TAJIHM の 兵庫の山めぐり <香港の編
 
馬鞍山     Ma On Shan 702m
牛押山       Ngau Ngak Shan 674m
 
 (九龍半島東部)
 
【2017年10月】 2017-109(TAJI&HM)
   《馬鞍山》 牛押山より  2017 / 10

 2017年10月に香港山行を計画したとき、参考にすべくガイドブックの「香港アルプス」を入手したのだが、どうもトレイルコースの紹介が主体になっており、一つの山を登ることを目的としての紹介はされていなかった。そこでネットの情報を参考にして登りたい山を絞り込んだ。そして九龍半島の山として決めたのが馬鞍山だった。馬鞍山は九龍半島の東部に位置しており、「香港一美しい山」として紹介している本もあった。そのアプローチもネットの情報を参考にして、MTRとバスを乗り継いで水浪窩からのコースで登ることにした。
 馬鞍山に向かったのは山行三日目の10月20日金曜日だった。晴れときどき曇りの予想だったが、朝の九龍地区の空は前日と同様に曇り空だった。MTRを佐敦駅で乗って北へと向かった。太子駅で観塘線に乗り換えて九龍塘駅へ。そこでも東鐵線に乗り換えて大圍駅へ。大圍でも馬鞍山線に乗り換えると終点の烏渓沙駅で降車とした。その頃には少し雲が多いものの晴れと呼べる空に変わっていた。改札を出て北側へと歩くと駅舎に続く形でバスターミルが現れた。目的とする99系統の乗り場はすぐに分かった。見ると20分間隔程度で運行されているようだった。99系統は西貢行きで、案内標識を見ると途中のバス停が総て書かれており、降車予定の水浪窩バス停は10番目だった。その手前のバス停を五つほどメモってバスを待つと、10分ほどで99系統バスが現れて乗車とした。海岸線を走るバスで、車内には次の目的地が表示されるので、心配の必要は無かった。そしてすんなりと10番目のバス停となる水浪窩で降車とした。他にも4人が降りたが、みなハイキング姿だった。バス停を後にして左手に海を見ながら南へと歩くと、8分ほどで「水浪窩」と書かれたアーチが現れた。但しそれは馬鞍山に通じるマクリホース・トレイルを示すものでは無く、そこを過ぎた先で登山口となるマクリホース・トレイルの入口が現れた。先を歩くハイカーが右手となる馬鞍山方向への登山道に入ると、こちらも続いて同じ道に入った。遊歩道状の道でバーベキュー場につうじるようだったが、それもマクリホース・トレイルとあった。道なりに10分ほど歩くと、舗装路に合流することになった。企嶺下林道とあったが、それもマクリホース・トレイルの一部のようだった。ほぼ平坦な車道を西へと歩いて行く。途中で工事現場が現れたりして15分ほど歩くと、前方に高い山が眺められるようになった。そのどれかが馬鞍山と思われたが、まだまだ距離があった。程なく左手に土道が分かれた。企嶺下林道からマクリホース・トレイルが別になったようだった。当然マクリホース・トレイルへと入った。赤土の道で所々滑り易くなっており、慎重に歩いた。歩くうちに次第に上り坂となり、道の様子や周囲の木々を見ていると日本の里山を登っている雰囲気があった。その足下は石がけっこう多くあって歩き易いとは言えなかった。登るうちに正面に荒々しい岩肌の山を見るようになった。それが馬鞍山と思われた。その頃には空は快晴となっており、けっこうな暑さの中での登りになっていた。上り坂は長々と続くため、何度か休憩をとりながら登った。もう夏の登山と言ってよく、大汗になってしまった。ようやく上り坂が終わって尾根に出ると、右手に馬鞍山が見上げるようにして眺められた。左手は優しげな草原風景だった。マクリホース・トレイルは草原方向へと続くなだらかな尾根道の方で、馬鞍山への道はマクリホース・トレイルとは別コースだった。見える範囲に何人かのハイカーがいたが、総てマクリホース・トレイルを歩いていた。こちらは馬鞍山へと右手方向の急坂道に入った。トレイルコースを離れたことで、一気にマイナーコースの雰囲気となった。ススキなどの雑草が道に被さっていたり、道そのものもあまり歩かれていないようだった。尾根に出たときに樹林帯を抜け出しており、強い陽射しの中を登ることになった。しかも急坂とあって厳しい登りだった。気温は30℃を下回っているものの、直射光を受けるとあって30℃を十分に越しているように思われた。その暑さの中を休まず登った。登るほどに周囲に風景がパノラマとなって広がってきたが、早く山頂に着きたい一心で前方を見つめて喘ぎ喘ぎ登った。山頂に着いたのは尾根に出てから23分後で、もう熱中症にかかったのではと思えるほど疲れていた。山頂は狭かったが、そこには三角点と思える大きな円柱が立っているだけだったので、まさに360度の展望が広がっていた。その展望をすぐに楽しみたかったが、どうにも疲れていた。そこで山頂で唯一の日陰と言える円柱の陰に入って、まずは息を整えることに没頭した。暑い山頂だったが、涼しい風がときおり吹いてきて、そのときは快いばかりだった。その風のおかげで次第に元気が戻ってきた。そして漸く展望を楽しむ気持ちになってきた。南は西貢海、北は牛押山で、その背後は船湾海だった。そして東は九龍や新界の山並みが広がっていた。山頂で30分ほど休んでいただろうか、三人のグループが登ってきた。その言葉からして東南アジア系の学生だった。暫く一緒にいた後、こちらは北に見える牛押山へと向かった。牛押山経由で馬鞍山駅まで歩く予定だった。牛押山は馬鞍山より30mほど低いとあって、長い下りの後の登り返しは短かった。但し登山道はいっそうマイナーなものとなり、覆い被さる雑草を払いながら歩くことになった。日本のヤブ山を登っているのと変わらなかった。その登り返しでは直射光を受けることになり、牛押山もバテ気味になっての到着となった。そして再び息が整うまで木陰でじっとしていた。その牛押山からは馬鞍山が端正な姿で眺められた。またそこに着いて吐露港の風景を見ることになった。その北西方向の空は曇り空に変わろうとしていた。牛押山の山頂で25分ほど休むと、少し引き返して西尾根コースに入った。その登山道は雑草に隠されるようなことは無く無難に歩けた。但し急坂が多くあり慎重さを要した。その登山道はお薦めではないようで、転落の危険があることを示す標識を何度か見た。そしてロープ場も現れてロープを伝うこともあった。始めは樹林に囲まれての下りだったが、下るうちに周囲が開けて馬鞍山が眺められるようになった。また北の方向も広く眺められて、何度か長休憩をとった。長休憩は展望だけが理由ではなく、急坂下りが長く続くため足を休める必要もあってのことだった。山道の下りが終わったのは展望台が現れた位置で、その先は遊歩道となり少しは歩くのが楽になった。その遊歩道を下りきった所は馬鞍山バーベキューサイトで、そこより車道を歩くことになった。車道は馬鞍山村路の名が付いた舗装路で、緩やかな下りがまた延々と続いた。そのうちに歩道が現れて歩道歩きに移った。市街地が近づくとマンションを見るようになり、そのマンションが見上げるようになってきた。前後に人を見るようにもなった。どのように市街地に入って行くのかと思っていると、いきなりMTRの標識が現れた。それに従って階段にはいると、以後は点々とMTRの標識を見た。その標識に従うと車道を渡り市街地へと入った。そしてすんなりと馬鞍山駅に到着となった。その上空はすっかり曇り空だった。水浪窩バス停をスタートしてから6時間が経っていた。途中に長い休憩を何度としていたが、それでも予想以上に長いハイキングになっており、すっかりくたくた状態となって電車に乗り込んだ。馬鞍山に登ったとの充実感を十分に持ってだった。
(2018/4記)(2020/4改訂)
<登山日> 2017年10月20日 10:16水浪窩バス停スタート/10:27水浪窩登山口/11:09企嶺下林道を離れる/12:24マクリホース・トレイルから離れる/12:47~13:25馬鞍山/13:51~14:16牛押山/下山途中で何度か休憩をとる/15:39馬鞍山バーベキューサイト/16:11車道を離れてMTRへの近道に入る/16:24馬鞍山駅エンド。
(天気) 雲の多い空が次第に快晴に変わってきた。気温は樹林帯を歩いているときは27℃だったが、山頂では29℃まで上がっていた。陽射しを受けていると30℃以上に感じられた。風はときおり現れる程度だったが、涼しさがあって快かった。視界は少しうっすらとしていた。下山中に北の方向は曇り空に変わってきた。薄黒い雲だった。南の方向は青空が続いていた。麓に下りて来ると、そこも気温は29℃だった。
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始め烏渓沙駅を南口から出たため、ショッピングセン
ターに入ってしまった
地元の人に聞いてバスターミナルは北側と知ると、駅
に戻って改めて北口から出てきた
駅から続く形でバスターミナルが現れた
99番の西貢行きが水浪窩バス停を通る路線だった 10分ほど待つと、99番のバスが来た 10番目のバス停となる水浪窩バス停で降車とした
登山口を目指して南東へと歩いた 左手に企嶺下海の風景が現れた 「水浪窩」の門が現れたが、そこは登山口では無かった

峠の位置に着くと、
そこをマクリホー
ス・トレイルが縦
断していた

  他のハイカーに続い
  て右手の階段道に入
  った
遊歩道を歩く 標識にはマクリホース・トレイルとあ
った
この遊歩道で暫く歩くのかと思っていると 林道に合流した 林道もマクリホース・トレイルだっ
林道の名は「企嶺下林道」だった 林道の一部で工事が行われていたが通行は出来た 左手前方に高い山が見えてきた

北西へと歩いて行



  高い山並みがはっ
  きり見えることが
  あった

林道は枝分かれす
ることがあったが
マクリホース・ト
レイルの標識に従
った

馬鞍山を正面に見
るようになった


まだまだ離れて見
えていた
山道が分かれると、そちらがマクリホース・トレイル
だった
周囲にササが増えてきた 赤土の道を進む
道が二手に分かれると、標識に従って右の道に入った 階段道を登るようになった 道そばにシダを見る ちょっと日本の里山の雰囲気だった
現在地を示す標識を見た そこは[M075]だった 灌木林の中を登って行く 前方に尾根を見るようになった
暫くは緩やかな道だった 次第に馬鞍山が近づいてきた また石段を登って行く
登るほどに後方に海の風景が広がってきた 後方に見えたのは西貢海の風景だった 石段登りが続く
後方の風景が広がってきた 船湾海も見えてきた 馬鞍山が迫力を持って眺められた

なだらな尾根が見え
てきた 大金鐘へと
続く尾根だった


   暑さに負けそうに
   なったので木陰が
   現れると休憩した
尾根が近づいてきた 尾根にようやくの思いで着いた 左手となる大金鐘の方向がマクリホース・トレイルだった

マクリホース・ト
レイルを離れて馬
鞍山へと向かった

道の雰囲気が変わっ
た 草が道に被さっ
ていたりして少しヤ
ブっぽくなった

山頂は右手前方の
ピークだった

振り返ってマクリ
ホース・トレイル
が付く大金鐘へと
続く尾根を眺めた

馬鞍山の山頂が近
づいてきた

登るほどに展望が
広がったが、休ま
ず山頂を目指した

 山頂に着いたと思
 ったら、今少し先
 だった


   山頂が目の前にな
   ると、尾根は緩や
   かになった

 馬鞍山の山頂に着いた

 三角点を示す立派な円
 柱が立っていた

 遮る木々は無く360度
 の展望が広がっていた


北は船湾海の風景だった シャープ・ピーク(Sharp Peak)も望めた シャープ・ピークを大きく見る
船湾淡水湖の奥に見えたのは深圳市の梧桐山と思えた 南東は多島海の美しさを見せる西貢海の風景だった
南は九龍半島の背骨が眺められた 鷓鴣山(Razor Hill)の奥は九龍湾だった
上の写真に写る飛鵝山から大老山へと続く尾根を見る 香港で一番高いビルである環球貿易広場(484m)が
覗いていた
環球貿易広場の背後の山はヴィクトリア・ピークと思
えた
山頂では三角測量站の陰で暑さを凌いだ 西に香港で最高峰となる大帽山(957m)を見る
西から北にかけてを見る 北西方向には尾根続きとなる牛押山が間近に見えていた 馬鞍山山頂を離れると、次は牛押山を目指した
登山道は更に荒れた感じになってきた ススキが道を隠していたので少しヤブコギ状態になった 前方の牛押山の姿が大きくなってきた
後ろを振り返って、少し離れて付いてくるパートナー
を見る
牛押山の山頂が近づいてきた 鞍部を歩くパートナーを見る

 牛押山に近づくほど
 背後の馬鞍山がすっ
 きりと眺められた


   牛押山山頂が迫って
   きた
今少し登ると、山頂は右手奥のピークと分かった 西尾根が始まる位置に着いた

牛押山の山頂は草
地になっていた


馬鞍山ほどでは無
かったが好展望地
だった

牛押山から馬鞍山
の姿を眺めた

北に少し展望があり
船湾海とその背後の
並みを眺めた

   左の写真に小さく
   写っている慈山寺
   の辺りを少し大き
   く見る
牛押山の山頂を離れると、西尾根に入った 西に見えた川は城門河だった 尾根道はけっこう分かり易い道だった
少し下ると展望が現れて、二つの山が並んでいる姿を眺められた 足下に咲く小さな花は中国名では「地棯」となっていた
下るうちに足下に吐露港の風景を見ることがあった 大帽山の手前の山は草山だった
急坂が現れて、ロープを掴んで下った 下るほどに馬鞍山の姿が隠れてきた 西尾根の途中のピークが吊手岩だった
日本では見かけないトカゲを見た 展望が現れるたびに足を止めた 岩場の上は危険となっていたが
道ははっきりしており、ただ下るだけだった 少し広い道に合流した 東屋が建つ広場に出た そこは展望台になっていた
西の空が段々暗くなっていた 歩いて来た尾根を振り返った 東屋からは遊歩道となって階段道を下った
遊歩道の途中でまた展望台が現れた 階段道で麓に近づいた 登山口まで下りてきた
辺りはバーベキューサイトになっていた 車道に出て街の方向へと歩いた 道は「馬鞍山村路」
だった
道そばに東屋(馬鞍山亭)を見た
車道は緩やかな下り坂として長々と続いた 前方にマンションが見えてきた 歩道を歩くようになった
MRTの標識が現れたので、それに従うことにした 階段を下って街に近づいた MRTの標識は点々と立っていた
馬鞍山市の中心方向に歩いているようだった 駅の方向へと折れた ショッピングセンターに入ると、その続きで駅が現れた