二度目の剣山は一番ポピュラーな見ノ越からのコースを登ることにした。2016年7月7日のことで、まだ梅雨は明けていなかったが、この日の天気予報は昼まで晴れで、その後は曇りとなっていた。日帰り登山を予定しており、天気のことを考慮して、自宅を未明の3時半に離れた。山陽道を姫路西ICより入ると、岡山方面に向かった。瀬戸自動車道に入る頃に明るくなってきたが、空に雲はほとんど無く快晴だった。予想していたよりも天気は良さそうだった。快晴の空は四国に入っても変わらず、法皇山脈の高峰も姿を見せていた。高松道、徳島道と走って、美馬ICを降りたときは6時になっていた。後は国道438号線をひた走った。車道は細くとも対向車はほとんど無かったため、スムーズな走行だった。但しカーブが多いため、慎重さを心がけて運転した。そして見ノ越には予定していた8時よりも早く、7時半過ぎの到着となった。見ノ越の駐車場は数台の車を見るだけで閑散としていた。快晴と言えども平日の早朝は、登山者は少ないようだった。見ノ越からの登山道は登山リフト駅のそばからでは無く、少し離れた商店の並ぶ辺りから始まっていた。剣神社へ通じる石段の入口が登山口だった。そのハイキングの様子は、下の写真帳をご覧いただきたい。始めに剣神社のそばを通り、後は登山リフトの経路に近づいて樹林の中を登るようになった。樹林の気温は17℃ほどで、登山としては悪くなかった。登山リフトの終点は西島駅で、駅の前まで登山道は通じており、そこで登山コースは二手に分かれていた。尾根道コースと大剱道コースで、往路は大剱道コースを選んだ。澄んだ空の下、山頂に建つ雲海荘が見えていた。登山道は傾斜がきつくなってきたが、易しい登山道に変わりなかった。登山者は少なく、道中で出会ったのは下山者一名と、途中で抜いた二名だけだった。頂上ヒュッテの前に着き、そのそばから始まる階段を登って山頂に出てみると、広い山頂には誰もいなかった。青い空に雲は見えず、ただ木道の風景が広がるだけで、本当に静かな山頂だった。その剣山山頂はまさに360度の眺望で、しかもこの日は梅雨時とは思えぬ澄んだ視界だった。陽射しを遮るものは何も無いとあって陽射しをまともに受けることになったが、空気は爽やかで暑さはあまり感じなかった。その解放感あふれる山頂をパートナーと二人きりで30分ほど過ごしたが、その間に他の登山者が現れることは無かった。次に目指したのは一ノ森だった。前回はジロウギュウとセットで登っていたので、今回は一ノ森まで足を延ばすことにしたものである。山頂の南東辺りより一ノ森コースは始まっていた。そちらも易しい道だった。鞍部との標高差は100mほど、そこより二ノ森経由で一の森へと登るのだが、そちらの標高差は30mほどでしかなかった。剣山の山頂で休むうちに周囲の山並みに少し雲が増えてきていたが、一ノ森へと向かっていると上空にも雲が現れて、それがどんどん増えてきた。登山としては陽射しを受けることが少なくなって、楽になったと言えた。一ノ森が近づくと、コースは二手に分かれた。尾根を直登するコースと巻き道を歩いて一ノ森ヒュッテに向かうコースで、ここは直登コースを登った。一ノ森は遠くから見るとごくなだらかな姿をしているだけに、山頂に着いても三角点を見てそこが山頂であることが分かる感じだった。もう上空は雲が広く占めており青空は僅かに見るだけだった。特に休憩ポイントも無かったので、平坦になっている所で休憩とした。展望は剣山とは比べものにならなかったが、ここに来て剣山とジロウギュウの並ぶ姿が眺められた。他にも東の方向への眺めが良かった。一ノ森でも30分ほど休憩して剣山へと引き返した。この帰路では剣山との鞍部までは一ノ森ヒュッテを通る巻き道コースを歩いた。そして剣山に戻って来ると再び山頂に立った。ちょうど陽射しが現れており、朝と同様に明るい山頂だった。その山頂は昼になっていたにもかかわらず、登山者は5、6人ほどだった。剣山を後にすると、西島駅までは尾根道コースを下った。こちらは距離が短いだけに大剱道コースと比べると、傾斜はきついようだった。それでも最短時間で登れるコースとあって、ぽつりぽつりと登って来る人とすれ違った。軽装の人もいたので、リフトを利用した人と思われた。西島駅に出ると、後は往路で歩いた道だった。昼となっても樹林の気温は20℃を越える程度だったので、さほど暑さを感じずに歩けた。見ノ越駐車場に戻ってきたのは13時前。まだ昼を回ったばかりの時間だったので、欲を出せばジロウギュウもピストンも出来たようだった。この後はすぐに駐車場を離れて帰路についた。山中を抜け出して一宇地区に入ると、そこには岩戸温泉があったので、一汗流すことにした。入浴料は400円とリーズナブルで、また昼の時間帯のためか貸し切り状態で入ることが出来た。美馬市に入ると来たときと同じく美馬ICで徳島道に入ったが、この帰路は徳島市の方向へと走った。神戸淡路鳴門道、第二神明道路、そして加古川バイパス、姫路バイパスと走り、自宅に戻ってきたときはまだ17時半だった。高速道路の充実のおかげで、本当に剣山は関西圏からは日帰りで楽しめる山になったようだった。
(2016/11記)(2020/4改訂) |