2024年1月31日に久米島に到着すると、すぐに向かったのは宇江城岳だった。ホテルがある兼城から北端の宇江城へとレンタカーで向かったのだが、その道中でどっしりとした山が前方に見えてきた。地図で確認すると、どうやらフサキナ山のようだった。そのフサキナ山は事前に調べており、点の記には「道なし」と書かれていたので、姿には惹かれたものの、樹林にびっしり包まれた姿はヤブ山そのもので、すぐには登る気持ちは起きなかった。
そのフサキナ山を登ろうと向かったのは翌日の正午過ぎのこと。この日は午前に易しい山を二つ登って体が山に馴染んできており、一つぐらいヤブ山を登っても良いのではと余裕の気持ちが起きてのことだった。ただ何と言ってもフサキナ山の山容に惹かれたのが一番の理由ではあった。道の無いフサキナ山を点の記では北西側のフサキナ池側からアプローチしていたので、それに倣おうとフサキナ池に着いてみると、入口はフェンスで塞がれており扉には鍵がかかっていた。そこで今少し南の位置から斜面に取り付くことにした。車道の広くなっている所に車を止めると、パートナーを車に残してスタートした。パートナーにはヤブと分かっている上に、ハブの危険もある山には登りたくないと拒否されていた。登る方向は北東方向だった。始めは緩やかな斜面を軽いヤブコギ程度で登っていたのだが、次第にヤブの度合いが増してきて、歩き易そうな所を探りながらとなった。リュウキュウチクも増えてきて、それをかき分けながらとなり、すっかりヤブコギ登山だった。山頂に立ちたいの思いだけで、ひたすら斜面を登って行く。何度もGPSで現在地を確認した。ヤブコギは続いたが、急坂にはならなかったので、その点は助かった。そのヤブの度合いを見て、三角点を見つけるのは厳しそうに思えてきた。実際に山頂に着いても辺りはすっかりヤブであり、なだらかな地形であることもあって、どの辺りに三角点があるのかはっきりしなかった。丹念に探すしかないと覚悟を決めて探し始めたとき、意外と早く三等三角点(点名・真謝)に出会えることになった。思わず快哉を叫んだ。そこはヤブのまっただ中で、展望は欠片も無かった。もう三角点に出会えただけで満足だった。すぐに下山に向かった。下山は往路を戻るのみだったが、これがけっこうやっかいだった。GPSを頼りに下るのだが、どうしても歩き易い所に踏み込むことになり、気が付くと反対方向に向かっていることもあった。はっきり西斜面を下るようになって歩き易い所を進んでいると、尾根筋を歩くようになり、そのまま下ってフサキナ池のそばに出た。後は池の縁を巡って車道に出ると、その先はフェンスの位置だった。フェンスを回り込んで舗装路に出ると、そこは駐車地点まで200mほどの位置だった。
(2024/2記) |