TAJIHM の 兵庫の山めぐり <沖縄県の山
 
古巣岳    ふるしだけ 391m 名護市
安和岳    あわだけ 432m
三角山    さんかくやま 340m
 
1/2.5万地図 : 名護
 
【2011年12月】 2011-126(TAJI&HM)
   勝山公民館の前より  2011 / 12

 沖縄本島で最も山岳らしい風景と言えば、名護湾側から眺める本部半島中央部の山並みではと思われるが、その中心となるのが嘉津宇岳で、その前衛峰の古巣岳、安和岳、それと山頂そばまで車道があって登山対象とはされないが、八重岳が加わって重厚な山岳風景を作っている。新・分県登山ガイド「沖縄県の山」が発行される前の2006年に沖縄本島を訪れたとき、偶然見かけた嘉津宇岳の標識を見て、嘉津宇岳を登っていたが、標高270mにある車道終点からだと30分とかからず山頂に立ててしまい、今少しその標高に見合った登山道で登ってみたかったと思ったものだった。その後「沖縄県の山」が出版されて、本部半島の山としては嘉津宇岳以外にも古巣岳が紹介され、更に改訂版では安和岳が加わって、三つの山が紹介されるまでになった。こうなるとまだ登っていない古巣岳と安和岳も登ってみたいと思うようになり、また勝山集落から歩き始めるコースは、それなりに時間がかかるようで、登山として十分に楽しめそうだった。そこでその二つの山の登山を考えたとき、「沖縄県の山」では別々に登る形で紹介されていたが、隣同士の山であり、途中まで同じ登山道を歩くので、二つの山を一緒に登ってしまうのは暑い季節ならともかく、冬場のひんやりとした空気の中では、特に厳しいとも思えなかった。そこで2011年12月に、第3回目の沖縄本島の山行を計画したとき、2日目の25日、クリスマスの日に両山の登山を実行とした。
 前日は本島北部に広がるヤンバルの森の山を登り、前日と同じく名護市内のホテルで朝を迎えた。天気予報では曇り空とされていたが、朝の空は雲が多いながらも、本部半島の上空には青空が見られた。ただ西の海上には雲が広がっていたので、やはり曇りになりそうだった。車を止めたのは勝山集落にある公民館の前で、そのそばからは古巣岳だけでなく、三角山と安和岳がすっきりと眺められた。着いたときは上空は曇り空に変わっていたのだが、準備を整えて歩き出すと、南東の空の雲が割れて陽射しが現れた。そして見る間に安和岳も古巣岳も陽射しを受けて明るくなった。その様子から、ずっと曇り空と言うこともなく、ときおり晴れ間も広がるものと思われた。この後の登山の様子は、下の写真帳で見ていただくのが分かり易い上に、古巣岳も安和岳も「沖縄県の山」に紹介されている山でもあるので、詳細は割愛させていただくが、この日に歩いたルートは大ざっぱに次の通り。勝山公民館の近くには安和岳、古巣岳の方向を示す案内板があり、それに従うとシークヮーサー畑へと入った。畑の奥から始まる枯れ沢沿いの小径を、古巣岳コースと安和岳コースの分岐点まで歩いた後、まずは古巣岳を目指した。途中から急坂が続いたが、山頂では名護湾を始めとして名護市街の展望が楽しめた、その古巣岳から戻るとき、古見台にも立ち寄った。分岐点に戻って来ると、沢沿いの道を安和岳を目指して北へと歩いた。沢を登り詰める辺りまで来ると、嘉津宇岳への道が分かれたが、そこを通り過ぎると、安和岳へと急坂登りが始まった。きついながらも登る楽しさがあり、漸く安和岳の山頂に立てたときは、一つの山を登りきった充実感に浸れた。そこからは「沖縄県の山」の紹介コースのままに三角山経由で下ると、古巣岳コースと安和岳コースの分岐点のそばに下りてきた。後はシークヮーサー畑へと戻り、駐車地点に帰ってきた。
 休憩時間を入れてかかった時間は5時間ほどとなったので、1回の登山としては十分に楽しめたと言えそうだった。どちらの山頂も風が強く、気温も14℃ほどで、沖縄の山とは思えぬ肌寒さを感じたが、山頂で過ごすうちには陽射しが現れることがあり、暫くは陽射しの中で過ごせたのは良かった。特に安和岳では山頂に立つ頃より雨がぱらつきだして、どうなることかと思っているときに、その雨の中で陽射しが現れた。そのうちに雨は止んで、さっと暖かくなってくれたのは有り難かった。こうして二つの山ともに十分に楽しむことが出来て、沖縄の山を登るのなら、与那覇岳でなく是非ともこの本部の山にも登っておくべきではとの思いを強くした。
(2012/2記)(2021/6改訂)      
<登山日> 2011年12月25日 9:11勝山公民館前スタート/9:22車道から畑への道に入る/9:28登山道に入る/9:38安和岳古巣岳分岐点/10:02古見台分岐点/10:19〜49古巣岳山頂/11:07〜12古見台/11:26安和岳古巣岳分岐点/11:56安和岳嘉津宇岳分岐点/12:26〜52安和岳山頂/13:07[400m]ピーク/13:28〜35三角山/13:59安和岳古巣岳分岐点/14:15車道に出る/14:27エンド。
(天気) 曇り空となることが多かったが、青空が広がって陽射しを受けることもあった。気温は15℃。いずれの山頂でも北風がやや強く吹いており、少し肌寒さを感じた。但し、陽射しが現れると、程良い暖かさだった。視界はまずまず良かったが、方向によっては雨で煙っていた。
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 朝に幸喜公園に立
 ち寄ると、本部半
 島の上空は青空だ
 った

 本部半島中央部の
 山並みを大きく見
 る
 
国道449号線を離れて、勝山地区への車道に
入る 上空は黒い雲が広がろうとしていた
勝山農村交流センターの前に出た その奥が勝
山公民館だった
支度を整えていると、安和岳に陽射しが当たり
だした

 見る間にこれから
 向かう山並みが明
 るくなった

 勝山公民館も明る
 くなった その公
 民館の前から歩き
 出す
黄色い喫茶店の看板の横に案内標識が立っていた 案内標識に従って安和岳、古巣岳への道に入る 暗い空に三角山が鮮やかに見えていた
このインパチェンスが道そばでよく咲いていた 陽射しに照らされた車道を歩いて行く 沢山の実を付けたシークヮーサーの木をよく見た
歩くうちに三角山が陰ってしまった 標識があり、北へ延びる小径に入った 周囲はシークヮーサーの畑となってきた
シークヮーサーの実を見る 畑の中を歩いて行く 道の雰囲気は良かった 畑を通り抜けると、標識に従って登山道に入る
    
周囲は樹林の風景となる そばで見かけた青い実はパパイヤのようだった 登山道に岩が目立つようになった
クワズイモやヤシを見るようになった 枯れ沢を登って行くが、鋭い岩が増えてきた パートナーが少し遅れて岩場を登ってくる
安和岳コースと古巣岳コースの分岐点に着く 右手の古巣岳コースに入って、ヤシの中を歩く 屏風岩の横を過ぎる
登るうちに背後に名護湾の風景が見えてきた 易しく歩ける所もあった すっきりと名護湾の見える所で一息入れる
西に見えたのは三角山のようだった 岩場の登りを続ける 傾斜がきつくなって、木に掴まって登って行く
急斜面の登りは山頂まで続いた 古巣岳の山頂が目前になった 山頂は高台のようになっており一気に展望が開けた
暗い空だったが、名護市街と名護湾が一望だった
辺野古岳、久志岳、石岳の並ぶ姿を見る 部瀬名岬の奥に233mピーク(点名・名嘉真山)を見る
少しイバラヤブをかき分けて東に下ると、嘉津宇岳の姿が良く見えるようになった 嘉津宇岳の上空に青空が広がってきた
上の写真の古宇利島を大きく見る 名護市街を大きく見る 風の強い山頂だった パートナーが身を縮めている
古巣岳山頂を離れて、登ってきた道を引き返す 急坂を慎重に下る 鋭い石灰岩に躓かないように注意が必要だった
この下山では古見台に立ち寄ることにした 古見台は岩場のテラスだった 山頂と同様に、ここも好展望地だった
古見台からは、古巣岳山頂と同じく、名護湾の風景をすっきりと眺められた 左の写真の名護岳を大きく見る
足下は、緑に包まれた勝山集落だった 古見台を離れて、下山を続けた 枯れ沢に戻って、次に安和岳コースに入った
ジャングルの雰囲気の中を登って行く 石灰岩の岩壁を見る 相変わらず岩がごろごろとする登山道だった
嘉津宇岳コースが分かれた 安和岳コースを進む 尾根を登るようになって傾斜が増してきた
この尾根でも鋭く尖った石灰岩を多く見た 一度、尾根を離れて巻き道を歩いた また尾根に出たとき、間近に八重岳を見た
山頂が近づいて、また急坂登りとなった 安和岳山頂が見えてきた 山頂が目前になる
安和岳山頂に着く 着いたときは、うっすら陽射しが当たっていた 休むうちに小雨が降ってきて、暫し雨が止むのを待った

 安和岳の山頂より
 西から北にかけて
 を眺める 遠く東
 シナ海まで眺めら
 れた
上の写真の左端に写る小さな山を見る 東シナ海に浮かぶ水納島を見る 伊江島の城山が僅かに覗いていた

安和岳の山頂より
北から東にかけて
を眺める

 安和岳の山頂より
 東から南にかけて
 を眺める 名護湾
 が陽射しを受けて
 光っていた
山頂の尖った石灰岩を見る 光る名護湾の奥に恩納岳を見る 安和岳の山頂を離れて三角山への道に入った
樹林帯を下って行く 岩の上にクワズイモが生えていた 樹林帯を抜け出ると、名護湾の風景が広がった

 振り返ると安和岳
 が端正な姿で眺め
 られた

    安和岳の山頂を大
    きく見る

 尾根の先に三角山
 が見えていた

 三角山は今立つ位
 置よりも60mほ
 ど低いので、ずい
 ぶん下に見えてい
 た
展望地を離れる また樹林の中へと入って行った 優しい林の中を抜けて行く
   
ときおりツワブキの花を見かけた 三角山が間近になった 三角山に着くと、そこも岩場が広がっていた

 三角山に立って背
 後を振り返った
    
当然、名護湾も良く見えていた 名護市街の背後に立つ名護岳は暗い姿だった 暗い空を背景に三角山を離れる
やや急斜面の樹林帯を下って行く 登山道ははっきりとしていた 岩場のそばを通る
三角山を離れて20分ほどすると、枯れ沢が見
えてきた
下り着いた所は、安和岳コースと古巣岳コース
が分岐する位置のすぐそばだった
後は朝に歩いた登山道を引き返すと、樹林帯を抜け
出した
シークヮーサーの畑の中を抜けて行く インパチェンスにクワズイモが混じっている 見上げる古巣岳は朝と違って陰影の無い姿だった
畑の道から車道に出てきた 後は車道を歩いて行くだけだった 南の方向に勝山農村交流センターが見えてきた