TAJIHM の 兵庫の山めぐり <沖縄県の山
 
伊部岳    いぶだけ 351.8m 国頭村(沖縄県)
 
1/2.5万地図 : 楚州
 
【2011年12月】 2011-125(TAJI&HM)
 
   南麓を走る林道より  2011 / 12

 ガイドブックの新・分県登山ガイド「沖縄県の山」では、沖縄本島の北部を広く占めるヤンバルの森の山としては、沖縄本島の最高峰となる与那覇岳と、塩屋富士からネクマチヂ岳に続く尾根の二つが紹介されているが、地図を見ると、山名の付いている山は他にもたくさんある。その中で登山記録のある山はないかとインターネットで調べると、西銘岳と尾西山に伊部岳の三つが気になった。いずれも短時間で登れそうだった。2011年12月に第3回目の沖縄本島の山行を計画したとき、その三つ共を一日で登ろうと考えた。山の大きさとその位置関係を見て、特に無理とは思えなかった。但しスムーズに回るには順番が必要である。宿泊の予定地は名護だったので、そこを起点として考えて、決めた順番は、始めに西銘岳に登り、そこより北上して東海岸に出る。次に一番北に位置する尾西岳を登り、後は東海岸沿いを南下して伊部岳に向かうというものだった。
 伊部岳登山を実行したのはクリスマスイブの日。朝に名護のホテルを8時過ぎに出ると、車が多かったのは名護市街だけで、後は空いており、すんなりとヤンバルの森に入って行けた。また西銘岳、尾西岳共にすんなりと登山が出来て、予定通りに伊部岳に向かえることになった。東海岸沿いを続く県道70号線を南下して行くと、右手前方にすそ野を長く引いた伊部岳が現れた。端正と言える姿だった。その姿が次第に大きくなってくる。インターネットの情報では、伊部岳への道が始まるのは「伊部岳実弾射撃演習阻止闘争碑」がある所となっていたので、伊部岳の西方に近づいた頃より道の周囲に注意して走った。その闘争碑だが、探すまでもなく車道のすぐそばに立っていたので、難なく分かった。そのそばが広めの空き地となっていたので、そこに駐車とした。闘争碑のそばからは、荒れた林道が西の方向に始まっていた。それが登山コースのはずなので、準備を済ませるとすぐに歩き出した。緩やかな登り坂で、がたがたのコンクリート道は少し歩くと土道に変わった。そして畑地のそばに出ると、そこから伊部岳がすっきりと眺められた。午前は雲が多いながらも青空も見られた空だったが、伊部岳の上空は雲が広がっており、その姿は薄暗かった。但しその姿は端正さがあり、登高意欲をそそられた。林道は折れ曲がって、伊部岳に向かって行く。樹林帯に入って伊部岳が見えなくなると、程なく林道は二手に分かれた。右手の道はぬかるんでおり、左手はぬかるみが無かった。平行しているように見えたので、左手のぬかるみの無い方を歩き出すと、次第に伊部岳から離れ出した。ぬかるんでいる方が正しかったようなので、すぐにショートカットしてもう一方の林道に戻った。戻った位置ではぬかるみは無かったので、ぬかるんでいたのは最初だけのようだった。その林道を歩き出すと、小径が右手に分かれたが、そのまま広い道を歩いて行くと、また小径が右手に分かれた。その小径の入口に伊部岳を示す標識が付いていたので、安心してその小径に入った。小径はすっかり登山道の雰囲気で、ようやく三つ目の山にして本格的に登山をしている気分になれた。登山道は赤土の所もあればオレンジ色の所もあり、その様子に玉辻山を登っていたときを思い出した。周囲はすっかり亜熱帯の深い森で、ヤンバルの森を登っている雰囲気を味わえた。暫く登ると道は緩くなって、伊部岳の西へ回り込むようになったが、程なく右手に道が分かれた。そちらは山頂の方向なので、迷わず右手の道に入った。その道は急坂で続いたが、気温が低いこともあって、むしろ心地良い汗がかけて良かったの思いで登った。長いようでも10分とかからず平らに開けた所が現れて、その辺りが一番高い位置のようだった。つまりはそこが山頂のようだったが、そこにあると思っていた三角点が見当たらなかった。三角点に似た石はあったが、正しい三角点では無かった。暫く一帯を探したもののどうにも見つからず、三角点探しは諦めて休憩とする。雲の広がる空だったが、南国の空らしく、空模様はずっと曇りと言うことは無く、暫くすると雲が切れて、青空が現れるようになった。更に陽も射してきて、山頂は明るくなった。山頂からの展望は南東の方向で、太平洋までの風景が眺められた。また少し北に進んだ位置にも展望地があって、そちらは太平洋が更に広く眺められた。その洋上に虹がかかっているのも見られた。暫く佇むうちにまた雲が広がり出したので、それをしおに下山することにした。ただ三角点を確認出来なかったのが心残りだったので、2.5万分の1の地図「楚州」に描かれた三角点記号の位置を今一度確認してから、周囲のヤブを含めて改めて三角点探しを始めた。その執念が実ったのか、登山道から数メートル東側に離れたヤブの中で、すっかり草に隠れていた三等三角点(点名・伊部岳)を見つけることが出来た。全くきれいな三角点だった。これで伊部岳に思いを残すことも無く下山に向かえた。下山は歩いてきた道を引き返すだけなので、スムーズなものだった。ただ天気は悪くなり、途中から予想していなかった小雨が降るようになった。ごく軽い雨なので気にせず下っているうちに小止みになった。下山は早かった。麓との標高差は200mほどなので、30分ほどで、伊部岳が良く見える畑地のそばまで戻って来られた。うれしいのは空に再び青空が広がり出したことで、往路では薄暗く見えていた伊部岳が、陽射しを受けた姿で眺めることが出来た。駐車地点に戻ってきたのは16時前。長く歩いていたようでも、山頂での休憩を含めても、2時間程度のハイキングだった。それでもこの日一番しっかりと登れた感を持てたのがこの伊部岳であり、この好印象なら、是非とも「沖縄県の山」に載せても良いのではと思えた。下山後は、ヤンバルの森を東西に縦貫する県道2号線を西の方向へと走って帰路についたのだが、途中から雨となった。それもときに強い降りとなった。その雨空を見ながら、三つの山のどれか一つにでも手間取っておれば、雨の伊部岳になっていたようだった。それを思うと、この日は総てがうまくいったと思わざるを得なかった。
(2012/2記)(2017/7写真改訂)
<登山日> 2011年12月24日 14:08スタート/14:27登山口/14:40山頂への道に入る/14:47〜15:10山頂/15:33登山口/15:53エンド。
(天気) 雲の広がる空で、青空は僅かに見えるだけだった。その空が山頂に着く前より青空が広がって、陽射しを受けるようになった。それは一時的だったようで、その後はまた雲が広がって、更に下山途中では小雨が降ってきた。ただ小雨は長く続かず、再び曇り空に戻る。そして下山を終える頃にはまた陽射しが現れるまでになった。気温は13℃で、山頂ではあまり風を受けなかった。視界はまずまず良かった。
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県道70号線を走っていると、右手前方に伊部岳が望
めるようになった その上空は雲が広がっていた
「闘争の碑」が建つ位置に着いた 県道70号線から
分かれて林道が始まっていた
「闘争の碑」は立派な石碑だった
林道はガタガタのコンクリート道で始まっていた 林道の脇にクワズイモを見かけた マングース捕獲用の罠を見る
林道は土道に変わった 陽射しも現れてきた 展望が開けたとき、畑地の先に海が眺められた 優しげな道となってきた そばは畑地だった
北の空に、すっきりと伊部岳が眺められた 空は雲が
広がっており、その姿は暗かった
右手の畑地は荒れ地になってしまったのか、ススキの
原になっていた
林道は伊部岳に向かうようになり、林の中へと入って
行った
赤土の道は滑り易かった 途中で林道が二手に分かれ
たとき左手に入ってしまったが、すぐに戻った
林道から一度小径が分かれるたが、ここは真っ直ぐに
進んだ
また右手に小径が分かれた 赤い標識の下に伊部岳の
文字を見た ここが登山口だった
登山道を登って行く 登山道も赤土の所が多かった 足下に注意しながら登りを続ける
シダの茂る所を通る リュウキュウチクも現れた 途中から山頂へ向かう道が分かれた
山頂への道を登る やや急坂で続いた 山頂に着いたが、そこに三角点は無かった 最高点はヤブの中だったが、三角点は見なかった

 三角点探しは諦め
 て、山頂の南端で
 休憩とした 南東
 方向が開けており
 太平洋が眺められ
 た 写真の左端辺
 りが安田漁港だっ
 た

 左の写真の中央部
 に陽射しが当たっ
 たときに、そこを
 大きく見た

 山頂を少し北に歩く
 とまた展望地が現れ
 た

 そこからは東の海が
 広く眺められた
上の写真の左端に写るのは西銘岳かも知れない 洋上にかかる虹を見る(上の写真の中央辺り) 安田ヶ島の周囲をリーフが囲っている
山頂ではツワブキの花が咲いていた 淡いピンクで咲くのはサクラツツジのようだった サクラツツジの花を大きく見る
三角点をもう一度探したところ、登山道から少し離れ
たヤブの中で、草に埋もれていた
三角点を見つけたことで思い残すことは無く、下山に
移る 下る途中より小雨が降り出した
赤土で滑らないようにと、慎重に下った

 登山口に戻ってき
 た

 林を抜けて畑地ま
 で戻ると、陽射し
 が現れて、明るく
 伊部岳が眺められ
 た
伊部岳を大きく見る 陽射しの当たりだした林道を戻って行く 林道の起点に近づいた 駐車の車が見えている