伊勢山は西峰にある「神座の窟」が特徴となっているが、北西尾根の270mピークにある空木(うとろぎ)城跡も知られる所で、ごく小さな城が戦国時代までは建っていたとか。その空木城跡をまだ訪れていなかった。そこで空木城跡を経由して伊勢山に登りたいと考えたが、半日程度のハイキングで十分と思われたので、午後に時間が空いたときにでも登ろうと考えていた。
向かったのは2011年12月の最初の日曜日。その日曜日は午後に体が空くことになり、そこで近場でミニハイキングを楽しもうと考えた。そして空木城跡経由で伊勢山に登ろうと思い付いたものである。この日は曇りがちとの予報だったが、意外と天気は良く、昼の空は雲が多いながらも晴れと言える空だった。自宅を離れて北へ向かっていると、京見山も壇特山も、そして城山、峰相山と、どの山も紅葉の山肌を見せていた。今年の紅葉は遅いようで、12月に入って漸く見頃を迎えたようだった。期待を持って伊勢山に向かった。国道29号線を下伊勢交差点で離れて県道413号線に入り、4km近く走ったとき、「伊勢岩屋の森」の標識が現れた。それに従って枝道に入る。途中で道は二手に分かれたが、そこは右手の伊勢山方向の道に入った。ダート道は少しでこぼこしていたが、すぐに開けた所に出た。そこはもう「伊勢岩屋の森」のようで案内板もあり、前方に伊勢山西峰の岩壁が見えていた。車は一台も見えず、適当に車を止める。この先のハイキングの様子は、下の写真日記の通り。一帯は「伊勢岩屋の森」として整備されているのだが、まだ整備途中のようで、すっきりとした感じは無く、むしろ荒れ地のように見える所もあった。ただハイキングコースには標識があり、迷うことなく歩いて行けた。その伊勢山へのハイキングコースも直登コース以外に、空木城跡を通るコースやサブコースもあって、いろいろ選べるようだった。そこで往路と下山路でコースを変えることにした。登りは空木城跡を通るコースを辿ったが、途中で標準ルートと健脚向けルートに分かれたので、健脚向けルートを登る。健脚向けルートは整備途上のようで、道がはっきりしておらず、赤テープを目印に登った。登るうちに標準ルートと合流すると、そこからはハイキング道だった。紅葉を愛でながらの登りだったが、今年の秋は暖かい日が多かったためか、緑からいきなり茶色に変わっているものがよく見られた。それでも全体として見れば程良い色付きと言えそうだった。視界がクリアだったのも良く、紅葉の様が明るく眺められた。空木城跡経由で伊勢山西峰に立つと、そこより本峰へ。そこは展望が無いため、三角点を見ただけで引き返す。西峰に戻って来ると、尾根を少し南に辿って316mピークに立ち寄り、そこからは南の風景を味わった。また西峰に戻って、そこから麓の広場への最短コースを下った。僅か2時間だけのハイキングだったが、伊勢山の美しさを十分に味わえて、一日ハイキングを楽しんだほどの満足感を持って帰路についた。
(2011/12記)(2020/10改訂) |