TAJIHM の 兵庫の山めぐり <台湾の山
 
大屯山    だいとんさん 1092m (台北市)
 
 
【2014年5月】 2014-40(TAJI&HM)
 
   七星山より  2014 / 5

 2014年の5月1日より始めた2回目の台北山行は七星山の再訪が主目的だったが、1回目の山行と同じく天気に恵まれないままに台北到着となった。5月が間近になった頃より台湾の天気は雨が多くなり、移動日の30日と5月1日は台湾全域で雨だった。5月2日となって漸く北部で雨は止んだものの、七星山周辺は小雨の予想だった。そこでその日は台北市街からは北西に位置する観音山の登山を楽しんだ。そして3日こそ七星山に向かいたいと強く願った。ところがその夜に見た翌日の天気予報は、台北市内こそ曇りだったが、七星山は終日小雨のようだった。但し大屯山は午後こそ小雨の予想ながら、午前は曇りとなっていた。そこでやむなく七星山登山は諦めて、大屯山を午前で楽しむことにした。
 その5月3日は曇りの朝と思っていたところ、霧雨の天気で朝を迎えた。それでも予定通りに大屯山を目指すことにした。午後は雨の予想だったので、行動は早くしようと、ホテルを離れたのは8時前だった。まずは陽明山行きのバスに乗るのだが、有り難いことにその陽明山に向かう260系統バスは、ホテルから数分の距離にある国賓飯店バス停に止まることだった。バス停に着くと、2分と待たずにバスが来たのは助かった。この日は土曜日とあって学生の姿は少なく、座って行けたのも良かった。乗っている間に霧雨は止んできて、大屯山が見えるようになると、そちらは尾根に少し雲がかかる程度だったなかった。乗ること45分で陽明山バスターミナルに着いた。空を見ると、曇り空ながら雨の心配は無さそうだった。すぐに108系統バスに乗り込んだ。108系統バスは七星山の周囲を巡るのだが、七星山から離れて二子坪バス停へも向かい、その二子坪バス停が大屯山の登山口の一つでもあった。バスに乗って七星山が見えてくると、その姿はほとんど雲に隠されていた。大屯山の方向には雲がかかっていなかったので、大屯山登山に切り替えたのは正解ではと思えた。バスを二子坪まで乗るつもりでいたところ、二子坪が近づいたとき、一つのパーキングエリアが現れて、そこに大勢の登山者を見た。またそこのバス停で下りる人もいた。それを見てこちらもつられて下りてしまった。バス停は鞍部バス停で、地図を見るとそこからも大屯山への登山コースがあり、むしろその鞍部登山口からのコースが大屯山への最短コースのようだった。バス停のすぐ目の前が登山口で、すぐに歩き始めた。登山道は七星山登山道と同じく石が敷かれた遊歩道で、土を踏むこともなく登って行けた。多くは階段状になっていたが、急階段でもなかったので、易しい道と言えた。前方にハイカーが見えたが、ごく簡単な身なりだった。登山口から山頂までの距離は1.6kmだったが、その中間点まで来ると、近くに東屋の建っているのが見えた。何気なくが立ち寄ってみると、何とそばを車道が通っていた。地図を改めて見ると、二子坪バス停から先にも車道があり、それが目の前の道で、山頂までその車道が通じていた。どうも大屯山は車でも山頂に立てる山のようだった。東屋を離れて登山道の登りを続けると、小さなピークを越すときに広々と展望が現れて、七星山が見えていた。てっきりガスに包まれたままだと思っていたのだが、意外やほぼ姿を現そうとしていた。複雑な気持ちで大屯山の登りを続けた。登山道で山頂まで行けるものと考えていたところ、山頂が近づいたとき、林道のような車道に合流することになった。その車道は二子坪と山頂を結ぶ広い車道にすぐに合流した。後はそのメイン道路を歩いて山頂に向かうことになった。山頂が間近になって分かったことは、大屯山の山頂は航空関係のレーダー施設になっていることだった。その山頂にどうやって立つのかと思っていると、大屯山展望所が現れて、どうやらそこがコースの終点のようだった。山頂となるレーダー施設の方向を見ると、立入禁止になっていた。てっきり山頂に立てると思っていたので、少々意外だった。地図を改めて眺めると、大屯山には二つの標高が書かれており、一つは山頂の1092mで、もう一つは山頂そばで1077mとなっていた。その1077m地点が、現在立つ展望所の位置のようだった。展望所で他に立っているのは車で来たと見られる人と、バイクで来た若者だった。どうも大屯山そのものは登山の対象とは言えず、その展望所から始まる大屯南峰、大屯西峰、面天山へと続くハイキングコースのスタート地点ではと思えた。そうなると面天山まで足を延ばすことも考えられたが、そちらに向かうよりも、今からでも七星山に向かいたくなった。そうと決めると、すぐに展望所を離れて下山することにした。その下山を始めて二つの道路が合流した地点まで戻ったとき、そのそばより山頂方向へと向かうヤブ道を見た。その道でなら山頂に立てるのではと思えたので、そのヤブ道に入ってみたところ、これがえらく難儀することになった。小径の周囲は背丈を越える草が茂っており、すぐに草が小径を隠すようになった。その草をかき分けて進むのだが、ときに小径を見失いそうになった。それでも何とか山頂のそばまで来られたと思ったとき、鉄条網に阻まれた。やはり山頂は立入禁止になっているようだった。鉄条網の中は広く芝地になっており、片隅に三角点が見えていた。ここまでと思い、すぐに引き返したところ、途中で小径を見失ってしまった。そこで草地をむりやりヤブコギして何とか車道に下り着いたが、台湾に来てまでヤブコギをするとは思いもしなかったことだった。後は広い車道を歩いて二子坪のバス停を目指したのだが、これがけっこう距離があり、40分近くかかっての到着となった。その間ですれ違ったハイカーは数人だけで、その何倍もの車とすれ違ったので、やはり大屯山はドライブで訪れる山のようだった。なお二子坪からは菜公坑山への登山が出来るようだった。二子坪バス停には10人以上の人がバスを待っていたが、ここで失敗をしてしまった。バスはてっきり七星山の小油坑登山口へ向かうものと思っていたため、程なく来たバスに他の人と共に何も考えずに乗り込んだのだが、バスは小油坑に向かわず、陽明山バスターミナルに戻るバスだった。ちょっとがっかりしたが、陽明山バス停で改めて小油坑行きのバスに乗ればよいだけなので、焦る気持ちを抑えて陽明山バスターミナルへと戻って行った。
(2014/9記)(2020/10改訂)
<登山日> 2014年5月3日 9:11鞍部登山口スタート/9:32中間地点(あと800m)に近い東屋/9:52車道に出る/9:56山頂手前の展望所/10:01〜09山頂とされる展望所/10:15三角点の見える位置/10:31東屋/10:51二子坪バス停エンド。
(天気) 曇り空ながら、一部で青空が覗いていた。気温は17℃ほどだった。山頂では北から強い風を受けた。視界は少しうっすらとしている程度だった。
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260系統バスの窓から大屯山の方向が眺めら
れるようになると、ほぼ姿を現していた
260系統バスは、終点の陽明山バスターミナ
ルに着いた 雨は降っていなかった
陽明山バスータミナルでは、108系統の小型バ
スに乗り換えた

二子坪バス停で降
りる予定だったが
一つ手前の鞍部バ
ス停で降りた そ
ばの駐車場に大勢
のハイカーを見た

バス停のそばから
周囲を眺めると、
近くの尾根はガス
に包まれることも
なく姿を現してい
鞍部バス停にも大屯山の登山口があった 山頂まで1.6kmだった 石の階段を登って行く ササが茂る中を登って行く
ササの中の登りが続く ササ帯を抜けて、周囲が見えるようになった 背後に展望が現れて、小観音山が眺められた

 登山道ではシシウ
 ドの花をよく見か
 けた

 背後が広く眺めら
 れるようになると
 車道が見えてきた

 二子坪から大屯山
 に通じる車道だっ
 た

 登山道のそばに
 東屋が見えたの
 で立ち寄ると、
 間近を車道が通
 っていた

 小観音山の背後
 に竹子山が見え
 てきた
中間点まで来ると、またササが茂ってきた 右手に海岸線が眺められるときがあった 北西方向のようだった
小さなピークを越すとき広く展望が現れて、七星山まで望めるようになった
七星山の山頂を隠していたガスが次第に消えて
きた
登山道は緩やかな下り坂になった 程なく舗装路に合流した 山頂まであと500m
だった
舗装路は、そばで通行止めになっていた 舗装路を反対の山頂方向へと歩く 二子坪から来ている広い道路と合流することになった

 合流点には展望台
 が建っていたので
 立ってみた 面天
 山までの尾根と、
 その先に淡水河も
 眺められた
面天山を大きく見る 前日に登った観音山がうっすらと眺められた 山頂まで300mだった
左手の山頂側は有刺鉄線で囲われていた 山頂手前で立入禁止になっていた 中は航空関
係の施設のようだった
そのそばの展望所が、どうやらハイカー用の山
頂のようで、標高1077m地点だった
山頂の展望所からは七星山がすっきりと眺められた もうガスは消えていた 七星山北面を見ると、小油坑の墳気孔が望めた

 展望所からも面天
 山へと続く尾根が
 眺められた また
 淡水河の風景もよ
 く見えた

   展望所の脇から面
   天山への登山道が
   始まっていた
 
山頂には10分とおらず引き返すことにした 
下山は二子坪まで車道を歩くことにした
細い車道が分岐する位置まで戻ってくると、山
頂方向へ向かう小径を見た
小径に被さる草をかき分けながら山頂に近づい

ほぼ山頂が近い
と思われたとき
有刺鉄線に阻ま
れた やはり山
頂は立入禁止の
ようだった

左の写真の左端
に写っているは
三角点だった

その三角点を大
きく見る
ヤブコギで車道に戻ると後はひたすら車道歩き
だった
マウンテンバイクで登ってくる若者とすれ違っ
前方に小観音山が見えるようになった

 往路で登山道側
 から立ち寄った
 東屋を見る

   前方に見えてきた
   のは七星山だった
二子坪の駐車場に着くと、野犬が目立った 二子坪にはツーリストセンターが建っていた バス停留所に着いて、108系統バスを待った