2020年の正月は高知県の山を登ろうと、元旦から高知県入りして、太平洋の見える山を登っていた。快晴が山行初日の2日から続いており、4日のこの日も朝から雲一つ無い空だった。向かったのは高知市の中心部から北西に十数kmほど離れた国見山だった。この日は帰宅日であり、登山を終えた後にさっぱりしたく、鏡温泉が近い山として国見山を選んだ次第だった。その国見山の登山口に着くまでに少々苦労することになった。ナビを国見山の東側の県道上にセットすると、高知市の中心部にあるホテルを8時半に離れた。市街地を抜けると、県道6号線に入って北上した。どうも高知県の山間部を走る県道は細い道が多いようで、この県道6号線も車一台分の道幅しかなかった。それでも対向車が少ないこともあって順調に進み、9時半には鏡狩山地区に入った。そこまで国見山の名を見なかったが、登山口に近づけると思って渡った橋の先で、雪光山の標識が現れた。雪光山は国見山の別名であり、地元では雪光山と呼んでいるようだった。その標識の位置で林道は二手に分かれており、雪光山の方向は直進方向と思えたので、そちらを進んだ。これで登山口に着けると安心して車を進めると、暫く走った後に林道は終点となった。そこに標識は無く、登山道も辺りに見なかった。その状況からして林道の選択を誤ったようだった。始めに見た標識の位置まで戻ると、改めて地図とGPSを取り出して現在地を確認した。そして分かったことは、本来進むべき林道の位置より北にいることだった。今度はGPSを見ながら吉原川の右岸道路を走って一つ手前の橋に着いた。それは手水橋で、その橋の西詰めにも雪光山の標識があり西に向かって林道が始まっていた。これで漸く正しい林道を進めることになった。その林道沿いにはポツンポツンと民家があり、最奥の民家を通り過ぎた先で登山口駐車場が現れた。そしてそのそばより登山道が始まっていた。そこからはガイドブック「新分県登山ガイド・高知県の山」を参考にして登っており、その様子は下の写真帳をご覧いただきたい。始めのうちは足下に小石が多くあって登り難さがあったが、「しんどい坂」を登る頃にはその名に反してけっこう良い感じで登って行けた。登山口から35分ほど登ったとき、平家の滝から来る鏡敷ノ山コースに合流した。そして登る方向は北となった。合流点までも植林地が多かったが、北にに向かい出しても植林地を登るとあって展望はほとんど無かった。ひょっとして平凡な山を登ってしまったかと思えてきた。尾根筋を少し離れて北へと向かっていると、「でっかい岩」が現れてそこからは南東方向へと、山頂へは北側を回り込む形で近づくことになった。そして最後は北東側から山頂に着いた。山頂は明るく開けており、大黒天様の石像が中央に置かれていた。そして南に向かって遮るものの無い気持ちの良い展望が広がっていた。太平洋まで直線距離で20kmあり、その太平洋が光っているのが眺められた。その山頂は北側は樹林に遮られていたが、登山道を少し戻った位置に岩場があり、そこからは北の高峰群も眺められたので国見山の展望は悪くなかった。山頂に戻って暖かい陽射しの下で40分ほどの休憩をとると下山に移った。山頂からは西の方向にも小径があったのでその小径を辿ってみると、すぐに往路の登山道に合流した。後は休まず下って行くと、山頂から50分ほどで登山口に戻ってきた。国見山は登山としては簡単な山だと言えそうだった。下山後は鏡ダムへと移動し、予定通り鏡温泉で汗を流した。そして伊野ICから高知自動車道に入って帰宅の途についた。後はひたすら高速道を走って夕方には姫路に戻れると思っていたところ、瀬戸自動車道の上でタイヤがパンクするアクシデントを起こしてしまった。パンクだけなら大したことはなかったのだが、ホイールまで壊してしまいJAFのお世話になることになった。結局夜遅くの帰宅になって後味の悪いことになってしまったが、高知県の山行については十分に楽しかったと思えた。
(2021/11記) |