TAJIHM の 兵庫の山めぐり <沖縄県の山 
 
尾西岳    おにしだけ 272.1m 国頭村(沖縄県)
 
1/2.5万地図 : 楚州
 
【2011年12月】 2011-124(TAJI&HM)
 
   奥2号林道より  2011 / 12

 沖縄本島の北部は広い範囲をヤンバルの森が占めており、地図を見ると山名の付く山が散見出来る。そのヤンバルの森の北辺近く、太平洋側から2.5kmほど内に入った所にあるのが尾西岳だった。2011年12月に第3回目の沖縄本島の山行を実行したとき、この尾西岳を候補に上げていたが、やはり地理的に魅力を感じてだった。
 向かったのは24日で、名護市内のホテルを8時過ぎに離れた。まず目指したのが、ヤンバルの森の北部で、比較的標高のある西銘岳だった。どこから登山道が始まっているのかよく分からないままに向かったのだが、幸いなことに偶然のように登山道に出会えて、無事に西銘岳の山頂に立つことが出来た。幸先よしと言えた。下山を終えて車に戻ってきたのは11時過ぎ。すぐに尾西岳を目指した。レンタカーにカーナビは付いていたものの、林道ではカーナビは機能せず、2万5千分の一の地図を見ながら車を走らせた。見ながらと言ってもチヌフク林道は舗装されており、その林道をひたすら走るだけだった。ただ林道は車一台分の幅しか無く、しかもくねくねとしていたので、枝道に入らないように注意した。対向車と出会うことも無く、国道58号線に合流し、東海岸を目指した。奥地区を抜けて県道70号線に入ったとき、程なく奥2号林道が分かれた。その林道が尾西岳の間近を通っている。林道に入って南西の尾西岳を目指して行く。再びヤンバルの森に入ったのだが、海岸線に近いとあって、あまり山深さは感じられず、ありふれた林道走行の雰囲気だった。地図に描かれた林道を頭に思い浮かべながら走って行くと、そろそろ尾西岳が近いのではと思われたとき、イメージ通りに小さな山が前方に現れた。その辺りより右手の山すそに登山道が見えないかと慎重に走ったが、登山道を見ないままに尾西岳から離れ出した。どうもはっきりとしたコースは無いと思われたので、一度引き返し、待避所の位置に車を止めた。そこより歩き出して、登り易そうな所から適当に登ることにした。始めに右手に支林道が分かれたが、入口に標識があり、そちらの道は県営林に入るため許可が必要と書かれていた。そこより少し進んで、山頂の南東に位置する辺りに来ると、右手の路肩部がぐんと広くなった。地図を見ると、その辺りに取り付けば支尾根に出られ、その支尾根は主尾根と呼べる南尾根につながっていた。そこはうまく緩斜面になっており、ごくスムーズに取り付けた。軽いヤブコギ程度で支尾根に出ると、そこには踏み跡程度の小径が付いていた。また目印テープも見られた。尾根を西へと辿り出すと、始めは緩やかで問題は無かったが、途中から急傾斜となり、琉球ササが増えてきた。ちょっとしたヤブコギとなったが、細いなりに小径は続いていた。小さな山なので、始めに山すそに取り付いてから、10分少々で主尾根に合流した。そこにははっきりとした登山道が付いていた。尾根は緩やかで、ようやくハイキングの雰囲気だった。合流点が分かり難いため、そこに目印を付けてから主尾根歩きに移った。登山道のままに歩けば、すんなりと山頂に着くと思っていたのだが、途中から尾根を離れて、左手の西斜面をトラバースで歩くようになった。また道も細くなってきた。どうも西銘岳と比べると、ずっとマイナーな雰囲気だった。トラバース道から尾根に向かう小径が分かれたので、それを登って再び尾根に出た。少しヤブをこぐ感じで進んでいると、三角点が現れた。そこが尾西岳の山頂だった。ごく狭い山頂で、三角点が無ければ通過してしまいそうだった。それでも少し展望があって、それは北東から東にかけての方向だったが、太平洋が広く眺められた。また洋上に浮かぶ与論島も眺められた。ただその風景は、西銘岳から見た風景とあまり変わらなかったので、新鮮さは少なかった。山頂では陽射しが現れたり陰ったりを繰り返したが、陰っているときは気温が13℃と言うこともあって、少し肌寒さも感じた。山頂で昼食を済ますと、長くは止まらずに下山とする。下山は主尾根の小径をずっと歩いて林道へと考えて、その通りに歩いていたところ、往路で歩いた支尾根との合流点を過ぎた先で、次第にヤブっぽくなってきた。またどんどん駐車地点の方向とは離れ出したので、主尾根を辿ることは止めにした。そして引き返して、往路で歩いた支尾根を下って行くことにした。結局ピストン登山となって、尾西岳登山を終えた。主尾根でこそ多少ヤンバルの森らしさを感じたものの、全体としては本州の低山を登ったような雰囲気で、あまりヤンバルの森に浸った感じはしなかった。ただこれもヤンバルの森の一側面と考えて、尾西岳を後にした。
(2012/2記)(2018/1改訂)(2024/7写真改訂)
<登山日> 2011年12月24日 12:12スタート/12:20南東斜面に取り付く/12:23支尾根に出る/12:31南尾根に合流する/12:38〜55山頂/13:10支尾根に入る/13:18林道に下り着く/13:25エンド。
(天気) 青空も現れるが、西から雲が流れてきて、雲の広がることの多い空だった。気温は13℃ほど。北風がやや強く吹いていた。視界は悪くなかった。
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国道58号線を走っていると、南に一つ頭をもたげた山が望まれた その方向からして、それが尾西岳かと思われた 奥2号林道を走っていると、前方に見えてきたのが尾西岳だった
車は少し離れた待避所のある位置に止めて、そこから前方に見える尾西岳に向かって歩き始めた 程なく右手に林道が分かれたが、そちらに入るのには許可が必要と書かれていた 直進を続けた 山裾に赤テープを見たが、登り易そうな所を求めて今少し歩くことにした
路肩の広くなった所が現れた その辺りの斜面が登り易そうだった 少しヤブっぽい斜面を適当に登って尾根を目指した 尾根に出ると、そこには小径が付いていた それを辿って西へと登って行った
ときおり目印テープを目にした 次第に急斜面を登るようになった 南尾根に合流して、緩やかな尾根道を歩いて行く
途中から陽射しを受けるようになった 尾根道からトラバース道が分かれた そちらの方が歩き易そうに思えて、トラバース道に入る トラバース道がヤブっぽくなって歩き難くなったので尾根に出ることにした
再び尾根道を歩くが、そこもヤブっぽさがあり、マイナーな雰囲気だった いきなりと言った感じで山頂に着いた 三角点が無ければ通り過ぎそうだった 山頂の三等三角点(点名・尾西山)を見る

山頂からの展望は
北東から東の方向
で、洋上にうっす
らと与論島が眺め
られた
上の写真に写る与論島を大きく見る 更に大きく見る 島の東側だった
海岸の岩礁を見る 山頂で咲いていたツワブキの花を見る 林道に止めている自分の車が見えていた
下山は南尾根を道なりに歩いて行くことにした 支尾根の分岐点を過ぎた辺りまでは良かったが 尾根道は次第にはっきりしなくなると共に駐車地点の方向とは離れだした 支尾根の分岐点まで戻って、支尾根を下って行くことにした 結局はピストン登山だった
支尾根は下るうちに歩き易くなった 登りの取り付き地点に下りてきた 後は林道を歩いて駐車地点に戻って行った
道そばで見かけた巨大なシダは、ヒカゲヘゴのようだった 道そばでときおりツワブキも見かけた 駐車地点に着いて振り返えると、尾西岳の上空には雲が広がっていた