照首山はヤンバルの森の中心部に位置するが、間近を県道2号線が走っており、地図を見ると県道のそばから破線で描かれた道が山頂まで続いている。どう見ても10分ほどで山頂に立てそうだった。そうなるとこの山を目指してとはいかず、別の山を登ったついでに登ろうと考えていた。それを実行したのは2017年12月の第二週のことで、この日の目的は沖縄本島の最高峰である与那覇岳で、穏やかな天気の下、12時前に下山を終えた。まだ昼前でもあり、午後はごく簡単な山を登ろうと照首山に向かった次第だった。西海岸の国道58号線に出るとそこで昼休憩をとり、おもむろに北へと向かった。そして与那地区で県道2号線に入ると、ヤンバルの森を横断することになった。深い樹林帯を抜ける道だったが、県道は2車線道路として楽々と走れて、照首山のそばに着いたときはまだ13時になっていなかった。そこは奥与那林道の起点で、駐車地点を求めて奥与那林道へと入ると、数十メートル走っただけで路肩が広くなった所が現れた。そこに駐車としたのだが、目の前の斜面を見ると照首山の山頂へと登山道が始まっているのを見た。はっきりとしており、照首山に行ける道と確信した。いざ歩き出すとやや急坂で始まったが、そこにはロープが付けられていた。その後もはっきりとした道が、亜熱帯性の樹林の中を続いていた。尾根に出たと思ったらもうそこが照首山の山頂で、三等三角点(点名・照首山)を見た。登山口から5分しか経っておらず、何とも呆気なかった。せっかく照首山の山頂に立ったのだから少しは展望を得たいと周囲を見渡すも、樹林とリュウキュウチクが周囲に広がっており展望のかけらも無かった。そこで尾根道を少し歩いてみることにした。地図に描かれている通りに尾根上を十分な道幅の小径が北へと続いており、いざ歩き出すと急坂も無くヤブになることも無く無難に歩けた。但し展望はずっと現れず、とうとう北隣の393mピークまで来てしまった。そこも展望は無く、諦めて引き返すことにした。それでも僅かでも展望を得ようと山頂近くまで戻ったとき、手頃な木に登ってみた。そして見えたのは西海岸の方向で、海上に浮かんでいたのは伊平屋島だった。照首山でこれ以上求めるものは無く、山頂に戻るとそそくさと下山した。下山も5分だった。
(2018/1記)(2019/3写真改訂) |