津嘉山森は標高こそ100メートルを越えているが、麓との標高差は20メートルほどでしか無かった。その津嘉山森に興味を持ったのは、その名の響きと山頂展望が優れているとの二点からだった。向かったのは2023年12月23日のこと。この日は午後便で帰る予定で、空いた午前の時間に小山を一つ登ろうと考えた。前日まで名護におり、那覇に向かう道中でもあったので、津嘉山森が立ち寄るには適しているのではと思えて向かった次第だった。ナビを津嘉山森にセットして近づくと、一帯はすっかり住宅地になっていることが分かった。駐車地点としては少し離れた位置から歩き始めたかったのだが、どうも適した所が見つからなかったただ山頂には一番近くなるが、山頂そばに有料老人ホーム(津嘉山の森・ヒルトップ・カシータ)が建っており、そこに広い駐車場があるのを見た。そこで老人ホームを訪ねると、あっさり駐車の許可をいただいた。津嘉山森へは老人ホームのそばから遊歩道が通じており、その終点に立派な祭壇を見た。道はそこまでに見えたが、祭壇の右手から登山道が始まっていた。その登山道が意外と手強かった。祭壇と山頂との標高差は10メートルほどなのだが、けっこう急斜面でロープを掴んでの登りでは足の置き場を慎重に決める必要があった。それでもごく僅かな時間で山頂に立つことが出来た。山頂はごく狭く、そこに三等三角点(点名・古謝)が目立っていた。そして期待以上の好展望が広がっていた。周囲はびっしりと住宅地が広がっていたが、遠くに目を向けると恩納岳を中心とした山並みが眺められた。晴れておればと思ったが、視界が良かったのは救いだった。下山はロープを掴んで登るとき以上に慎重に下った。それでも駐車場には8分とかからず戻ってきた。下山後に津嘉山森を少し離れた北東側から眺めてみると、小さいながらもすっくと立つ姿が印象的だった。
(2024/2記) |