◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <韓国の山> ★ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
金井山 (姑堂峰) | 801.5m | (釜山市) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
くむじょんさん | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2014年9月】 | 2014-87(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
元暁峰より 2014 / 9 |
釜山の山を登ろうと考えたのは、2014年の8月に入ってのことで、ピーチ航空の格安チケットの広告を目にしたのがきっかけだった。関空から釜山までの片道2980円は、何とも安かった。但しそれは最安値の日でかつオプション無しのプランだった。高い日はオプション無しでも1万円を超えていた。それでもその安さに魅力を感じて、釜山を訪れることにしたものである。まず期間を3泊4日と決めてから、出発の日を9月18日と決めた。9月18日はピーチ航空の広告通りに2980円の日だった。ただ50日前に決めたため、天気に関しては運を天に任せるしかなかった。 9月18日は日本は晴れ。ピーチ航空MM015便は関空を定刻の14時に出発すると、85分のフライトで釜山郊外の金海空港に同じく定刻の15時25分に着いた。釜山は曇り空で、けっこう爽やかさのある空気感だった。ホテルは利便性を考えて釜山市の中心部と言えるチャガルチにとっており、そこまでの移動手段としては電車と地下鉄を利用した。2回乗り継ぐことになり、また各駅に停車するため、チャガルチ駅まで1時間ほどかかることになったが、値段はバスよりもずっと安く、2800ウォン(約290円)は格安と言えた。さてどの山を登るかだったが、ハイキング初日となる9月19日に目指すことにしたのは金井山だった。釜山の山に関して調べたところ、どうも金井山が抜けて人気のようで、ガイドブックにも載っていた。但しガイドブックは金井山を登ることでは無く、山上に建つ城門と城壁巡りの観光としての紹介だった。また金井山は小さなピークの総称で、最高峰は姑堂峰と呼ばれるようだった。そこで金井山(姑堂峰)を登頂することだけを目的とせず、城壁巡りのハイキングとしても楽しみたく、長く歩いて山頂に立つことにした。どのコースを歩こうかと考えた結果、決めたのは次のコースだった。地下鉄の温泉場駅を起点として歩き始め、まずは山麓の金剛公園を目指す。公園ではロープウェイを利用せず登山道で山上に出て、最初の目標である南門に立つ。そこから山上の城壁巡りコースを歩いて東門へ、そして北門へと歩いて行く。北門からは金井山山頂までをピストンで歩き、北門に戻って来ると、梵魚寺へと下山すると言う、少しばかりロングコースだった。梵魚寺から地下鉄の梵魚寺駅までは、バス便を利用しても良し、徒歩でも良しと考えてた。 当日の朝は曇り空で迎えた。前日の天気予報では曇り時々晴れの予想だったが、上空はすっかり雲が広がっていた。その曇りのおかげか気温は20℃を下回っており、ハイキングとしては悪くない気温だった。ホテルを離れたのは8時半。NHKの衛星放送で朝の連続ドラマ「花子とアン」を見てからとなったため、この時間になってしまった。チャガルチ駅で乗車すると、移動は地下鉄1号線のみで、40分ほどの乗車で温泉場駅で下車とした。まずはロープウェイ駅がある金剛公園へと向かうのだが、温泉場駅から南西方向を見ると、ロープウェイの鉄塔が見えたので、それを目指して市街地を抜けて行った。適当に向かったのだが、金剛公園の交通標識も現れて、けっこうすんなりと金剛公園に着くことが出来た。公園内を少し進むとロープウェイ駅が現れたが、こちらは利用するつもりが無かったので素通りすると、その先から登山道が始まっていた。岩場を登ることが多くあり、しっかりと登る感を持てて、登り味は悪くなかった。但し、けっこう汗をかくことになったが。山上が近づいて市街地方向の展望が現れた。曇り空のためにフラットな見え方だったが、視界は悪くなかった。登りを続けると東から北の方向も眺められるようになった。北の方向には鋭い山が望めたが、それが金井山のようだった。けっこう遠くに見えており、これからどれくらい時間がかかることやらと、少々覚悟が要ることになった。(後で調べると、鋭い山は元暁峰で、最高峰の姑堂峰は更に先だった。) ロープウェイ山上駅に着くと、そこからは緩やかな道で、道標に従って南門を目指した。尾根に出るまでの岩の多い風景とは違って、日本の里山を登る雰囲気となった。南門は山上駅からは少し離れており、駅から2時間近く歩いて南門到着となった。小ぶりな門だったが、山上に建つ門としての雰囲気は悪くなかった。南門からは東門を目指すのだが、車道のような広い道を歩かず、城壁沿いの小径を歩いた。城壁は低い所では1メートルほどの高さしかなく、意外と低いと思ったのが率直な感想だった。また古さは無く、どうやら最近になって整備されたのではと思えた。良い感じで城壁沿い歩きがずっと出来るのかと思っていたところ、途中から城壁を離れて広い道に合流してしまった。しかも長々と下り坂で、せっかく500mまで登っていたのにと、少々惜しいと思いながら歩いた。ただ車はほとんど通らず、ハイカーの姿が多かった。また左手に池が現れて、庭園風になっていた。車道歩きを30分ほど続けると、再び城壁沿いコースを歩くようになり、南門を離れてから1時間少々で東門到着となった。東門では広い車道が城壁と交差して通っており、そのため車で来たと見られる人が多かった。また遠足で来ている幼児グループも見た。その東門一帯は公園になっており、その一角で昼食とした。東門からも基本的には城壁沿いコースだったが、ときに城壁から離れて里山歩きを楽しむ雰囲気なった。空は薄曇りだったり曇りだったりと相変わらずで、気温もほぼ19℃前後で、暑くも無し寒くも無しだった。平日とあってハイカーは少なく、前後にぽつりぽつりと見るだけで、ほぼマイペースで歩けた。途中で小さな建物を見たが、それは第4望楼で、北門までまだまだ距離があった。次第に上り坂となり、ようやく北門に近づいたのかと思っていると、程なく立ったピークは元暁峰で、そこに立っていた標柱には金井山と書かれていた。そこからは北の風景が一望となり、本当の金井山が眺められたが、正直なところ、まだまだ距離が残っていると思った。この後の途中で小さなピークがあるものの概ね下り坂が続いた。そして鞍部に着くと、そこに北門が建っていた。東門を離れてから1時間半、距離にして4kmだったので、ようやく着いたの思いだった。その北門の一帯は、他の門と同じく公園風になっていた。そこから山頂までは900mあり、標高差は210mだった。一息入れただけで、最後の登りにかかった。足はかなり疲れていたが、山頂が近づいていると思うと、特にピッチを落とすこともなく登って行けた。暫くは樹林の中の自然な道を登っていたが、山頂が近づくと岩場の風景となり、階段を登るようになった。岩場に気を使う必要が無いだけに、これはけっこう楽なことだった。山頂が間近になると、どんどん展望は良くなったが、早く山頂に立ちたい一心で、休まず登った。そして北門から30分で金井山の山頂(姑堂峰)に到着となった。山頂はすっかり岩場の様相で、展望は360度、東西南北総てが見渡せた。山頂の先着ハイカーは6名ほど。3名の女性ハイカーは少し離れた所で話に夢中になっており、他の3名は程なく下山したので、金井山の山頂を暫くはパートナーと二人で過ごすことになった。ここまでの道のりが長かっただけに、山頂に立っている充実感は何とも言えず、登って良かったの思いをしみじみと味わった。その山頂は風が強く吹いていたものの、涼しいとは感じても寒いとは感じず、良い感じで展望を楽しんだ。空は相変わらずの曇り空で、北の空に僅かに青空が見られるだけだった。視界は朝から変わらず良く、南の方向には釜山の港に立つ蓬莱山が眺められた。また山頂に立って初めて洛東江の流れも目に出来た。そのうちにぽつりぽつりとハイカーが現れたので、山頂には結局20分ほどとどまった後、下山を開始した。北門へと引き返したが、北門に着くまでにも十名ほどのハイカーとすれ違ったので、金井山は午後の時間で登山を楽しむ人も多いようだった。北門に着くと、そこからは城壁コースを離れて東に続く登山道に入った。梵魚寺へと通じるコースだった。このコースが金井山登山のメインコースとなるだけに、良く整備されたコースだった。美しい樹林帯を愛でながらゆったり歩いて行けると思っていたところ、次第に坂がきつくなり、大きな石がごろごろとした中を長々と下ることになったので、決して易しいコースとは言えなかった。それも登山としては変化があって面白いコースだったので、城壁コースとは違う趣を楽しめた。ただ岩場の下りはけっこう足に負担がかかったので、梵魚寺に着いたときは、十分過ぎるぐらいに足はくたびれていた。その梵魚寺だが、全く知識を持たずに境内に入ったところ、その寺院建築の雄大さに少々圧倒されてしまった。その独特の色使いと建築様式は一見の価値ありで、金井山登山に満足させられただけで無く、一級の寺院見物も出来たことは、何とも有り難かった。その梵魚寺見物の間に足の疲れは少し回復したようで、登山をし終えた勢いのままに、梵魚寺駅まで歩くことにした。距離としては長かったが、ひたすら下り坂を歩くので、足の負担は少なかった。またほとんどを歩道で歩けたので、車にあまり気を使うことも無かった。梵魚寺を離れてから30分ほどで住宅地を歩くようになり、やがて市街地へと入り、適当に方向を定めて歩くと、バスターミナルの前を通ることになった。更にそのまま歩いて行くと、どんぴしゃりとばかりに梵魚寺駅に到着となった。朝に温泉場駅を出てから、8時間が経っていた。初めての釜山の山は、十分過ぎるほどの満足感で終えることが出来た。 (2014/12記)(2019/6写真改訂) |
<登山日> | 2014年9月19日 | 9:23温泉場駅スタート/9:44金剛公園入口/9:49ロープウェイ麓駅/10:56ロープウェイ山上駅/11:18南門/12:24〜40東門(昼食)/13:48元暁峰/14:09北門/14:41〜15:01山頂/15:25北門/16:10〜20梵魚寺/17:15梵魚寺駅エンド。 | |
(天気) | 薄曇りから曇りで終始した。気温は朝から18℃前後で変わらず。湿度が低いため、登山としては適温だった。山頂の気温も18℃ほど。少し強い風を受けるも、涼しいと感じるのみ。視界はフラットな見え方だったが、まずまず遠くまで見えていた。 | ||
<< Photo Album 2014/09/19 >> |
---|