TAJIHM の 兵庫の山めぐり <マレーシア
 
ブキッ・タブール 446m
 Bukit Tabur クアラルンプール近郊
 
 
 
【2015年9月】 2015-83(TAJI&HM)
 
   南麓の住宅地より  2015 / 9

 マレーシアの首都クアラルンプールは安いチケットで行ける都市の一つだが、そのクアラルンプールにハイキングに適した所があるとインターネットで知ると、俄然行きたくなった。中でも興味を持ったのが、岩のピークが特徴的なブキッ・タブールだった。ブキッ・タブールはクアラルンプールの北部にあり、東地区と西地区に分かれているようで、西地区がハイキングの対象のようだった。そのブキッ・タブール以外にもクアラルンプール近郊のハイキングを楽しもうと向かったのは、2015年9月のシルバーウィークのことだった。数ヶ月前からの計画だったため、天気に関してはいつものことながら運を天にまかせるしかなかったが、マレーシアの9月はまだ雨期前なので、晴れの日があることを期待した。関空を離れたのは9月17日で、関空の空は雨だった。10時40分発のエアアジアD7−533便は6時間半のフライトでクアラルンプール空港に予定通り現地時間の16時半着となった。クアラルンプールの空は曇り。ホテルには19時までには着けるものと思っていたところ、荷物の出てくるのが何とも遅く、空港を離れてKLエクスプレス、KLモノレールと乗り継いで、ブキッ・ナナス駅に近いホテルに着いたときは20時を回っていた。
 翌18日は曇り空で朝を迎えた。天気予報では次第に晴れてくるとなっていたので、悪い天気ではなかった。朝食をゆっくりとったこともあり、ホテルを出たときは8時半になっていた。この日の目的地は一番興味のあったブキッ・タブールだった。KLモノレールのブキッ・ナナス駅は間近にあったが、MRTクラナ・ジャヤ線のダン・ワンジ駅も10分とかからぬ距離にあったので、ダン・ワンジ駅へと向かった。ダン・ワンジ駅で北行きの電車に乗ると8番目の駅となるスリ・ランパイ駅で降車とした。そこからはタクシー利用だった。タクシーの運転手に行き先を告げるとすぐに了解してくれたが、正しく目的地に着いてくれるのかとちょっと心配になった。それも杞憂だったようで、向かう先にネットの写真で見覚えのある岩尾根が見えてきた。その岩尾根が近づくと、林道のような道に入った。そしてピタリとブキッ・タブールの登山口に到着した。ずいぶん走ったようだったが、料金は12リンギッド(約360円)だったので、マレーシアのタクシーは日本と比べてずいぶん安いようだった。もう後は山頂までまっすぐ続く尾根を登山道のままに登って行くだけだった。登山道は手頃な歩き易さで始まった。意外だったのは周囲の植物は雑草を始めとして総て日本の植物とは違っているのに、全体の印象として日本の里山と似ていることだった。助かったのは曇り空のためでもあろうが、気温が30℃を下回っていたことで、少し蒸し暑いと感じる程度で登って行けた。右手に人造湖(Empangan Klang Gates)の湖面がちらりと見えるようになり、背後にもブキッ・タブール東地区の鋭鋒が見えてきた。登るほどに人造湖の風景が広がってくるのが良かった。その右手に見える東部の山並みも全貌が見えてきた。そのうちに岩尾根が現れて、岩場の登りが続くようになった。少し厳しさがある程度で、むしろ楽しいと思える登りだった。順調に登っていてそのまま山頂へ向かって行けると思っていると、一つ険しさのある岩登りを終えてピークに立ったとき、その先が大きくキレットになっていた。そこにはロープがあって鞍部へと下るのだが、俄然厳しさが出てきた。こちらは何とか鞍部に下りられたものの、パートナーには無理なようだった。そこでパートナーには先へ進むことは諦めてもらい、単独で進むことにした。これで山場を越したものと思っていたのだが、次のピークを越すとまたキレットがあり、それも越して先のピークに立つと、その先がまたまたキレットだった。想像以上の厳しさだった。その上、上空は薄晴れとなってきたため陽射しを受けるようになった。もう大汗をかきながらの登りだった。一つのピークに立っては一休み、次のピークでも一休みと休憩を多くとっていたため、歩度は遅かった。もうこれで山頂かと思った先に次のピークを見ることを繰り返していたので、まだ先にもう一つピークがあるのではと思って着いたピークに、初めて見る標識があり、[WEST BUKIT.TABUR 446M]と書かれていた。ようやく山頂に立てたようだった。歩き始めてから2時間が経っていた。そこが山頂だったが、その先にも同じ程度の高さがあるピークが見えたので、最後の気力でそこまで歩いた。その小ピークに着くと、その先にピークは見られなかった。ちょっとした展望があって、市街地がうすぼんやりと眺められた。すぐに山頂に戻って、改めて一休みとした。休んでいると弱いながらも涼しい風があって、疲れた体には快かった。後は往路を戻るのみ。また岩を一つ一つ越すのだが、下る方向なので往路と比べると幾分楽だった。そしてパートナーが待つピークが目の前に現れた。そこまで行けば後は比較的楽になるのだが、一番危ないと言えそうなロープの登りを始めたとき、恐ろしいことに気付いた。往路では気にせずロープに全体重を預けたのだが、そのロープの一部が切れかかっていたのだった。切れると数十メートルは落下することになり、死ぬことも有り得そうだった。かといって迂回路も見えなかったので、運を天にまかせてロープをよじ登った。そして何とか登り終えたときは、本当に冷や汗をかいていた。どう見ても今後のためにもロープの補修はしてもらいたいものだと思った。後は気が抜けたような状態で下山を続けた。それでも人造湖や東ブキッ・タブールの風景を見ながらの下りは楽しいと言えた。登山口に戻ってきたのは14時前。来るときはタクシーだったのですんなりと来られたが、どう見ても近くにタクシーやバスがあるような所では無かった。仕方なく街を目指して林道を歩いて行くことにした。始めは農家がぽつりぽつりとあるだけだったが、次第に住宅地へと入って行った。その住宅地も邸宅と言えそうな大きな家ばかりで、バス路線がありそうには見えなかった。大きな車道に出ると、コンパスを頼りに緩やかな車道をひたすら下った。近くでコーランの声が聞こえることがあって、ここがイスラム圏の国であることを実感させられた。いざバス路線に出たものの行く先がよく分からなかったため、バスはパスしてタクシーを捕まえることにした。やがて小学校が現れ、その先に賑やかな地区が見えてきたとき、ようやくタクシーを拾うことが出来た。登山口を離れてから50分が経っていた。ワングサ・マジュ駅に着くと、後は南行きの電車に乗るだけだった。ホテルに戻って来たのは16時。全身汗まみれの体をシャワーで洗ったときは、忘れがたいほどの快さだった。
(2016/7記)(2020/9改訂)
<登山日> 2015年9月18日 9:35登山口スタート/10:50パートナーが尾根歩きを断念する/11:30山頂/11:37更に西のピーク/11:45〜50山頂/12:25パートナーに合流する/13:37登山口/14:30タクシーを拾う。
(天気) 薄曇りから薄晴れの空だった。スタート時の気温は26℃だったが、徐々に上がって途中では31℃までになっていた。その後は下がってきて、山頂の気温は28℃だった。始めは湿気を強く感じたが、山頂はさらりとした涼しい風があって、けっこう過ごし易かった。視界はうっすらとしていた。午後はほぼ薄晴れの空で、淡い陽射しを受けるようになった。麓に戻って来ると、31℃の暑さだった。
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MRTクラナ・ジャヤ線をスリ・ランパイ駅で
降車とした
スリ・ランパイ駅を少し離れて眺める タクシーはピタリと登山口に着けてくれた
路上に何匹か猿を見た 登山口に入った 登山道は日本の里山に似ていた
自然な登山道を登って行く キノコを見た 日本でも見かけるようなキノコだった 麓の風景が望まれた
オジギソウの花をよく見かけた 尾根ははっきりしており、無理なく登って行けた 少し開けた所が現れた
振り返ると東ブキッ・タブールの鋭鋒が見えていた 南にはクアラルンプールを代表するタワーが望まれた
尾根の傾斜が緩くなった 岩場を歩くことがあった 紫の花を見た
東は東ブキッ・タブールの鋭鋒だけでなく、Empangan Klang Gatesと呼ばれる人造湖も姿を見せてきた 前方にこれから向かうピークが望めた
ごく易しく歩ける所が現れた 南麓は住宅地が広がっていた 露岩の尾根を歩く
展望地が現れて、東ブキッ・タブールが眺めら
れた
東ブキッ・タブールの鋭鋒が並ぶ姿を見る 岩場の登りが続くようになった
しっかりと登る感があった 岩場の急尾根が現れた 背後は人造湖の風景だった

 また東から南にか
 けてが眺められた
 が、先ほどよりも
 高い位置からの眺
 めだった

  ピークが近づいて
  きた

 岩場歩きが続くが
 まだ易しい登りだ
 った

   東の風景が先ほど
   よりも高い位置か
   ら眺めることにな
   った
ピークへと岩場登りが続く ピークに着いてみると 更に高いピークを前方に見た
そのピークの間が大きくキレットになっていた
ので、ロープを使ってなんとか鞍部に下りた
後に続くパートナーは足がすくんでしまい、無
理とのことだった
そこで単独で山頂に向かうことにした 次のピ
ークに向かって岩をよじ登った
岩場を越すと易しく歩けるようになった 次のピークに着いてみると その先に今少し高いピークが現れた

 北の風景が望め
 るようになった

 ごくうっすらと
 視界で、低山と
 住宅地が望めた

 次のピークへ向か
 った
次のピークが現れた キレットを越えて登り返す 次のピークが目前になる
ピークに立つと、また一段高いピークが現れた またキレットを越えて登り返す ピークが目前になる

 そこは平らに開
 けており、標識
 が立っていた

 そこがブキッ・
 タブールの山頂
 であることを示
 す標識だった

 マレーシアの国
 旗も見た
更に先に同じ程度の高さのピークが見えたため
そこまで歩くことにした
易しい道を歩いて行く オレンジの花を見た マレーシアシャクナゲの
ようだった
ピークに着くと、そこより西に高いピークは見
られなかった
ピークからはクアラルンプールの市街地が望め
たが、ごくうっすらとした視界だった
市街地を大きく見る

 山頂へと引き返
 した

 山頂が近づくと、
 その右手に麓の
 風景が広がった
山頂に戻って一休みとした 後は往路を戻って行く 東から南へと広がる風景を眺めながらだった
パートナーと分かれたピークが見えてきた パートナーは読書をしながら待っていた 二人で下山を続ける

 東ブキッ・タブー
 ルと湖の風景を眺
 めながら下った


   この岩場を過ぎれ
   ば後は楽だった
樹林の下りに入れば登山口は近かった 登山口が見えてきたが、立入禁止になっていた
 そのため迂回して車道に出た
この日に登山口のコンクリート部分が補修がさ
れたようだった そのための立入禁止だった
バス路線に出ようと、車道を歩くことにした 暫く下ると、ブキッ・タブールが見えてきた 下るうちに住宅のそばを通るようになった
大きな住宅が並ぶ地域に出た ブキッ・タブー
ルの姿がはっきり見えるようになった
ブキッ・タブールの山稜を大きく見る 住宅地でバスを捕まえようとしたが、結局は繁
華街まで歩いてタクシーを拾った