この山名の無い128mピークに興味を持ったのは、単に久米島にある一番南の三角点ピークとしてだった。点の記では「道なし」となっていたが、北西側からならヤブコギでも短時間で山頂に立てそうに思えた。アーラ岳に近い山でもあるので、アーラ岳からの下山後に次の山として向かったのは2024年2月2日のことで、この日の二つ目の山だった。久米島の道はどの道もほぼ舗装路だったが、この128mピークが近づくとき一部だが初めてダート道を走った。128mピークのそばまで来ると、128mピークの北側を通る枝道が分岐している位置に車を止めた。上空は快晴で、2月に入ったばかりながら気温は25℃まで上がっていた。陽射しに暑さを感じながら、東へと枝道歩きを開始した。ごく緩やかな上り坂で、その坂が下りに替わる位置からは牧草地への農道が分岐していた。128mピークの北面側に広がる牧草地が眺められた。牧草地は青々としており、最近刈られたのか丈は低かった。その農道の分岐点辺りから斜面に取り付いた。すぐに灌木ヤブに入り、リュウキュウチクも混じり出した。沖縄の山はハブには十分な注意が必要のため、ヤブコギながら慎重さを心がけて進んだ。緩やかな斜面の上に取り付き点と山頂との標高差は30メートル程とあって、8分も登ればもう山頂だった。なだらかな山頂とヤブの具合を見て、三角点探しは苦労すると覚悟して探し始めると、長くもかからず四等三角点(点名・島尻)を見つけて一安心となった。辺りはすっかりヤブだったが、小さな岩があってその上に立ってみると、意外や展望を得ることが出来た。すっきりとした展望では無かったが、それでも南の海が眺められて、そこにトンバーラー岩を見た。少しは展望を楽しむことが出来たのは良かった。下山は往路を戻るつもりだったが、ヤブの斜面とあって歩いてきたコースを忠実に辿るわけにはいかず、適当に下るうちに取り付き点よりも少し東寄りの位置に出ることになった。そこは牧草地のまっただ中だった。牧草地のため視界を遮るものは無く、牧草地の一番高い位置に立ってみると、北の方向にすっきりとアーラ岳が眺められた。後は牧草地を横切って枝道に戻り、そして駐車地点へと戻って行った。上空は快晴が続いていた。
(2024/3記) |