日本海に面する堂山を再訪することにした。この日は快晴。豊岡自動車道は但馬空港ICまで開通しており、おかげで姫路の自宅から2時間少々で日本海のそばまで来ることが出来た。コースとしては前回と同じく東コースを登る予定にしていたのだが、田結(たい)漁港に沿って車を進めていると、田結漁港の北端で登山口の標識を見た。案内板もあり、それを見ると西コースの登山口のようだった。ただ案内板は堂山の紹介ではなく、堂山のピークも通って作られている八十八カ所巡りの案内図で、「八十八カ所の森ハイキングコース」となっていた。近く数台の車が止まっており、そばの防波堤で釣りをしていた。まだ数台分のスペースがあったので、そこに車を止めると西コースの登山口に向かった。登山コースに入るとすぐに八十八カ所巡り始まって、点々と石仏を見た。正しくは像ではなく弘法大師が彫られた墓石のような形をした石碑だった。始めは急斜面のジグザグ道を登って行く。標高にして70mまで登ると、緩斜面となって易しく歩けるようになった。その緩斜面となったとき、なぜか登山道ははっきりしなくなった。登山道とおぼしき所を登って、ときおり石仏を見かけることでコースを外れていないことを知った。その緩い尾根歩きを続けていると、少し尾根から離れることがあった。ベンチが置かれている開けた所が現れると、そこはちょっとした展望地で日本海や西向かいの盛上山が眺められた。尾根筋から離れないようにして登って行くと、ピークに立つことになった。そこは山頂とほぼ同じ標高の230mピークだった。地図を見るとそこはコースから外れているようだった。230mピークからは山頂がある南へと歩く方向が変わった。山頂との鞍部で登山コースと合流すると、上り坂に入った。すぐに山頂が近づいてくると辺りは草ヤブになっており、その中の細々とした登山道を追った。そして見覚えのある山頂に着いた。広く平らになっている山頂には幾つかベンチが置かれていたが、そのベンチの辺りも草ヤブになっていた。三等三角点(点名・田結)が置かれている辺りから南は草ヤブでは無かった。どうもコースが整備されてから手入れはされていないようで、再度の整備が必要ではと思われた。ただ高木が点在する山頂の風景としてはあまり変わっておらず、落ち着きの感じられる山頂だった。その山頂は少し展望があり、狭い範囲ながら丹後半島が望まれて、ここが兵庫最北の地であることを実感出来た。秋を感じられる涼しい風に吹かれながら昼どきを過ごした。そして下山は南へと東コースに入った。こちらのコースは登山道がはっきりしており、西コースと同じく石仏を点々と見た。その東コースにハイライトと言えそうな場所が現れた。東コースは途中から展望が現れて来日岳や盛上山がちらほら見えていたのだが、中腹まで下りて来たとき展望デッキが現れた。そこは展望デッキの名に相応しく堂山一番の展望を楽しめることになった。それは西の方向の展望で、手前は津居山湾、その背後に来日岳から盛上山までの尾根が遮るものも無く眺められた。展望デッキを過ぎるとやや急坂となったため、滑らないように慎重に下った。麓近くで墓地に出会うと、後はコンクリートの階段を下って田結集落の一角に下り着いた。そこにも案内板が立っていた。そこからは西へと歩いて田結漁港に出ると北へと歩いた。東コース登山口から西コース登山口までは5分ほどの距離だった。2回目の登山にして正しく堂山のコースを歩けたことに満足して、駐車地点へと近づいた。
(2022/9記) |