TAJIHM の 兵庫の山めぐり <淡路 
 
篝場    かがりばさん 243.8m 淡路市
 
1/2.5万地図 : 田之代
 
【2005年8月】 No.1 2005-57(TAJI&HM)
 
    東麓となる淡路夢舞台の港より  2005 / 8

 淡路島の山を登るとなれば、低山が多いだけにどうしても夏場を避けたくなる。それが山も登って海でも遊びたいとなると話は逆となり、夏の淡路島は最適と思える。そして姫路からの距離が短く、午前に山、午後に海となれば、淡路島の中でも北淡地域となり、淡路島の地図を眺めてこの篝場山に注目した。ごく低山でもの足りないかもしれないと思ったが、他に北淡地域で目立つ山も見当たらず、近くに海水浴場もあることでもあって、この篝場山と決めた。そして05年8月の最終日曜日に向かうことにしたのだが、前日になってこの篝場山を含む地形図(1/2.5万)を持っていないことに気づいた。ただ地図が無くともごく低山なので、近づけば何とかなるだろうと思い直し、道路地図を参考することにして、当日、淡路に向かった。
 淡路I.C.で高速道を下り、国道28号線を南へと走る。その国道も明石海峡公園が近づいた所で離れ、島の中央部へと向かった。高速道の下をくぐると、丘の続く風景が広がった。そして篝場山の方向へと近づくが、どうも登山道の始まるらしい所が見当たらない。何度か行き来するうちに、「八畳岩」と書かれた標識に注目し、この八畳岩に向かえば篝場山へのアプローチが掴めるのではと思えた。その標識は「日仏友好モニュメント建設予定地」として開発された地区の入口にあり、八畳岩はどうやらその予定地の中にあるようだった。車はその建設予定地に入って行けそうだったが、低山でもあるので、建設予定地の入口付近に駐車して歩き出すことにした。予定地内を舗装路が緩やかに続いていた。空は薄晴れでさほど気温は高くなかったが、蒸し暑さの感じられる天気だった。やがて道は丘の上へと近づくと、辺りは山が削られてすっかり開発地の風景となったが、放置されて長いのか草ぼうぼうだった。地図を持たないためコンパスだけが頼りだったが、丘の上部に出てもどちらを目指してよいやら分からない。見回して南東の一角が一番高く見えたため、その地点へと向かった。道を離れて法面工事された山肌を登って近づいて行く。するとその小ピークの手前でフェンスに出会った。そのフェンスの脇を抜けて先に進むと、大きな岩の前に出た。一帯は花崗岩質の赤っぽい地肌が現れており、そこに上部が平らになった大岩が現れている。一目で八畳岩と分かった。迷わず着いたことになる。その上に立つと展望が広がっており、大阪湾方向が眺められた。そして南を見ると一段高い丘が見えた。方向からしてどうやら篝場山のように思えた。八畳岩との間には深い谷があり、一度西に回り込んで近づかなければならない。そこで八畳岩を離れ、尾根を辿って西へ向かうと、尾根から小径の跡のようなものが山中へと延びていた。その辺りはほぼ笹ヤブになろうとしていたが、その小径を伝うことにした。笹や草をかき分けながら踏み跡を辿ると、辺りは雑木林となり、少しは歩き易くなった。但し、夏場なのでクモの巣がやたらと多い。数メートルごとにクモの巣を払うことになった。やがて小径は不確かになったが、八畳岩から見えていた風景を思い出しながら方向を定めて進んで行く。ほぼ南東方向を目指していたのだが、鞍部に近づいてまた小径と出会った。今度の小径は少しはっきりとしていた。その小径もいつのまにやら不確かになったが、気にせず進んで行くと、更にはっきりとした小径に出会い、その道のままに進むとやや上り坂になりピークに出た。目指す山頂かと思ったが、そこは展望があり、更に南にすっきりとしたピークが見えていた。そして測量用のポールも見える。もうそれが山頂であることを確信した。その山頂へと向かうと、馬ノ背と呼べそうな細尾根となり、地肌も花崗岩質で脆くなって来た。ただ平坦な尾根だったので危ない感じは無かった。むしろ木立が少なく歩き易い。そして先ほどのピークから5分ほど歩くだけで篝場山山頂到着となった。狭い山頂だったが平らになっており、また木立も無く、そこは素晴らしい360度の展望台だった。あいにくのモヤのきつい視界だったが、足元には明石海峡公園(元花博会場)があり、その先は大阪湾の風景が広がっている。対岸の泉州の山並みや六甲連山がうっすらとながらモヤの中に覗いていた。そして明石大橋も見えている。視界のよい日にはどれだけ素晴らしい展望だろうかと思わす風景だった。このピークでひとときをのんびりと風景を楽しんでいたが、木陰の無いピークは風も無く蒸し暑さが次第にこたえてきたので、20分ほど過ごして下山することにした。下山は途中で出会った山道を辿ればごく自然にふもとに着くのではと考えて、山道なりに戻って行く。しかし途中までスムーズだった道はなぜか不確かになり、そこで登りと同じく方向を定めて歩き易い所を選んで行くと、やがて笹ヤブに突っ込んだ。見覚えのある笹ヤブだと思っていると、抜け出した所は八畳岩の近くの登りで尾根を離れた所だった。結局、適当に歩いて同じ所に戻り着いたことになる。この篝場山登山の後は予定通りに海水浴である。北淡地区では西海岸に惹かれるものがあり、向かった先は富島の北淡県民サンビーチだった。ごく小さい海水浴場だったが、砂浜の近くに車を適当に止めることが出来、気楽に浜辺に入ることが出来る。午後に入って黒みを増した空からときおり雨粒が落ちてきたが、海水浴には気にならない。登山でほてった体を穏やかな波にゆだねて、のんびりと泳ぎながら午後のひとときを過ごした。
 ところで後日、この篝場山の地形図(田之代)を求めて登ったルートを眺めてみると、もっと短時間で登れていたようだった。ただ八畳岩を経ての篝場山コースも悪くはないコースではと思えた。
(2005/9記)(2018/12写真改訂)
<登山日> 2005年8月28日 9:47スタート/10:01〜08八畳岩/10:44〜11:04山頂/11:48建設予定地に戻る/11:56エンド。
(天気) 薄晴れから薄曇りの空。モヤが強く遠方はうっすらとしか見えない。気温は28℃までだったが、湿度は高い。風はほとんど無し。下山頃は空はすっかり曇天となり、黒みがかった雲も見られた。
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大きな岩が現れ
た それが八畳
岩と思われた

パートナーが八
畳岩の上に立っ
て南東の篝場山
の方向を見てい


八畳岩の上から
東の方向を眺め


八畳岩から登っ
てきた方向を眺
める

山頂かと思って
ピークに立つと
その先にはっき
りと山頂と分か
るピークが見え


左の写真の左手
を見ると、麓の
高速道が見えて
いた
山頂への道は馬の背のような痩せ尾根だった 山頂までの尾根を見る 山頂は狭いながらも開けており、大展望台だった

(←)
山頂から北の方向
を望む モヤの強
い視界の中、明石
海峡大橋を見る

 (→)
 左の写真に写る明
 石海峡大橋を大き
 く見る

明石海峡公園
(元花博会場)
を足元に見る

山頂より南の方向
を見る 手前の港
は大磯港だった