トンナハ山を登ろうと決めたのは点の記を見てだった。登武那覇公園駐車場から三角点まで70m、徒歩2分と書かれていた。それを見て、何とも簡単に登れることに少々味気なさを感じたが、レパートリーに加えるべく登っておこうと決めた次第だった。
トンナハ山に向かったのは2024年2月1日のこと。だるま山の登山を終えると、すぐに向かった。県道242号線を走って真謝に近づくとフサキナ山の右手前に低いながらも端正な姿の山が眺められて、どうやらトンナハ山ではと推測された。ナビに従って走ると中腹まで進むことになり、着いたのは登武那覇園地の駐車場だった。辺りには東屋もあり、すっかり公園として整備されていた。車道は駐車場の先も続いており、山頂近くまで行けそうだった。点の記のコースは、その車道の終点位置からではと思われたが、その中腹の駐車場のそばに遊歩道の入口が見えたので、その遊歩道を歩くことにした。駐車場には他に車は無く、辺りに人影は無かった。遊歩道は丸太の階段道になっており、南国らしい木々に包まれた小径だった。数分も歩けば樹林を抜け出て、一帯は芝生の広がるなだらかな丘の風景となった。すっかり公園の風景で、足下で咲いていたのはスミレの花だった。その芝地を歩いて山頂に近づいた。山頂が間近になると丸っこい岩が点在するようになり、山頂も岩が点在していた。その岩のそばに四等三角点(点名・謝名堂)を見た。山頂に大きな木は無いため、そこにはほぼ360度の展望が広がっていた。山の風景も良かったが、東の大海原の風景も良く、海の色が何ともきれいだった。うっすらと渡名喜島も見えていた。公園とあってベンチも置かれており、そのベンチに座って大展望を楽しんだ。2月だと言うのに気温は25℃を越えており、少し暑さを感じながら海からの風に吹かれていた。しみじみと久米島は良いところだと思った。山頂での休憩を追えると、再び遊歩道を歩いて駐車場へと戻った。
このトンナハ山が観光地でもあると知ったのは、久米島空港でいただいた久米島のパンフレットを、この日の夜になって眺めてのことだった。ほぼ情報なしで登ったことで、新鮮な気持ちでトンナハ山を訪れたことになり、これは良かったと思えた。
(2024/2記) |