TAJIHM の 兵庫の山めぐり <韓国の山
 
道峰山    どぼんさん 740m (ソウル市)
 
 
【2013年5月】 2013-45(TAJI&HM)
 
   水落山の尾根より  2012 / 4

 ソウル市近郊の山として名が上がるのは、ソウル四山と呼ばれる北漢山、道峰山、水落山、佛岩山だが、その中でも北漢山と道峰山が双璧と言えそうだった。ソウルの山を登ろうと初めて訪れたのは2012年4月のことで、このときは北漢山と水落山の二山を登った。そしてソウルの山の楽しさを味わった。そうなると残り二山も登りたくなるもので、一年後の2013年5月に再び訪れることにした。その二山でもやはりメインとなるのは道峰山で、どのような山か楽しみだった。季節を5月にしたのは、前回の4月初めでは木々はまだ冬姿だったので、新緑を見たかったからだった。また5月は晴れの確率が高いことも理由の一つだった。その5月のいつに行くかだったが、連続して休みが取れるゴールデンウィークが最適なのだが、その期間は航空運賃が高かった。但し多くの人が帰国する後半は安くなるため、その後半に引っかけて、5日を出発日とした。なお前回は格安のフリーツアーで計画したのだが、ホテルライフも楽しみたく、今回は航空券もホテルも自分で決める個人旅行の形で計画した。
 5日の関空12時50分発のアシアナ航空OZ111便に乗り込むと、仁川空港には14:40に降りることになった。大阪の空も快晴だったが、仁川の空も雲一つ無かった。仁川空港からはバスでソウル市街に移動し、16時半には明洞に近いホテルにチェックイン出来た。そして翌6日は佛岩山のハイキングを楽しんだ。こちらは500mを僅かに越える程度の山とあって、15時にはホテルに戻って来られた。そしてパートナーの希望で、夕方は仁寺洞の骨董街の散策を楽しんだ。
 7日が道峰山登山だった。この日も朝から雲一つ無い快晴だった。地下鉄4号線の忠武路駅で乗って、タンコゲ駅方向へ向かうのは前日と同じだったが、この日は倉銅駅で1号線に乗り換えた。そして三つ目の駅が山名の付いた道峰山駅だった。道峰山駅が近づくと、車窓からは道峰山が見上げるようにして眺められた。9時過ぎに道峰山駅を降りると、駅前は平日だと言うのに多くのハイカーで賑わっていた。さすがにソウルで一二を争う有名山だと思えた。登山口は駅から見ると西の方向となるので、それを意識して歩いたが、意識しなくとも多くのハイカーがそちらの方向に歩いているので、それに付いて行けば良かった。広い通りを歩いていたところ、一つ北寄りの通りにセブンイレブンを見たので、店に入って昼食用としてオニギリを求めた。その裏通りには登山用品点がずらりと並んでおり、それを横目に歩いて行くと広い通りに戻ってきた。後は道なりに歩いて行くのだが、道は次第に細くなるものの自然と道峰山へと近づいた。持参していた韓国の山の登山ガイド「登山地図200山」を見ると、その道峰山へは多くのコースがあるようだが、往路としては一番早く山頂(紫雲峰)に近づけるコースを登ることにした。ハイカーの数をカウントするゲートを通っても、まだ車道歩きだった。そのうちに山頂を示す標識が現れたので、それに従うことにした。車道だけに車が通ることがあった。その車道も駐車場が現れると、そこまでだった。その先でコースは二つに分かれたので、山頂に近い方向へと左手の道に入った。最初は遊歩道状で、ごく緩やかな上り坂だった。このコースがメインコースと思われるだけにハイカーは多かった。こちらはごくゆっくりと歩いたので、何人ものハイカーに抜かされた。韓国のハイカーは年齢層がバラエティーで、若い女性グループや単独で歩くミセスも見られた。また服装がカラフルだった。始めは沢筋を歩いていたが、沢を離れて尾根を登るようになった。周囲の木立がすっかり新緑色になっており、またカラムラサキツツジの花が鮮やかに咲いており、目を楽しませてくれた。但し展望は良いとは言えず、樹間を通して尾根の一部を見る程度だった。そう思っていると、一カ所で漸く山頂方向がすっきりと眺められた。登るうちに登山道の傾斜がきつくなってきた。既に気温は20℃を越えており、けっこう汗をかきながらの登りだった。また駅からの標高差は600m以上あるので、けっこう時間がかかった。山頂まで500mの地点に着いたときは2時間が経っていた。山頂の岩峰が見上げる位置まで来ると傾斜は更に増し、最後は階段だった。階段を登り詰めて着いた所は最高峰の紫雲峰と神仙台との鞍部だった。ここに来て分かったことは、紫雲峰はクライミングの対象で、登山道は無いことだった。神仙台へは手摺りが付いており、登れるようだった。その神仙台へと登ったが、両手でしっかりとロープを握り、滑り易い岩に足をかけての登りだった。神仙台のピークに着くと、こちらは紫雲峰より15m低いだけの第二の高さを誇っており、十分に高度感があった。但しそこは十分な広さが無いため、展望だけを楽しむことにした。ソウルは連日好天が続いているとあって、視界が薄ぼんやりとしていたのは残念だったが、まずまず360度の眺望が楽しめた。目の前が紫雲峰で、その右手奥には水落山から佛岩山へと続く尾根がごくうっすらと見えていた。また南西の方向には北漢山の尾根が逆光の中で眺められた。ソウルの街並みはすっかりモヤの中だった。この道峰山での休憩は、北に見えている一段低いピークでとることにした。そちらで多くのハイカーが休んでいるのが見えた。そのピークへ着くのに、予想以上に時間がかかってしまった。紫雲峰との鞍部へと下り、北の方向へと稜線を辿ったのだが、途中より俄然厳しくなって、岩場の急斜面を上り下りすることになった。ちょっと危険な所だったが、的確にロープが張られていたので、慎重に進めば問題は無さそうだった。ところがこちらに向かってくるハイカーが多く、すれ違いに手間取るようになった。そのハイカーの一人が巻き道コースもあるので、そちらはずっと易しいと教えてくれた。そこでその人の意見に従って引き返すことにいた。そして巻き道コースに入った。なるほど岩場を歩くことは無く、緩やかに下って緩やかに登ることになったが、大きく迂回して北側から尾根を登ることになったので、ずいぶん時間がかかることになった。結局、神仙台から40分かかって北のピークに到着した。そこにあった小さな無線塔が作る陰の中で昼休憩としたが、すでに時計は13時が近くなっていた。そこも展望が良く、紫雲峰を含めて道峰山の核心部が一望だった。そこで休んでいるうちに、岩場の尾根コースを歩いて来なかったことが心残りとなってきた。そこでパートナーを残して、こちら一人で岩場コースを歩くことにした。急角度の岩場を下って登り返すのだが、ロープをしっかり掴めるので、けっこう楽しく歩けた。岩場歩きを断念した地点までの往復したのだが、多くのハイカーに混じってだったため待ち時間が少々あった。それでも往復で15分で戻って来られたので、やはり岩場コースは迂回コースよりもずっと早く来られるようだった。そのようにして道峰山の山頂で過ごしていたので、下山を始めたときはピークに着いてから1時間が経っていた。その下山は休憩のピークから南東方向に始まるコースを下った。そちらに下れば道峰山駅へ向かえるのではと思えた。その下山コースは、始めに長々と階段が続いた。その階段だけで100m以上は下ったのではと思えた。その後は岩が目立つものの、ごく普通の山道となった。そして再び周囲は新緑の風景となってきた。ときおりお寺が現れて、日本と同じ調子のお経が聞こえてきた。そのコースは色々と枝道があり、とにかく南東方向を意識して下ったのだが、途中からは全く人と出会わなくなった。それでも登山道ははっきりしていたので、歩くことには問題無かった。その下りでうれしかったのは、水場に出会えたことだった。ヒシャクも置かれていたので、冷たい水をおいしくいただいた。その先で幅広い登山道と合流すると、それが主コースだったようで、また前後にハイカーを見かけるようになった。その後も暫くは岩の目立つ登山道だったが、次第に歩き易くなってきた。韓国登山学校のそばを過ぎると、もうすっかり遊歩道と呼べる易しい道となった。はぼ平坦な道となってくると、前方に駐車場が見えてきた。その手前が往路コースとの合流点だった。もう道峰山駅までの道順は分かっているので、気楽なものだった。この後は何軒かの登山用品店を冷やかしながら歩いたので、駅に着いたときは16時半が近い時間になっていた。朝、この道峰山駅を出てから7時間が経っていたので、けっこう長いハイキングだった。ただそれだけ長く楽しめたと言うことでもあり、ソウル四山の中では一番面白い山だったのではと思えて、道峰山駅へと入って行った。
(2013/7記)(2020/11改訂)
<登山日> 2013年5月7日 9:12道峰山駅前スタート/10:02車道終点/10:19沢を離れる/11:46紫雲峰の肩/11:51〜12:04神仙台/12:55〜13:53V字谷の先にある展望ピーク/15:23〜31車道終点の休憩場/16:25道峰山駅エンド。
(天気) 快晴。雲はほとんど無し。朝から気温は20℃あり、尾根では風を受けなかった。湿度が低いためか、からっとした感じだった。登るほどに気温は上がって、山頂は24℃の暑さだった。但し風があって、木陰では涼しく過ごせた。視界は好天続きとあって濁っており、近くの山もうっすらとしか見えなかった。好天は終日続いて、麓に下りると25℃を越す暑さだった。
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道峰山駅のホームに降り立つと道峰山が眺めら
れた
道峰山の方向へは歩道橋を渡ることになった 歩道橋から道峰山駅のホームを眺めた
駅前には登山用品店や小さな食堂が幾つか並ん
でいた
大通りを歩かず、南西方向へとショートカット
の歩道を歩いた
広い通りに出ると、歩道を西へ歩いた
街路樹が新緑を迎えていた 通りの登山用品店の屋根越しに道峰山を見る 裏通りにセブンイレブンを見たので、立ち寄った

 セブンイレブン
 で昼食のおにぎ
 りを購入した
 後は、暫く裏通
 りを歩いた

 裏通りを歩くう
 ちに自然と広い
 通りに戻ってき
 た 相変わらず
 道峰山が眺めら
 れた
歩くうちに車道は細くなってきた 屋台が並ん
でいる
車道は川に沿うようになった 登山用品店が並ぶ商店街を抜けて行った

 車道が二手に分か
 れたが、真っ直ぐ
 に歩いた

   通りのパノラマ図
   を見ると、道峰山
   には多くのコース
   があるようだった
通りの石碑には北漢山国立公園と彫られていた 道峰山光輪寺の前を通った この建物は道峰山エリアのレンジャー施設だった
レンジャー施設の位置から山頂までは3kmだ
った
まだ車道を歩いていたので、ときおり車が通過
した
そばの川は渓谷の様相を見せていた
水場があり、大勢のハイカーが水をくんでいた 通りの木立はすっかり新緑色だった 駐車場が現れた 車が入れるのはここまでだった
二つの登山コースが始まっていたが、左手に向
かった そちらが山頂への一番近道と思われた
お寺の前を通った 額には「道峰山金剛庵」と
書かれていた
沢に沿って登山道は続いていた
ピンクの花を付けた木を見かけた 少し梅の花に似ていた この白い花はスミレに似ていた
沢そばの岩場を歩く またお寺のそばを通った 亀峰寺とあった 境内を見ると金の大仏が鎮座していた
大徳橋を渡った 沢を見ると、小さな滝が出来ていた サクラの花が満開だった
鮮やかな新緑色はカシワの木だった 橋が現れたが、渡らずに沢沿いを進んだ 橋の位置で山頂まで1.5kmだった
まだ沢沿い歩きが続いた あと1.4km地点辺りで漸く沢から離れた カラムラサキツツジの花を見るようになった
ずっと登りが続くようになった 露岩地を登ることがあった スミレの花を見る
石段の登りが続く 周囲を新緑が取り囲んでいた カラムラサキツツジの花が尾根を飾るようになった
カラムラサキツツジに目を止めた 山頂方向がちらりと望めた 一度、登山道は緩やかになった
きれいに咲いているカラムラサキツツジを見る また斜面を登るようになったが傾斜は増してきた 露岩地が暫く続いた
稜線が望めるようになった 山頂の岩峰も眺められた 露岩地が終わると、また急斜面を登るようになった
岩の道が続く 山頂まで500mとなった 登山道のそばに黄色いスミレが咲いていた こちらの歩度が遅く、軽装の女性にさっと抜かれた
岩峰が間近に見えるようになった まだまだ急坂登りが続く 漸く山頂の一角に出たと思ったが
今度は鉄階段が待っていた 階段で岩峰のそばを一気に登って行く 階段に
は滑らないようにゴムが敷かれていた
山頂(紫雲峰)の肩の位置に着いたが、山頂へ
の登山道はどうも無さそうだった
一般登山者が登れる最高峰は、向かいの神仙台
(725m)のようだった そちらへと向かった
ずっと岩を登るが、手摺りを使わないと登れな
い急角度だった
5分ほどで神仙台に着いた そこは展望台にな
っていたが、ごく狭いピークだった
三角点が岩に埋め込まれていた 足下を見ると先ほど登ってきた鉄階段が見えて
いた
ピークの一角でパートナーが休んでいる

 遠方はモヤではっ
 きりしていなかっ
 たが、近くの岩峰
 群は良く見えてい
 た

 上の写真に写る水
 落山を大きく見る

    上の写真に写る佛
    岩山を大きく見る

 南西方向を見ると
 うっすらと北漢山
 が望めた

 北漢山の三つの
 ピークが何とか
 判別出来た

 ソウル市街を眺め
 るも、きついモヤ
 に判然としていな
 かった
北向かいのピークで多くの人が休んでいるのが
見えた
そちらで休もうと、神仙台を離れた 登ってきたときよりも、下る方が注意を要した
肩の位置に戻って来ると、後は鉄階段が続いた 鉄階段を登り返す 階段歩きを終えると、コースは二手に分かれた
危険の伴うV字谷コースとエスケープコースだった V字谷コースへと向かう 次第に鋭い尾根となってきた しかも岩場だった
下りも急角度だった ロープにしっかり掴まっ
ていないとかなり危険だった
すれ違いに苦労するようになった 登山者から
エスケープコースを進められたので、一度戻る
ことにした
エスケープコースはごく楽な道だった 歩く人
は少なく、静かなコースだった
少し下ると、後は平坦な道となった この辺り
は木立はまだ新緑を迎えていなかった
鮮やかに咲くカラムラサキツツジを見た 再び尾根に出た ピークへは反対側から向かう形
となり、V字谷コースの2倍以上は歩くようだった

 前方にピークが見
 えてきた

   鉄階段が始まった
   とき後ろを振り返
   ると、北へと続く
   尾根が眺められた
鉄階段の登りが続く 漸くピークが目前となった ピークにはシェルターのようなものが作られていた
 シェルターの上に立
 ってパートナーが着
 くのを待った 色々
 あって神仙台からこ
 こまで40分かかっ
 ていた

   シェルターの上に三
   角点を見た
道標を見ると神仙台の位置からたった300m
の距離だった
ピークの一角に小さな無線塔が建っていた そ
のそばで遅い昼休憩とした
辺りの木立は蕾をほころばせ始めたところだっ

 ここも好展望地
 だった

  主峰群を大きく
  見る

 少し移動すると
 紫雲峰の右手も
 望めた

 神仙台のピークに
 大勢の人が立って
 いた

 知らぬ間に紫雲峰
 の上に立っていた
 人を見る

   ここからは水落山
   の全姿が眺められ
   た
V字谷コースを歩き通さなかったことが悔やまれ
たので、神仙台に戻る形で歩くことにした
パートナーを誘ったが行きたくないとのことなの
で、一人で行くことにした V字谷の尾根を見る
始めは急坂の下りだったが、少々渋滞していた
声をかけて抜かせていただいた
岩の連続だった 鞍部から登り返す 後ろには大勢のハイカーが続いていた 諦めた地点まで来たので、そこから引き返した
休憩地点に戻ってきた V字谷コースを歩いてお
れば、神仙台から25分ほどで来られたのでは
と思えた
休憩していたピークからも道峰山駅に戻れるコ
ースがあったので、下山はそこからとした
始めはごく普通の登山道を下る感じだった
右手には主峰群がすっきりと眺められた インフォメーションセンターまで3.1kmだった 鉄階段が始まった
岩峰が見上げるようにして眺められた 階段は長々と続き、100mは続いたと思われた 鉄階段は終わり、石段を下って行く
再び新緑が見られるようになった ちょっと展望台のような所が現れた うっすらとながら佛岩山が眺められた
岩に囲まれた中にお寺が建っていた 枝道に入ったのか、ハイカーを見なくなってし
まった
下るうちに水場が現れて、のどを潤すことが出
来た
幅広い登山道に合流すると、人が増えてきた 沢に架かる橋を渡った 韓国登山学校のそばを通った
新緑の中をまた階段道を下って行く もう登山と言うよりも散策の雰囲気だった 森林浴の気分で歩いた
散策の雰囲気が続いた 駐車場に着いた 後は知った道だった そばの川の流れに目を向ける
道峰山を登り終えた安堵の気持ちで歩いた 通りに並ぶ登山用品にはカラフルな服が並んで
いた 何軒かの店をひやかしながら歩いた
道峰山駅のホームに立つ 7時間のハイキング
が終わった