◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <韓国の山> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
鶏龍山 けりょんさん | 566m | 巨済島(慶尚南道) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2016年9月】 | 2016-89(TAJI&HM) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
古縣城より 2016 / 9 |
韓国で二番目に大きな島である巨済島は釜山に近い位置にあり、近年巨加大橋が出来たことにより、釜山からの移動時間は1時間ほどになったようである。そこで巨済島について調べてみると、中心地に近い位置に登山対象になる山として鶏龍山のあることを知った。しかもバスターミナルから歩ける距離のようだった。そこで2016年9月の第三回釜山山行で鶏龍山に行こうと決めた。巨済島に向かったのは山行3日目の9月6日のことで、朝の釜山の空は薄雲が広がっていたものの、うっすらと青空も見えていた。釜山駅前のホテルを出たのは午前7時半のこと。地下鉄1号線を西面駅で2号線に乗り換えると、沙上駅で下車とした。沙上駅の5番出口を出ると西部バスターミネルへと歩いた。歩くと言っても数分の距離だった。バスターミナルに着いたのは8時20分。早速窓口に行って巨済島の古縣バスターミナル行きのチケットを求めた。金額は7200ウォンで、8時40分発だった。バスは既に待っていたので、すぐに乗り込んだ。座席は指定席で、平日のためか乗客は少なく定員の三分の一も乗っていなかった。バスは定刻に出発すると、市街地で少し渋滞したものの後はスムーズだった。そのバスからの車窓風景を楽しみにしていたのだが、この日はモヤの強い視界で街中だけではなく海が見える風景となっても、薄ぼんやりとしか見えなかった。しかもほぼ薄曇り状態となり、青空は消えてしまった。そのような状態で古縣バスターミナルに到着となった。バスを降りると何ともねっとりとした空気に包まれた。この日は九州地方を台風12号が通過した直後とあって、韓国南部は湿った空気が流れ込んでおり、釜山の街も朝から蒸し暑かったのだが、巨済の街は一段と蒸し暑かった。バスターミナルは市街地にあるため、通りに出たものの鶏龍山の方向はビルに隠されていた。そこでコンパスを頼りにネットから入手した韓国コネクト地図を見ながら鶏龍山の方向へと向かった。すぐにビルの間から鶏龍山と思われる山が見えてきたが、薄ぼんやりとしている上に稜線はガス雲に隠されていた。蒸し暑さもあって登高意欲はすっかり削がれてしまったが、とにかく登山口を目指すことにした。ネットで得た知識では、登山口は市街地から少し離れた巨済運動場に近い位置にあるようだった。そこで運動場を目指したところ、繁華街を抜けた先で現れたの市庁舎だった。これは行き過ぎたことになるので、市庁舎の前の通りを北の方向へと戻ると、すぐに運動場のスタジアムが見えてきた。大通りを離れてスタジアムのそばを通る車道に入ると、山の方向へと車道沿いの歩道を歩いた。鶏龍山は間近に見えるようになっていたが、稜線にはまだガスが残っていた。空は薄晴れになっており、けっこう暑さを感じながら坂道を登った。スタジアムのそばを通り過ぎ、更に登ると学校のような建物が現れた。それも過ぎると峠を越すことになり、下りにかかった所で左手に林道状の道が分かれた。それが鶏龍山に通じる道だと思えて、その平坦な道を歩いて行くと左手に山道が分かれた。そこが登山口で、鶏龍山を示す標識も立っていた。ほとんど迷わず来られたことで一安心となったが、ここまでで蒸し暑さもあってか、けっこうバテ気味になっていた。登山道はご気楽な感じで歩いて行け、少し登ったとき高速道が山の斜面を横切っていた。その高速道に立派な歩道橋が架かっており、楽々と越すことになった。歩道橋はちょっとした展望地になっており巨済市街が一望出来たが、薄ぼんやりとした風景だった。歩道橋を渡り終えて少し登ると、水飲み場が現れたので一休みとした。そのとき蒸し暑さもあって水をけっこう飲んでしまったが、これがこの後の大汗をかく原因となってしまった。水飲み場の位置でコースは二手に分かれており、登り易そうに思えて左手のコースに入った。こちらは自然林の中を続く優しげな道で、雰囲気は悪くなかった。但し、登るほどに大汗となってきた。水飲み場から12分ほど登ると林道に合流することになった。近くにもう一つ右手から登山道が林道に合流しており、そちらは水飲み場で分かれたもう一つのコースではと思えた。そのまま林道を歩くのでは無く、続きの道はすぐ近くから始まっていた。林道でも一休みすると登りを続けた。他の季節なら緑の美しさを味わいながら登るのだろうが、もうバテ状態になっており、一歩一歩が遅かった。ただ苦しいのはこちらだけで、パートナーは気楽に登っていた。途中でベンチが現れると、迷わずベンチで大の字になって休んだ。全身汗まみれだった。次の休憩台でも休んだので、林道から30分以上かかってようやくの思いで主尾根に出ることになった。そこは展望台になっており、東屋も建っていた。もう時刻は12時になっていたので、東屋で昼休憩することにした。一息つけたところで展望台に立ってみた。そこからは遮るものの全く無い展望が広がっていたのだが、モヤのきつい視界とあって巨済市街はおぼろげに見えるだけだった。ところで休憩中に、同じく東屋で休憩していた女性グループから冷たいコーヒーをいただいたのだが、疲れた体には何とも美味で、少しは元気を取り戻せたようだった。10分ほどの休憩の後、山頂を目指して主尾根歩きを開始した。そこからが鶏龍山のハイライトのようで、荒々しい岩尾根歩きが続いた。展望も開けて、本来ならそれも楽しんで歩くのだが、ぼんやりとした風景のため岩尾根を歩くことに集中した。岩尾根のままピークに着くと、そこは山頂では無く、その先に幾つか高いピークが見えていた。遠くに電波塔の建つピークが見えており、そこが山頂ならまだまだ歩く必要があった。そうなるとけっこう厳しいと言わざるを得なかったが、まずは次のピークに立つことに意識を集中した。階段を下って鞍部に出ると意外やそこは草地になっており、けっこう気楽な感じで次のピークに近づけた。登りとなっても岩場にはなっておらず、易しく登ると次のピークが間近になった。ピークは岩場になっており、数人のハイカーが休んでいた。よく見ると山名の彫られた石碑があったので、そこが山頂のようだった。電波塔のピークが山頂で無かったことに一安心だった。その山頂では石碑に近い位置で休憩とした。そこは素晴らしい展望地で、視線を遮るものは無かった。視界も幾分良くなっているように思われた。岩場で寝ころんでいると、涼しい風が快かった。だらだらと過ごすうちに30分ほどの時間が過ぎたので、下山することにした。もう引き返す気持ちは無く、山頂のそばから市街地方向に向かっている小径を下ることにした。標識は無かったが、怪しげな道でも無かった。小径を下り出すと、これがけっこうはっきり道で安心して下って行けた。全く日本の里山を歩いている雰囲気があり、錯覚しそうだった。どんどん下って行くと林道に合流した。林道そばには東屋がありそこでも一休みした。そばに英文の標識があり、そのまま下れば鶏龍寺に出られるようだった。林道を横切って下りを続けると、コースは二手に分かれた。右手に分かれた市庁舎に向かうコースに入った。そちらの方が幾分早くバスターミナルに着けると思えたからだったが、コースは少し荒れ気味で、鶏龍寺コースに比べてマイナー感があった。但し、道自体ははっきりとしていた。下るうちに小さな沢を横切り、更に下って高速道の下を通った。そこまで来ると市街地は近かった。下り着いた所はアパート群の一角で、登山口に標識は無かった。大通りに出て北へと歩くと市庁舎の前を通った。そこは朝に一度歩いた所だった。もうバスターミナルの方向は分かるので、寄り道として近くの古縣城に立ち寄った。そして繁華街へと出て、バスターミナルへと戻って行った。バスターミナルに戻って来たのは14時52分で、釜山行きのチケットを求めると15時発だった。帰路のバスも指定席制で、乗客は朝よりも更に少なく定員の四分の一程度だった。この帰路も一時間ちょうどで釜山西部バスターミナルに到着となった。おかげで17時前にはホテルに戻って来ることが出来た。そして改めて澄んだ視界の日に鶏龍山を再訪したいと思った。 (2017/7記)(2020/7改訂) |
<登山日> | 2016年9月6日 | 10:03古縣バスターミナルよりスタート/10:33市庁舎/10:49巨済工業高校に近い登山口/10:58高架橋/11:22林道出合/12:03〜13展望台/12:36〜13:02山頂/13:31林道出合(東屋で休憩)/13:58高速道出合/14:23〜30古縣城/14:52古縣バスターミナルエンド。 | |
(天気) | 薄曇りの空で、麓から見る稜線にはガスがかかっていた。麓の気温は28℃で、かなり蒸し暑かった。山上は26℃で、蒸し暑さは減っていた。ときおり弱い風を受けた。稜線歩きを始めた頃にはガスは消えていた。但しモヤの強い視界で、近くの風景もうっすらとしていた。終日薄曇りの空で終始した。 | ||
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