TAJIHM の 兵庫の山めぐり <鹿児島県の山 
 
モッチョム岳 (本富岳) 940m 屋久島(鹿児島県)
 
1/2.5万地図 : 尾之間
 
【2020年10月】 2020-178(TAJI&HM)
 
   尾之頭地区より  2020 / 10

 モッチョム岳の情報は「分県登山ガイド・鹿児島県の山」で多少は知っていたが、この山は実際に見る方が遙かに迫力があった。屋久島に着いてレンタカーを南へと走らせると、安房地区を過ぎたとき右手前方に尖塔の姿をした岩峰が現れた。一目でモッチョム岳と分かった。尾之間地区に近づくほどに見上げるばかりの姿となり、その岩の塊は圧倒的な迫力があった。10月24日に屋久島入りした目的は、宮之浦岳だった。その宮之浦岳登山は翌日の25日、雲一つ無い快晴の下で無事終了した。宿は尾之間地区にとっていたので、宮之浦岳から戻って来るとき、再びモッチョム岳を見ることになった。そして26日がモッチョム岳登山の当日だった。
 この日も朝から快晴だったが、少し雲が見られた。モッチョム岳のコースタイムは2時間半程度だったので、宿でゆっくり朝食をとり、千尋滝の駐車場には8時45分に到着した。そこは滝見物の観光客が多く訪れる所で、売店もトイレもあり、その時間でも多くの車が止まっていた。観光バスも2台見た。千尋滝の展望台まで広い遊歩道が通じており、その遊歩道を歩き出すと、すぐに左手にモッチョム岳の登山口が現れた。その登山口に入ると全くの山道で、遊歩道の感じは一切無かった。始めは緩やかな道で、右手の木の間より千尋滝をちらりと見ることがあった。程なく急坂が始まると、ひたすら上り坂だった。駐車場の位置が標高270mで、登るうちに300m、400m、500mと100m毎に標高の標識を見た。600mを過ぎ700mが近くなって尾根に出ると、そこに見たのが万代杉だった。幹回り17mの杉の巨木で、間近で見るその古色蒼然たる姿は感動ものだった。そこからは尾根歩きと思っていると、すぐに尾根筋を少し離れて北側斜面をトラバースすることになった。それが小さな上り下りがあり、小さな沢を横切ったりとけっこう歩き難かった。その途中でまた杉の巨木を見た。それにはモッチョム太郎の名が付いていたが、近くに寄ることは出来なかった。その先は尾根筋に出たりまた斜面をトラバースしたりと変化があり、依然としてスムーズには歩けなかった。800m、900mの標識を過ぎて小さなピークに着くと、そこはガイド本で展望所とされる所で標高は979mあり、モッチョム岳より40m高いとあってモッチョム岳が見下ろす形で眺められた。その先で標識が現れて、そこがモッチョム岳に通じる支尾根の分岐点だった。歩く方向は南となり、鞍部まで70mほど下ることになった。その途中でモッチョム岳が見えたが、まだまだ遠いと思えた。そこからがモッチョム岳登山の核心部と言うかなかなか厳しい所で、ロープを掴んでの岩の上り下りが何度かあって、山頂までが何とも遠く感じられた。最後もしっかりロープを掴んでの登りで、漸く山頂に着いたときは登山口から3時間が経っていた。その山頂は狭い岩場になっており、視界を遮るものは一切無かった。前方には太平洋が広がっており、足下は海岸線の風景で、高度感はたっぷりあった。この風景に出会えて、登ってきた甲斐があったと十分に思えた。但し山並みが広がる北の方向はガスが稜線を隠していた。上空もいつの間にかほぼ曇り空になっていた。その山頂で休んでいたのは40分ほどで、その休む間に青空の広がる兆しが見えてきた。北の山並みもガスが減ってきていた。下山は往路を戻るしかないとあって再び厳しい登山をすることになったが、往路でコースの様子は分かっていたので、その点は気分的に楽だった。それでも足は十分に疲れていたため、体力を振り絞るようにして歩いた。その下山で再び万代杉を見るのは楽しみの一つだった。その万代杉を過ぎると、後は下る一方だった。足を滑らせないことを心がけて休まず下ると、山頂から2時間半で登山口に戻ってきた。最後に千尋滝の見物を済ませてから駐車場へと戻って行った。
(2021/10記)
<登山日> 2020年10月26日 8:48千尋の滝駐車場スタート/8:58標高300m地点/9:27標高500m地点/10:03〜08万代杉/10:45標高800m地点/11:24モッチョム岳分岐点/11:53〜12:30山頂/13:30モッチョム岳分岐点/13:28標高800m地点/13:58〜14:02万代杉/14:28標高500m地点/14:54登山口/14:56千尋滝展望台/15:00駐車場エンド。
(天気) 朝は快晴だった。万代杉を過ぎた辺りより雲が増えてきて。山頂に立ったときは、上空はほぼ曇り空だった。尾根の気温は19〜20℃ほど。山頂は陽射しに暖められていたのか23℃ほどあった。風はほとんど無し。北の山並みにはガスがかかっていたが、海岸線側ははっきり見えていた。山頂で休むうちに青空が広がり出し、山並みのガスも薄れてきた。
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モッチョム岳は見る方向によってその鋭峰の姿を変え
ていた これは前日に県道77号線から写したもの
尾之頭地区の宿に泊まっており、朝にその宿の前から
モッチョム岳を眺めた
東側から千尋滝の駐車場へと向かっていると、その車
道からもモッチョム岳が眺められた
千尋滝の駐車場は広かった そこはモッチョム岳の登
山口駐車場でもあった
駐車場にはトイレも売店もあり、その横を通って千尋
滝への遊歩道に向かった
滝の展望所までは100mの距離だった

(←)
遊歩道を進むと、
すぐにモッチョム
岳の登山口が左手
に現れた

 (→)
  登山口へと入った
標識を見ると、万代杉があるようだった 木々の隙間から千尋滝が見えていた 整備されている登山道とは言えず、マイナー感があった
小さな沢を横切った ほとんど登らず、標高300mの標識が現れた 樹林に囲まれた中、道なりに歩くだけだった
標識が現れた 真っ直ぐ北西方向に斜面を登って行く コースには目印テープが付いていた 標高400m地点を過ぎた
ひたすらしっかり登った 整備はされていないため、自然らしさは十分にあった 露岩が目立つ所を通った
標高500m地点を過ぎた 斜面の傾斜はきついまま続いた 自然林に包まれた感じは悪くなかった
傾斜が緩んだとき、石のごろごろしている沢を通った また急斜面登りとなった 標高600m地点を過ぎた
もうそろそろ尾根ではと思いながらテープを追った 前方が明るくなった 尾根が漸く目前になった 尾根に出た位置に立っていたのが万代杉だった
胴周17mの、まさに巨木だった パートナーがそばに立って見上げている 尾根歩きに移ると、すぐに標高700m標識を見た
この先にはモッチョム太郎があるようだった 緩やかな尾根歩きとなった このまま易しい尾根歩きが続くと思ったのだが
程なく尾根を離れて、尾根に近い巻き道に入った 標識もあり、赤テープも続いていた この巻き道が意外と歩き難かった
ロープを掴むこともあった モッチョム太郎は杉の巨木だったが、近づけなかった 尾根に戻ってくると、標高800mの標識を見た
スムーズに歩けるとは言えなかった まだ標高を上げた 標高900mまで登ってきた
尾根筋がはっきりしなくなり、ただ赤テープを追った 歩き難さは続いた 尾根筋がはっきりしたとき、岩が現れた
岩からはモッチョム岳が見えたが、まだけっこう離れ
ていた その山頂は尾根より低い位置だった
はっきりしないコース図が現れた そこがモッチョム
岳への分岐点だった
そこよりモッチョム岳へと下り坂に入った
この大岩辺りまではスムーズだったが ロープを掴んで更に下った そしてロープを掴んで登り返した これを繰り返した
前方に山頂が見えると、まだ距離があった 徐々に山頂へと近づいた 足下が望めると、高度感たっぷりだった
迫力ある岩壁も眺められた 荒々しい登山道は続いた 漸く山頂が目前になった
最後はロープを掴んで岩を登った 山頂に立つと、この展望が足下に広がった

(←)
その風景を眺めな
がら休憩とした

 (→)
  山側を眺めると、
  前日とは変わって
  雲の広がる空だっ
  た

山名標識を見ると
モッチョムは本富
のようだった

一番高い岩に上が
って、改めて山側
を眺めた
辿ってきた尾根が眺めた 山頂からも岩壁を眺めた 宿がある尾之間地区を眺めた
登り着いた岩を眺めた 休憩を終えると、その岩の間に入り下山を開始した またロープを掴んでの尾根歩きだった
場所によっては穏やかに歩ける所もあったが 概ね厳しい尾根歩きだった 次第に青空が増えてきた
大岩のそばを巻いた 主尾根に出て山側を見ると、晴れの空に変わっていた 後は主尾根を戻るのみ
再び巻き道を歩いた 青空の下で万代杉を眺めた 斜面のコースに入った
沢の位置まで下りてきた 斜面の下りは、けっこう気楽だった コースを外れないように、しっかりテープを追った
標高300m地点まで下りてきた 登山口が見えてきた 登山口に戻ってきた
千尋滝を眺めようと、遊歩道を滝に向かった 午後3時前の遊歩道は静かだった すぐに展望所に着いた
滝は少し離れていた なかなか雄壮な滝だった 駐車場に戻ってきた