伊勢山は伊勢岩屋の森の入口広場を起点としたとき、空木城跡を経由するとほぼ周回として歩けるので、近場で2時間程度のミニハイキングを考えたときは、候補の一つに挙げたくなる山である。その考えで向かったのは2017年の1月中旬のことだった。
入口広場に着いたのは11時過ぎ。上空は薄晴れになっており、柔らかい陽射しを受けた。まずは空木城跡を目指して歩き始めた。その空木城跡への道は幾つかあり、最短コースと思える健脚ルートに入った。雑木林の中を遊歩道が続いており、健脚ルートとはなっていたが易しいコースだった。季節柄落ち葉が積もっており、その踏み心地を味わいながら登った。空木城跡まで23分だった。空木城跡は城跡らしく平らに開けており、落ち着きがあって休むには良い所だった。陽射しを受けながら一休みとしたが、北の空は雲が広がっており暗かった。いずれその雲が流れてきそうだった。空木城跡を離れると尾根歩きに移って、伊勢山に向かった。予想通り北の雲は上空に広がってきて、陽射しは現れたり消えたりを繰り返した。冷たい風もあり、うすら寒くなってきた。伊勢山の西峰が目前になると急坂が始まり、その急坂を登りきって神座の窟(しんざのいわや)の前に出たが、そこには入らず伊勢山山頂を目指した。前回は2014年の夏に登っていたが、そのときよりも標識が増えており、尾根の途中で南の方向に分かれたコースは東沢コースとしてさくら広場に通じるようだった。また伊勢山の西峰(316mピーク)は岩屋山とされていた。鞍部を過ぎて登り返し、小さなピークの先が伊勢山山頂だった。そこからも東尾根のコースがあることの標識が付いていた。薄ら寒いこともあってすぐに引き返した。そして伊勢山西峰と言うか神座の窟の上にあるピークに立つと、後は神座の窟の中に移動して昼休憩とした。洞の中にも風が入って来るので落ち着けるとは言えなかったが、風を少しは防いでいたため寒さを我慢する感じでも無かった。もうはっきりと曇り空になっており、いずれは雨か雪になりそうだった。そこで昼食を済ませるとすぐに神座の窟を離れた。下山は入口広場への最短コースを下った。小石の多い道だったが、下りとあってあまり気にせず歩けた。さすが最短コースだけに神座の窟を離れてから23分で登山口に戻ってきた。何とか雨に遭わずにハイキングを終了出来たようだった。真昼時だと言うのにすっかり暗くなった空は、車に乗って伊勢岩屋の森を離れるタイミングを待っていたかのように雨を降らせてきた。
(2017/2記)(2020/4改訂) |