石垣島の地形図で三角点を探すと、島の北端となる平久保崎の近くに三角点記号を見た。標高84mの丘のピークにあり、点名はバンヤ崎だった。平久保崎には石垣島を初めて訪れた2011年に立ち寄っていたが、その日は小雨の降る生憎の天気で薄暗い海原を眺めるだけだった。その8年後に石垣島の再訪を計画したとき、晴れた平久保崎に改めて立ちたいと思った。その序でに84mピークにも立つことにした。
向かったのは二度目の石垣島山行の二日目となる1月24日で、この日は於茂登岳、久宇良岳を登っており、三つ目の山として向かったこともあって平久保崎に着いたときは15時を回っていた。ただ石垣島は日本の西端に近いとあってまだまだ明るかった。また午前は雲の多い空だったが、その頃にはほぼ快晴となっていた。その空の下で平久保崎からの展望を楽しむと、引き返す形で車を南へと進めた。進めると言っても200mほど走らせるだけで、84mピークの北の位置に着くことになった。その辺りに手頃な駐車スペースは無かったが、道幅が少し広くなっている所を見つけてその路肩に車を止めた。そこからの登山の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。伸び放題の牧草地を横切って山裾に着くと、踏み跡程度の小径を辿って斜面を登った。ほぼ草ヤブの中を登ることになった。尾根に出ると、そこから山頂との標高差はもう30mほどで、灌木と草地のヤブを適当に歩いて山頂に出た。すぐに三角点を見るものと思っていたのだが、そこに三角点があることを示す白い杭は見たものの三角点は無かった。おかしいと思って周囲を探ると、杭から少し離れたソテツのそばに三角点を見た。その四等三角点(点名・バンヤ崎)は傷一つ無かった。ほっとする思いで眺めたそのピークからの展望が素晴らしかった。蒼い丘と青い海が前面に広がっており、遠い島に来ている思いにどっぷりと浸ることが出来た。
(2019/3記) |