TAJIHM の 兵庫の山めぐり <沖縄県の山 
 
本部富士 (ミラムイ) 250.3m
 
ウフグシクムイ 237.0m
 
 
1/2.5万地図 : 仲宗根 本部町(沖縄県)
 
【2012年12月】 2012-114(TAJI&HM)
 
    《本部富士》 ウフグシクムイより  2012 / 12 《ウフグシクムイ》 本部富士より  2012 / 12

 本部半島の山に登ったときに分かったことは、沖縄の山には本州の山では見かけないトゲを持つ草があることで、ヤブに入ってその草に絡まれると、なかなか面倒なことになった。2009年1月に本部富士に登ったおりに、登山道を外れてヤブに入ったことがあった。そこで一見ごく普通の草に見えるそのトゲを持つ草を服をひっかけてしまい、外すのに難儀したことを憶えている。そのため本部富士こそ登山コースがあって登れるものの、南向かいのウフグシクムイは登山道が無さそうなので、登るのは無理ではと思ったものである。ところがその後、インターネット上でウフグシクムイを登ったとの情報を見るようになった。特に厳しかったとも書かれていなかったので、難儀することなく登れるのではと思えるようになった。ただどこから登ったかははっきり書かれていなかった。そこで地図を見たところ、どうも東側から登ったのではと推測されたので、そうなると登山口は本部富士と同じではと思えた。そこで次に沖縄を訪れることがあれば、本部富士を登ったときと同じ登山口からウフグシクムイを目指したいと考えた。またそのついでに本部富士を再度登ってみようとも考えた。それを実行したのは2012年のクリスマスイブ、12月24日のことだった。
 前夜の宿は名護市内の南外れとなる喜瀬地区のホテルだったので、朝起きると窓から本部半島が一望だった。雲の多い空だったが、本部半島の上空には青空が広がっていた。但し朝の気温は低く、15℃を下回っていた。その気温の低さは登山の条件としては悪くないので、さほど気にならなかった。レンタカーのナビを本部富士の近くにある本部グリーンパークホテルにセットして、ホテルを離れた。国道449号線を走って本部半島の先端部近くまで来たとき、渡久地北交差点で右折した。交差点の標識に本部グリーンパークホテル&ゴルフ場まで2.5kmと書かれていた。本部運動公園まで来て、そこから右手に分かれる車道に入ると、程なくゴフル場の入口に着いた。本部富士の登山口に通じる道路はその先にあると記憶していたのだが、一度通り過ぎてしまった。ゴルフ場の入口に戻って改めて登山口に通じる道路の分岐点を探した。ここではと思える細い車道に入ると、道は上り坂になりゴルフ場も見えて道が正しかったことが分かった。(帰路でどの位置で細い道に入れば良かったかを電柱番号で確かめると、ゴルフ場の入口は「浦崎幹26」で、登山口に通じる細道の入口は「浦崎幹40D」だった。)車一台分の幅しかない細い道を進むと、途中では民家も見られた。その細道が直角に曲がる位置から登山道が始まっていた。そこが登山口だったが、そこに建つ電柱「古島支24」には前回来たときは「本部富士」と書かれた標識が付いていたのだが、それが無くなっていた。但し登山道は砂利が敷かれて整備されていた。車は登山口そばにあった数台分の駐車スペースに駐車し、遊歩道となった登山道を歩き始めた。東へと緩やかな道を歩いて行くが、すっかりハイキング気分だった。丸太の階段が始まったとき、右手に本部富士への登山道が分かれたが、先にウフグシクムイに登る予定だったので、そこは通り過ぎた。階段道を登り切ると、道は再び緩やかになった。その辺りはウフグシクムイの北東の位置となるので、右手に分かれる小径はないかと注意して歩くと、はっきりとしない小径が右手に現れた。その小径を辿ってウフグシクムイに近づこうと、遊歩道を離れた。小径は古くからの道では無く、最近になって切り開かれた感じの道だった。点々と目印の赤テープが付いていた。道は南へと向かっており、ウフグシクムイの東側の鞍部を通るようだった。その鞍部の位置まで来ると、ウフグシクムイの方向を指した矢印と三角記号が赤色で書かれた木が現れた。その方向へと小径が分かれていたので、これですんなりとウフグシクムイに登って行けると思え、一安心だった。ところがその小径を辿りだすと、すぐに怪しくなってしまった。一度切り開きの道まで戻って辺りを探ったが、はっきりとした登山道はどうも無さそうだった。そこで先ほどの道をそのまま登って行くことにした。幸いなことに前方の木立は空いており、下草も少ないようなので、そのまま登って行けそうに思えた。急斜面だったが、登り易そうな所を探しながら登ると、特に厳しくもなく登って行けた。途中からは小径と思える所も歩けるようになったが、それ以外の場所でも同じ感じで登って行けそうだった。山頂が近づくと傾斜が緩んできた。そして山頂に出る手前でヤブが現れたが、少しかき分けるだけで意外とあっさり山頂に立てた。そこは狭い範囲ながら開けており、その中に四等三角点(点名・上城森)が置かれていた。また小ぶりな墓のようなものを見た。ウフグシクムイの山頂に立てただけで満足だったが、展望も悪くなかった。東に八重岳、南から西には東シナ海が広がって、そこに伊江島が浮かんでいた。そして北西には間近く本部富士が望めた。その本部富士を眺めて、漸くウフグシクムイに立てたと感慨深かった。さて下山だったが、途中より辿っていたケモノ道程度の小径をずっと歩いてみることにした。その小径を下りだしたとき、道そばに大きな穴を見た。登ってくるときは見落としていたようだったが、なかなか深そうな穴だった。小径のままに下っていけば鞍部まですんなりと出られることを期待したのだが、やはり中腹辺りではっきりしなくなった。どうも一度は切り開かれたものの、その後の草木の生長で自然に戻ったのかも知れない。道は無くともけっこう適当に下れたので、道のことは気にせず下ると、鞍部で見た三角記号を付けた木のそばに下り着いた。そして遊歩道の方へと戻って行った。遊歩道に出て時計を見ると、まだ11時前だった。次は本部富士を目指す。本部富士の登山口は通り過ぎていたので、少し戻ることになる。階段道を下って行くと、その先に本部富士の登山口標識が現れた。こちらははっきりした登山道があるので、後は登山道のままに登って行くだけだった。目印テープも的確に付いていた。4年ぶりの本部富士となるが、コースの様子はあまり変わっていないようだった。また二度目と言うことでもあるのでハイキングの様子は詳しくは書かないが、ウフグシクムイの後とあって、何ともスムーズなものだった。また山頂までの経路をおおよそ記憶していたので、石灰岩のとげとげしい岩が現れてもあまり気にせず登って行けた。思えば石灰岩のガレ場はウフグシクムイではほとんど見かけなかったので、登山として考えると本部富士の方が面白いと言えそうだった。また山頂からの展望も本部富士の方が岩場の山頂のため、勝っていると言えた。東シナ海が広く眺められ、西には伊江島が、北には伊是名島と伊平屋島が青い海に浮かんでいた。前回と同様に晴れの下での展望を存分に楽むと、後はすんなりと登山コースを引き返して駐車地点へと戻って行った。駐車地点までの下山時間は30分とかかっていなかったので、やはり本部富士は簡単に登山を楽しめる山と言えそうだった。時計を見るとまだ12時を回ったばかりだった。午後は別の山を登ろうと、そそくさと登山口を後にした。
(2013/1記)(2018/1写真改訂)
<登山日> 2012年12月24日 9:45スタート/9:51遊歩道から枝道に入る/10:18〜38ウフグシクムイ/10:55〜59遊歩道に出る/11:23〜42本部富士/12:09エンド。
(天気) 朝の空は雲が多かったが、青空の所も見られた。その青空が次第に広がって、空の半分以上は青空となってきた。気温は15℃ほど。山頂では北から少し冷たさのある風を受けた。視界はまずまず良かった。
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登山道の入口に
着くと、電柱に
あった本部富士
の標識は無くな
っていた

近くにあった路
肩部に車を止め

遊歩道となった登山道を歩き始めた 南にはウフグシクムイの姿が大きかった 遊歩道は始めはごく緩やかな道だった
階段が始まると本部富士の登山口を見たが、ウフグシ
クムイを先に登ろうと、そのまま階段を登った
階段道は十分な幅で続いた 南側が開けたとき、ウフグシクムイが違った姿になっ
て見えていた
また緩やかな道を歩くようになった 右手に枝道が分かれたので、その道に入った 道は切り開きの道で、赤テープが点々と付いていた
道ははっきりしない所もあれば、十分な道幅の所もあ
った
ウフグシクムイの東側の鞍部に来たとき、三角点記号
と矢印が書かれた木が現れた
三角点記号のそばからは、はっきりしない小径が始ま
っていたので、それを登って行くことにした
背後を振り返ったとき、そちらに見えていたのはデー
サンダームイのようだった
小径は山頂まで続くと思っていたのだが、すぐに不確
かになってしまった
木立は密生していなかったので、かまわず登っていく
ことにした 但し急斜面だった
石灰岩が見られるようになったが、本部富士のように
ガレ場になった所は無かった
登るうちに小径を辿るようになり、傾斜も緩んできた 山頂が目前になったとき、ちょっとヤブをこぐことに
なった
ウフグシクムイの山頂に出た 草地の広がる山頂だった 山頂の四等三角点(点名・上城森)を見る

周囲に高い木は
少なく好展望の
山頂だった

南西から北西に
かけてを眺める
(←)
上の写真中で左端
にちらりと写る恩
納岳を大きく見る

  (→)
  本部半島の中心部
  となる南東方向を
  見ると八重岳が大
  きかった
 


 北西から北東に
 かけてを眺める
本部富士を大きく見る 本部町の本部大橋と瀬底大橋が見えていた 下山は小径のままに下って行くことにした
深い穴があるのを見た 小径は中腹辺りでやはり不確かになってしまった 後は歩き易い所を探しながら下った
三角点記号が付いた木の近くに下りてきた 切り開きの道を遊歩道の方向へと戻って行った 遊歩道に出ると、駐車地点の方向に戻って行った
階段の道を下って行く 本部富士の登山口まで戻ってきた 本部富士の登山道に入った
ロープの張られた登山道を登って行く 石灰岩のガレ場が現れた パートナーが後から登ってくる

右手にデーサンダ
ームイがすっきり
と見えていた

背後にはウフグシ
クムイが全貌を見
せていた
西には東シナ海に浮かぶ伊江島が見えてきた 本部富士の山頂が見えてきた ピークが近づいた
それは手前のピークで、そこに着いて山頂を見上げた 山頂へと巻き道に入った 山頂への登りにかかった
背後に風景が広がってきた 最後のガレ場を登る 本部富士の山頂が目前になった

石灰岩に覆われ
た山頂に着いた

4年ぶりだった

山頂の石灰岩に近
寄った
本部富士山頂からの展望は素晴らしい 岩場の山頂とあってウフグシクムイの山頂よりも広がりがあった

(←)
 青い海に浮かぶ伊
 江島を大きく見る


  (→)
  伊江島の城山を大
  きく見る
北から北東にかけてを見る 伊是名島(手前)と伊平屋島が重なって見えていた 
八重岳の山頂を大きく見る 水納島を大きく見る 陽射しを受けて明るいデーサンダームイを見る
下山を始める ガレ場をパートナーが慎重に下る 下る途中でデーサンダームイとウフグシクムイの並ぶ姿を見る
下る途中で本部富士の姿を仰ぎ見た 最後のガレ場を足下に見る ロープを掴んで下るようになれば遊歩道は近い
二つの山を登り終えた安堵感を持って遊歩道を歩いた すっかり明るい登山口に戻ってきた