前回は1997年に面河渓コースを登ったので、三度目の石鎚山はオーソドックスに石鎚登山ロープウェイを使うコースで登ることにした。こちらは25年ぶりだった。向かったのは2017年7月の最終土曜日のこと。ゆったりと石鎚山登山を楽しもうと、西条駅前のホテルに前泊をしており、そのホテルを出たのは7時半過ぎだった。関西と同じく愛媛も連日好天が続いているとあって、西条市の空は濁っており、近くの山こそぼんやりとながら見えているものの、高峰の姿はガス状の雲に隠されていた。西条駅前からだと石鎚山までは30km程しかないとあって、8時15分にはロープウェイがある下谷地区に着くことが出来た。8時40分発のロープウェイに乗って山頂成就駅へ。駅を出ると周囲にガスは見られないものの、上空はガス状の雲にすっかり覆われていた。そこからの登山の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。石鎚神社の成就社までは緩やかな登りで100mほど登ることになったが、標高1400mの成就社からは下り坂となり、100mと登ってきたのと同じ高低差を下った。鞍部は八丁鞍部と呼ばれており、そこから山頂との標高差は700mだった。階段の道が多くあって、けっこう疲れる登りだった。それでも最初の鎖場である試し鎖が現れると、それを登った。鎖はけっこう太さがあったがそれがかえって掴み易く、無理なく登れた。鎖場は登りと下りの両方があり、実際は巻き道を歩く方が早いようだった。その鎖場の先で前社ヶ森小屋が現れたので一休みとした。その先は階段道が多くあり、300mほど登って夜明峠に出た。その頃には上空のガスは薄れており、ときおり陽射しを受けるようになった。樹林帯の中は気温は22℃と低めだったため涼しい中を登れていたのだが、夜明峠辺りは一度樹林帯を抜け出ており、30℃ほどの暑さになっていた。前方に避難小屋が見えており、それに向かって行くとまた階段を登るようになった。そして避難小屋の先で現れたのが一ノ鎖だった。そこまででけっこう疲れており、また取り付く人が多くいて順番待ちになるので、一ノ鎖はパスして巻き道を歩いた。そして前方に現れたのが二ノ鎖小屋だった。そこは少し風があって、その風に当たりたく10分ばかりの休憩をとった。次の鎖場はニノ鎖で、パートナーの要望もあって登ることにした。最初はスムーズに登っていたのだが、もたつく人が先におり途中から渋滞しだした。どうも鎖場を登るよりも巻き道を歩く方が早いようである。そこで最後の三ノ鎖はパスして巻き道を歩いた。一度明るくなった空だったが、ガス雲はまた厚くなったようで周囲にもガスが見られるようになった。おかげで気温は上がることは無く、また22℃ほどまで下がっていた。それでも長い階段登りが続いたため、足はすっかりくたびれており、バテ状態で山頂に近づいた。山頂まで300mの標識が現れると、まだ300mもあるのかと思ったが、すぐにガスの中に頂上山荘が見えてきた。どうやら300mは天狗岳までの距離のようだった。山頂は意外と多くの人が休んでおり、ざっと見ただけでも30人以上はおりそうだった。それでも広い山頂だけに休むスペースは十分にあり、石鎚神社の近くで休憩とした。周囲のガスはすぐに薄れ出して、天狗岳がごく近くに見えてきた。そのうちに上空に青空が広がり出すと、まともに陽射しを受けることになり、気温もすぐに30℃を越えてきた。今少し涼しい山頂を期待していたのだが、叶わないようだった。それでも青空は広くなることは無く、またガス雲の空に戻ってきた。どうやらガスは薄くなったり濃くなったりを繰り返すようだった。軽い昼食を済ませた頃には少し体力は回復していたので、天狗岳まで歩くことにした。但しパートナーは休んでいたいとのことだったので、単独で向かった。天狗岳のピークまでには10人ほどの登山者が見えており、多くも無く少なくも無くと言ったところだった。下り始めたときに登って来る人を少し待った程度で、けっこうスムーズに歩いて行けた。岩場が多かったが巻き道もあって、特に危険な感じも無く進めた。弥山から天狗岳までは10分ほどだった。その頃にはまたガスがたち込め出しており、周囲はガスの世界になっていた。それでも天狗岳に立ったことで、石鎚山登山には満足の思いとなった。弥山に戻って来ると今少し休憩をとった後、下山開始とした。八丁鞍部までは基本的に下る一方であり、ゆっくりと歩くことだけを心がけて下った。易しい下りと言っても階段下りはけっこう足を疲れさすので、二ノ鎖小屋でも休前社ヶ森小屋でも長い休憩をとった。そして八丁鞍部でも休憩をとり、八丁坂のだらだら坂を我慢しながら登ると、ようやくの思いで成就社に戻ってきた。もう後は流す感じで緩やかな坂を下ると、成就社から20分ほどで山頂成就駅に着くことが出来た。ロープウェイは16時発で10分少々待つことになった。この下山でも大汗になっており、やはり二千メートル程度の山では真夏時はあまり涼しく登れないようだった。但し石鎚山を登ったことへの満足感は、十分に持つことが出来た。
(2017/8記)(2020/4改訂) |