◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <韓国の山> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北漢山 ぶっかんさん | 837m | (ソウル市) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2012年4月】 | 2012-31(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北漢山の三つのピークを見る(水落山より) 2012 / 4 |
日本の山ばかり楽しまず、海外の山も楽しみたいと考えたとき、それも少ない費用で効果を上げたいとなると、お隣りの国、韓国が一番ではと思える。日本に劣らず登山人気もあるようである。その韓国の山だが、行くとなるとまずは日本でも有名な山を選ぶことになり、雪岳山(ソラクサン)や漢拏山(ハンラサン)が思い浮かぶが、移動が少し面倒に思えて、なかなか腰が上がらなかった。その韓国の山だが、首都ソウルにもけっこうハイキング対象となる山があることをインターネットで知った。ソウルには仕事で何度か訪れており、周囲に山が多いことは分かっていたが、低山の上に禿げ山が多く、わざわざそれを目的にしてまで行きたいとは思わなかった。そのソウルの山だが、中でも北漢山、道峰山、水落山がソウル三山と呼ばれ、大いに人気の山であるとネットで知るにおよんで、急に行きたくなった。そこで格安のフリーツアーに申し込んだのは2012年の3月に入ってのことだった。期間は4月5日から3泊4日で、中2日が終日フリーだった。航空券+3泊のホテル代+送迎ありで一人3万3千円は十分に安いと言えた。一番の心配は天気のことだった。4月を選んだのは、韓国の4月は雨が少ないと言うことが理由の一つだったが、出発が近づいて週間天気が発表されると、滞在中はほぼ晴れの予想となって、杞憂は消えた。さてどの山を登るかだったが、情報としてはインターネット情報しか無く、コースについてもおおよそでしか分からなかった。その中で決めたのが、北漢山と水落山だった。北漢山はソウルで一番人気のある山として、また水落山は地下鉄の駅から歩き出せるのでアプローチが簡単と言うことで選んだ。ただネットだけの情報で行動するのは心配なので、現地で登山地図を求めることにした。 4月5日は移動日。仁川空港には13時40分に着いたのだが、迎えのバスがホテルへの移動途中で免税店に立ち寄ったりしたため、ホテルに着いたときは17時が近い時間になっていた。この後の行動の様子は「水落山」のページで書いているので割愛するが、その日のうちに無事、登山地図とソウル市の地図を入手して登山準備を整えた。そしてソウルの2日目は水落山のハイキングを楽しんだ。始めに水落山を選んだのは、北漢山と比べて標高が低いことと、地下鉄の駅から歩き始められることで韓国の山を初めて登るのに適していると考えてのことだった。その考えは正しかったようで、気楽にアプローチが出来た上に、沢あり岩あり展望ありと十分に楽しめて、韓国の山に十分に親しめたとの思いを持つことが出来た。そして翌7日が、メインと考えていた北漢山に向かう日だった。 7日の朝は6時過ぎに起きたのだが、すっきりとした目覚めだった。前夜は21時には寝ていたので、十分に睡眠をとったおかげだろう。ホテルを出たのは7時20分。地下鉄の長漢坪駅まで数分の距離で、7時半の電車に乗り込んだ。前日の水落山は7号線の水落山駅だったが、この日は水落山駅の二つ手前の蘆原駅で4号線に乗り換えて、次の倉洞駅で下車とした。ソウル市の地図を見て、この駅が北漢山へ向かうのに適していると考えてのことだった。駅前に出てタクシーに乗り込むと、地図を見せて行き先を告げる。この日は北漢山登山だけを考えていたので、行き先を牛耳洞登山口までとはせず、少し手前のバスターミナルとした。登山地図ではバスターミナルから登山口まで40分の距離だった。バスターミナルでタクシーを下りると、通りを南西方向へと歩き出す。通りの両側は登山用品点が軒を並べており、登山基地の町の雰囲気があった。商店街を抜けると川に沿って歩くことになった。前方に北漢山の三つのピークが見えていた。その三つとは仁寿峰(インスボン、811m)、白雲台(ペグンデ、837m)、万景台(マンギョンデ、800m)で、この日、目指すのは、最高峰の白雲台だった。登山口までずっと車道を歩くのだが、ちょっと誤算だったのは、車道の傾斜がきついことで、はや登山をしているようなものだった。ハイカーは多いと思っていたのだが、前後にちらほら見るだけだった。どうも多くのハイカーはタクシーを利用しているようで、何台もタクシーがそばを通った。車道から眺められるのは、沢の風景と裸木の広がる斜面だけで、あまり変化は無く、少々退屈な車道歩きだった。途中で別の道に入って10分ばかりタイムロスがあったので、50分かかって牛耳洞登山口に着いた。朝食はまだとっておらず、パンでも食べるぐらいしか考えていなかったが、食堂が開いていたので、そこで朝食をとることにした。頼んだのはチヂミだったが、まだ開店準備中で、粉を練るところから始められたため、結局食べ終わって出たときは30分ほど時間が経っていた。その食べたチヂミだったが、思っていた倍以上の大きさがあり、パートナーと一緒に食べても半分しか食べきれず、残りはラップしてもらって、この日の昼食にすることにした。さて登山口だったが、そこには赤い服を着てタスキをかけた人が大勢集まっていた。ゴミを拾う人もいたので、清掃登山のボランティアかと思っていたが、こちらが登山口のゲートを通過しようとしたときは、その手前に並んでいた。そしてなぜか登山靴下をパートナーとともにプレゼントされた。総てのハイカーに渡しているようで、どうやら登山用品メーカーがキャンペーンをしているようだった。思わぬプレゼントに気を良くして登山道を登り始める。この日は快晴で雲一つ無く、しかも前日とは違って風は穏やかで、絶好の登山日和だった。登山道は岩が目立ったが、良く整備されており、適度な登り易さだった。前日の水落山よりも歩き易いと言えた。好天なので人は多いと思っていたのだが、前後に見る人は僅かだった。ゆったりとした気分で北西方向へと登って行くと、30分とかからずハルジェ峠に着いた。高度が上がったためか少し冷えており、気温は3℃まで下がっていたが、風が無いためか少し寒いぐらいにしか感じなかった。またここに来て仁寿峰の姿が大きく眺められるようになった。その総て岩と言ってよい姿はなかなかの迫力だった。峠からは稜線の北側を歩いて行く。緩やかな道として続き、山小屋のそばを通った先で岩が目立ってきた。岩を登ることもあったが、しっかりとワイヤロープが張られており、無理なく登って行けた。ときおり山陰に僅かに残った雪を見るようになったが、数日もあれば溶けてしまいそうだった。その先で現れたのが白雲山荘だった。小屋の前には幾つもベンチが置かれており、大勢の人が休んでいた。また見上げれば仁寿峰と白雲台が眺められて、ちょうど北アルプスの山小屋に着いたと思える雰囲気だった。陽射しが燦々と注ぎ、気温も8℃まで上がっていた。小屋前で小休止をとった後、山頂へと向かう。もう後500mだった。少し登って衛門の前に出ると、南からの登山道が合流して、一気に人が増えてきたようだった。その先はただ岩の風景で、いよいよ北漢山のハイライトだった。山頂に向かう人が多いだけで無く、下って来る人も多くなって数度足を止めることがあったが、特に混雑と言うことも無く無難に登って行けた。足下に展望が広がってきたので足を止めたくなったが、まずは山頂へと休まず進む。もう人の流れに合わせて進むのみで、ワイヤロープを掴んだり階段を登ったりと、足下に注意しながら登って行く。けっこう登っているようでも、衛門から15分ほどでもう山頂が目前だった。その山頂は大勢の人で押すな押すなの状態だった。その中に入ったものの、すぐに少し離れた位置に戻って、山頂が空くのを待った。やはり人の流れには波があり、少し待っていると空いてきた。そして知らぬ間にパートナーが一番高い位置に立っていた。それを見てこちらも再び山頂に立った。山頂はまさに360度の眺望で、何とも素晴らしかった。間近に仁寿峰や万景台が眺められるだけでなく、ソウル市街が一望だった。前日の水落山の展望も素晴らしかったが、強風にあおられながらの展望だったことと比べると、この日の風はごく穏やかで、のんびりと展望が楽しめた。その山頂も再び人が増えてきたので、離れることにした。そして一段低い岩場のテラスで休憩とした。昼どきとあって、周囲は昼食を楽しむ人でいっぱいだった。昼からマッコリで酒盛りするグループも見られて大賑わいだった。そのハイカーだったが、日本の山と比べると若い人が多いようで、むしろ中高年が少ないと思えたが、年齢に関係無く、みなこの好日を楽しんでいた。さて次の行動だったが、北漢山を周回で楽しもうと考えていたので、衛門まで下りると、そこからは万景台の西側をトラバースするコースに入った。始めは岩場を階段で下って行き、途中からは岩場のアップダウンが続いた。岩が滑り易いうえに、登って来る人が多く、何度か足を止めることがあった。前方に見えていた露積峰(716m)との鞍部まで来たとき、そこは休憩場所になっていたので、一休みとした。そしてそこからは下る方向が南東へと変わった。岩場を歩くことは無くなり、また登って来る人も少なくなっていたので、のんびりと下って行けた。主稜に立つ龍岩門を通過すると、階段の下りが続き、そして沢沿いを歩くようになった。まだ周囲の木立は裸木の姿だったが、新緑の候には良い雰囲気になるのではと思える所だった。最後は小橋を渡って道仙寺の境内に出た。そこではハイカーよりも一般の参詣者を多く見るようになった。後は車道を歩くことになって、10分も歩けば朝の登山口へと戻ってきた。そこからはタクシーで帰ることも考えていたが、周囲のハイカーの様子を見ると、小さな子供を連れたファミリーでも歩いてバスターミナルを目指していた。来るときはきつい傾斜の車道を登ることになるので人は少なかったが、下山はそれを下る一方なので、ほとんどの人が歩くようだった。こちらも歩いて戻ることにした。岩場の多い山だったのでけっこう足は疲れていたが、下る分にはただ足を下ろすのみ。そぞろ歩きで、沢の風景を見ながらゆっくり歩いた。そして登山用品店の並ぶ通りに戻って来ると、何軒かの店を覗いたが、登山ウエアがけっこう安いように思えた。バスターミナルに着くと、そこからバスに乗ることも考えていたのだが、どの系統に乗ればよいのか知らない上に、バスの表記は総てハングル文字とあって、バスは諦めた。そこで大通りに出て、タクシーを捕まえることにした。運良くすぐにタクシーは現れ、来たときと同じ地下鉄駅の倉同駅へと向かった。 (2012/5記)(2017/8改訂)(2020/11改訂2) |
<登山日> | 2012年4月7日 | 8:12地下鉄を倉洞駅で下車する/タクシーで移動/8:30牛耳洞バスターミナルの位置から歩き始める/8:48車道が分岐する地点/一度左手の道を歩いてしまい引き返す/8:58分岐点に戻ってくる/9:18〜45牛耳洞登山口で朝食/10:11ハルジェ峠く/10:42〜55白雲山荘/11:04衛門(尾根コースが合流する)/11:21〜12:20山頂/12:34尾根コースに入る/13:01〜08尾根を離れる位置で小休止/13:25龍岩門/14:03道仙寺/14:13牛耳洞登山口/14:43商店街に入る/大通り出るとタクシーを拾って倉洞駅に向かう。 | |
(天気) | 快晴。雲一つ無し。風は弱く吹くだけで、気にならなかった。登山口の気温は8℃だったが、峠に着いたときは3℃まで下がっていた。僅かに残雪を見る。その後は気温はどんどん上がり、山頂では13℃になっていた。陽射しは十分な暖かさだった。視界は少しうっすらとしており、市街地は淡く見えていた。 | ||
<< Photo Album 2012/04/07 >> |
---|