TAJIHM の 兵庫の山めぐり <香港の山
 
ランタオ・ピーク (鳳凰山) 934m
 Lantau Peak  Fun Wong Shan
(ランタオ島)
 
【2017年10月】 2017-108(TAJI&HM)
 
   南西麓側から仰ぐ(バスの車窓より)  2017 / 10

 ランタオ・ピーク(鳳凰山)はランタオ島の最高峰であるが、香港の最高峰となる大帽山が山頂まで車道が通じている上に最高点は電波施設が占めているようだったので、ランタオ・ピークが登山対象としては香港の最高峰と言って良さそうだった。2017年10月に実施した香港山行の二日目は、ランタオ・ピークを目指した。ランタオ・ピークは有名山だけに幾つかのホームページで紹介されており、それを参考にしてアクセスルートを考えた。フェリーでランタオ島に渡る案もあったが、早く登山口に着くことを優先して、MTRで向かうことにした。
 二日目の19日は天気予報では晴れときどき曇りとあったが、ホテルのある九龍地区から見る空はどんよりと曇っていた。MTRを佐敦駅から乗り、終点の中環駅へ。そこまでは前日と同じ行動とあって、再び満員の電車に乗ることになった。中環駅から東涌線の香港駅までは改札を出ずに、5分ほど地下構内を移動することになった。香港駅は始発駅で、市街地とは反対方向に向かうため、席に座っての楽な移動だった。青衣駅からランタオ島に入り、終点の東涌駅で下車とした。ランタオ島の空も曇り空だった。バス停が分からず、とりあえず南口側に出てみると、車道を挟んでバス停が見えていた。そのバス停へと歩道橋に上がって移動していると、南の方向に高い山が望まれた。双耳峰の姿をしており、それがランタオ・ピークではと思われた。バス停に着いてみると、目的とする3M番系統の乗り場があったので、そこでバスを待った。20分間隔の運行となっていたが、10分と待たずにバスが来て乗車となった。運転手にはパックンアウで下りたい旨を伝えて乗り込んだ。オクトパスを購入していたので、読み取り機にタッチするだけで乗れるのは楽だった。但しバスはほぼ満車状態とあって、立って移動することになった。乗客を見るとほとんどの人がハイキング姿をしていたが、平日であることを考えると、これだけの人がランタオ・ピークを目指すとは思えず訝しかった。バスは市街地を離れると、急坂を登るようになった。古いバスのためか満員の人を乗せて坂を登るのは厳しいようで、バスの速度は15km以下だった。そのため何度も停車して、後続の車に道を譲っていた。その急坂を登り切る手前で停留所が現れると、そこがパックンアウであると運転手が教えてくれた。下車してみると、一緒に降りたのは8人ほどで、残りの乗客はそのままバスに止まっていた。後で分かったことは、ほとんどの乗客は昴平が目的地で、そこには遊歩道も巡っているのでハイカーの姿をしていたようだった。停留所からは峠の位置まで僅かな距離だった。車道を渡って西側の歩道で峠に着くと、そこにパックンアウ(伯公[土偏に幼])の大きな文字を見た。近くにはトイレも作られていた。峠をランタオ・トレイルが通っており、東に登ればサンセット・ピーク(大東山)で、西に登ればランタオ・ピークだった。バスを一緒に降りたハイカーは全員ランタオ・ピークの方向へと向かっていた。峠でトイレを済ませると、こちらもランタオ・ピークへと斜面の登りに入った。そこからのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。有名なトレイルとあって登山道は階段状になった所も多くあって、良く整備されていた。登るほどに背後に姿の良い山が見えてきたが。それがサンセット・ピークのようだった。少し進むと前方に一段と高いピークが現れて、そちらはランタオ・ピークと分かった。そのランタオ・ピークにうっすらガスがかかっていたが、見ているとガスは現れたり消えたりを繰り返しているようだった。ガスがかかっていたのはランタオ・ピークだけで、他の山はすっきりと姿を見せていた。曇り空とあって気温は24℃と高くはなく、登る分には楽だった。それでも登るうちにけっこう汗をかいてきた。前方を歩いていた香港人のグループは足が遅いようで、最初のピークに着くまでに追い抜くことになった。登るうちに山並みだけでなく、海岸線や小島の風景も見えてきて、いかにも島の山を登っている雰囲気が出てきた。中間点辺りで小さなピークに着くと、そこには東屋が建っていたので一休みとした。風の通り道なのか涼しい風が強く吹いており、快いばかりだった。前方にランタオ・ピークが見えていたが、ガスに包まれている時間が長くなっており、少々気がかりだった。東屋を離れると、涼しい中の登山を続けた。登るほどにススキが増えてきて、香港だが秋の季節感が感じられた。涼しさに助けられて休まず登って行くと、足下にずっと海岸線を見るようになった。そしてランタオ・ピークは相変わらずガスに包まれたり現れたりの繰り返しだった。ランタオ・ピークが近づくとガス帯に入ったのか、周囲がうっすらとしてきた。ただガスに取り巻かれているような感じにはならず、うっすらだったりはっきりするかの繰り返しだった。その中を急坂を登って山頂到着となった。山頂は岩場になっており、そこに立派な円柱の三角点があり、山名標識も立っていた。またシェルターも作られていた。たまたまなのか山頂には誰もおらず、ひっそりとしていた。山頂ではそれまで受けていた風よりも更に強い風を受けたため、ひとまずシェルターに入って一休みとした。気温はと見ると22℃だった。道理で風の中では寒さを感じたはずだった。そのシェルターで昼食を済ませると、外に出て展望を楽しむことにした。ガスが薄れると東向かいのサンセット・ピークが優美な姿を見せていた。山頂はどこも風が強いと言うことはなく、南面側は風が弱く過ごし易かった。その南面側では海岸線や小島の浮かぶ風景だけでなく、大きな貯水池(石壁水塘)が眺められた。西の方向は中腹辺りに色々と建物が見えており、そこが昴平のようだった。休むうちに後続のグループだけでなく南面側からもハイカーが到着して、賑やかな山頂となった。そのうちに強風も弱まってきて、ようやく天気は回復の兆しを見せてきた。ガスが消えようとする山頂を離れて南の方向へと下山に向かった。下るうちに風はすっかり消えて、蒸し暑さが出てきた。ただ曇り空には変わりなかった。登山道はこちらの道の方が急傾斜で、長々と階段道を下った。いつしか西に向かうようになり、前方に昴平が見えてきた。そこに大仏が目立っており、その姿が次第に大きくなってきた。急坂を下るうちに樹林帯へと入ると、何となく日本の里山を歩いているような雰囲気となった。そして昴平高原に入ると、そこより一気に人が増えてきた。遊歩道を歩くようになり、心徑簡林のそばを通って寶蓮禅寺に出た。平日にもかかわらず大勢の観光客で活気があった。そこからはランタオ・ピークが見えており、けっこう離れていると思った。そのピークに立っているときは登山気分だったのに、今はすっかり観光気分だった。天壇大仏に立ち寄ろうかと考えたが、どうやら有料で拝観するようだった。お金を払ってまで見る気になれず、後は昴平市集を抜けてバス停へと近づいた。そして14時10分発のバスに乗り込んで東涌駅へと向かった。バスは始めに南の方向に下って石壁水塘のそばを走ると、山の斜面を登り出した。峠越えでランタオ島の北側に出るのだが、その峠はパックンアウだった。どうやらパックンアウはバスの重要路線上に位置するようだった。東涌駅のバスターミナルに着くと、そこは駅からは北の方向になっていた。道理で朝に南側のバス停から乗ったときに満車状態になっていたのが理解出来た。とうとう曇り空のままハイキングを終えたが、MTRに乗っているとランタオ島を離れ出した頃より青空が広がり出し、九龍地区に戻って来たときは空はすっかり快晴だった。
(2018/3記)(2020/4改訂)
<登山日> 2017年10月19日 9:42パックンアウ・バス停スタート/9:48バックンアウ峠/10:36~42東屋/11:29~12:17ランタオ・ピーク/13:11昴平高原入口/13:52昴平バス停エンド。
(天気) 曇り空。山頂を見るとガスがかかったり現れたりしていた。尾根の気温は24℃で、北風が強かった。山頂に着くと風は一段と強く、気温も22℃まで下がってきた。相変わらずガスに包まれたり消えたりを繰り返していた。ガスが消えたときは展望が現れたが、うっすらとした視界だった。昴平高原まで下りて来ると、そこは風は無く、気温も27℃まで上がって蒸し暑さがあった。
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東涌駅を南口から出てしまった 後で分かったことは
バスターミナルは北口側だった
道路を挟んでバス停が見えたので、歩道橋を渡ってそ
ちらに向かった
その歩道橋を渡っているとき、南の方向に高い山が望
めた
双耳峰の姿からして、ランタオ・ピークではと思えた バス停へと近づくと、目的地に行けるバス停があった 3M番系統のバスを待つと、10分ほどでバスが来た
予定通りバックンアウ・バス停で降車した バックンアウ・バス停には複数の系統が通るようだった 峠の方向へと歩いた

パックンアウ峠に
数分で着いた

パックンアウは漢
字なのだが「伯」
「公」は分かるが
次の漢字は土偏に
「幼」だった
ランタオ・ピーク経由で昴平まで4.5kmだった 登山道は階段道で始まった 自然林の中を登って行く
振り返って仰ぎ見るのはサンセット・ピークだった 東屋が現れたので、一息入れた 前方にちらりと見えたのはランタオ・ピークだった
登山道は緩やかになった 周囲にススキが増えてきた サンセット・ピークをバックに登山道を進む
尾根の先にランタオ・ピークを見るようになった また樹林帯に入った 樹林帯を抜けると、山頂まで眺められるようになった

ススキに囲まれた
中を歩いて行く

左手に海の風景が
現れた
水口湾からのコースが左手から合流した 山頂まで続く尾根が眺められた 伸びやかな尾根歩きとなった

 振り返るとサンセッ
 ト・ピークの右手に
 多島海の風景が広が
 っていた

小さなピークに着
くと、そこにも東
屋が建っていた

そこは風の通り道
なのか強風が絶え
ず吹いていた

左手に海の風景が
現れた
涼しさなの中を登って行く 周囲にススキが一段と増えてきた 背後にサンセット・ピークを見ながらだった

ランタオ・ピーク
はガスに隠された
り現れたりを繰り
返していた

  鞍部に着いて次の
  ピークへと向かっ
  た

ずっと緩やかな尾
根道だった


  歩いて来た尾根を
  振り返った
山頂がガスで隠される時間が長くなってきた 海岸製の方向は良く見えていた この先のピークを越した先が山頂だった
ずっと強風を受けながら歩いた ガス帯に入ったようで、周囲が見えなくなってきた 雨量計のそばを通った
山頂が間近になってきた ガスが流れ去るときがあり、さっと風景が現れた 目の前の岩を越せば山頂だった
ランタオ・ピークの山頂に着いた 大きな円柱は三角点に相当するものと思われた 別の角度から山頂を眺めた 山頂は一段と強風の世界だった
山頂の山名標識を見る 近くに建っていたのは山区臨時風避站(シェルター)
だった
ここまでパックンアンから3kmだった

ガスが流れて来る
と周囲は見えなく
なった


   ガスが流れ去った
   たとき、南の海岸
   線を眺めた
右上の写真に見える人工湖は石壁水塘だった ランタオ・ピークは双耳峰になっており西峰(918
mピーク)を眺める
ガスが周囲に立ちこめると、山頂を見るのみだった

ガスが薄れたとき
東の方向を眺めた


   左の写真に写るサ
   ンセット・ピーク
   を大きく見る
北西方向に見えたのは昴平高原だった その昴平の天壇大仏が見えていた 賑わってきた山頂を後にして下山に向かった
昴平へ向かうのだが、まずは南に向かって下った 前方をすっきり眺めながらの下りだった 大岩のそばまで下りてきた

振り返って山頂を
見上げた

ガス帯を抜けたよ
うで、もうガスの
視界になることは
無かった
石壁水塘に向かうように下った 右手に昴平高原が見えていた 登山道は石段の道だった
小さなピークに着いて下る方向は西に変わった 昴平高原の右手に弥勒山が見えてきた 山頂方向を振り返ると、西峰となる918mピークが
望めた
道が緩やかになってきた 下る方向も北となった 道そばにクワズイモの大きな葉を見る ランタナが普通の野草として咲いていた
この下りでも海岸線と石壁水塘が眺められた 天壇大仏の姿がはっきり分かるようになった 階段状の道を下って行く
天壇大仏が目線の高さになってきた 遊歩道を歩くようになった 昴平高原の入口に着いた
近くに見えていたのは心徑簡林だった 仏典の教えを刻んだ木柱が8の字を描くように立って
いた
昴平高原の遊歩道を歩いて行く
薄紫色の花を見た 赤い花を見た ヒガンバナのような長いシベを持って
いた
天壇大仏が近くなってきた
紫色の花を見た 赤いブーゲンビリアを見た 寶蓮禅寺が近づいて境内に入った雰囲気となった

寶蓮禅寺の広場に
出ると、北に望め
たのは弥勒山だっ


振り返って見るラ
ンタオ・ピークは
ずいぶん高く見え

天壇大仏へと向かう人は多かった 但し拝観は有料だ
った
天壇大仏を間近で見上げた 牛が放し飼いされていた
バス停に向かうと、前方に大きな山門が見えてきた 門に着くと、そこから先は昴坪市集だった 「市集」とはマーケットのこと 大勢の観光客で賑わ
っていた
店に立ち寄る気は無く素通りしてバスターミナルに向
かった
バスターミナルに着いて東涌駅行きの乗り場を探した 東涌駅へは14時10分発があり20分ほど待つこと
になった
バスは始めランタオ島の南岸側に向かった 車窓から
はランタオ・ピークが良く眺められた
東涌駅のバスターミナルは北口から少し離れていた
降車後、東涌駅に向かった
東涌駅の北口に入った