲気が出てきた 前方に大門が見えてきた
この大門で365段目で、その先が境内だった 真っ直ぐに続く参道を歩いて行く また石段が始まった
境内を進むうちに立派な社が現れた 旭社だった 平坦な参道を歩く 漸く本宮が近づいてきた
本宮の前に立った ここまで785段だった 本宮の前は好展望地だった うっすらとした視界だったが、一休みして前方に広がる讃岐平野を眺め

奥社への道は本宮
の右手から始まっ
ていた

奥社に通じる道に
入った
緩やかな参道が山襞なりに西へと続いた この明るい建物は白峰神社だった 奥社への道は全体に緩やかだった
菅原神社の前を通った また石段が続くようになった 奥社への最後の石段が現れた
漸く奥社の前に着いた JR琴平駅から1時間だった 奥社の前に立った ここまで1368段だった その先に道は無かった 奥社からの展望は良くなかった 讃岐平野をちらりと見るだけだった
大麻山への登山道は少し手前から始まっていた 登山道の入口に登山口標識を見る 登山道はごく細い道だった
登山道は山襞なりに巻き道として続いた 一度樹林を抜け出たとき、標識を見た 龍王社まで1.1km、山頂まで1.8kmだった
また巻き道を歩くようになった 水が流れている所を横切った 緩やかに稜線に近づいて行った

(←)
稜線に出ると、そ
こは四つ辻になっ
ていた 近くに龍
王社が見えていた

  (→)
   龍王社に近づいて
   みた
山頂に向かうべく、四つ辻に戻ってきた 四つ辻には象頭山園地案内板が立っていた  山頂への登山道に入った 山頂まで700mだった
尾根筋を進む 尾根道はけっこう幅の広い道だった トンネルのようになった樹林の中を歩いて行く 林道に合流することになった 山頂まで400mだった
林道の周囲は桜並木だった 前方に山頂の電波塔が見えてきた ずっと桜並木が続いていた

山頂が間近になっ
て、電波塔が幾つ
も建っているのを
見た

林道は山頂を越し
て続いていた
林道は最高点を通っており、そのそばに三角点を見た 二等三角点(点名・大麻山)を見る 山頂では電波塔のそばで一休みとした
休憩地点のそばでアケビが実を付けていた 山頂を越して林道を更に西へと歩いた 少し下ると、辺りは公園の佇まいとなってきた

南の方向に展望が
現れてきた

展望台が建ってい

展望台に早速上がってみると、讃岐平野が広く眺められた 但しうっすらとしか見え方だ った

(←)
上の写真に写る飯
野山付近を大きく
見る

 (→)
  立つ位置を変えて
  高鉢山の方向を眺
  めた
展望台を離れて山頂方向に戻って行った 山頂が近づいた 公園散策の雰囲気だった 山頂では足を止めずに、下り坂に入った
シバグリの木を見た 桜並木の雰囲気は良かった 林道を離れて龍王社に通じる登山道に入った
幅広の道を戻って行く 龍王社が近い四つ辻まで戻ってきた 巻き道を歩いて奥社へと戻って行く
道の悪い所もあったので慎重に歩いた 巻き道の途中で南に展望が現れた 奥社のそばの登山口に戻ってきた
奥社は朝よりも賑わいを増していた 奥社から近い琴平山を登ることにした 奥社までの荷揚げケーブルが近くにあり、そこに小径を見た その小径を辿ることにした 踏み跡程度の小径で、水道管が敷設されていた
案の定、小径はこの水道設備の位置で終わっていた 後は山頂に向かって適当に斜面を登って行くことにした けっこう急斜面だった 目印テープを見ることがあったが、とにかく上を目指した
傾斜が緩くなると山頂は近かった 但し灌木が増えてヤブっぽくなってきた 琴平山の山頂に着いた そこは雑木林の真っただ中だった 山名標識と石柱を見る 石柱には○囲みの金の字が彫られた ここが金刀比羅宮の敷地であることを示していた
山頂は全く展望が無かったため、すぐに下山することにした 赤テープの付いた小径を見たので、それを下って行くことにした 小径が参道の方向には向かわないことが分かると、途中から北東方向へと適当に下った
うまく水道設備の位置に下りてきた 奥社手前の参道が見えてきた 改めて奥社の前に立った
参道に出ると、観光気分で戻って行った 白峰神社の青葉を見る 金刀比羅宮本宮に戻ってきた
本宮の境内からの展望は、朝よりも視界は良くなっていた

飯野山がはっきり
見えていた

猫山を大きく見る
飯野山を大きく見る 石段を下って行く 石段は長々と続いた
商店が並ぶ位置まで下りてきた カゴで登ってくる人とすれ違った 土産物屋を見ると、70段目と書かれていた
門前町まで下りてきた 大賑わいだった しあわせ横町まで戻ってきた 琴平駅に戻ってきた