梅雨どきはたとえ雨は降っていなくとも蒸し暑さは避けられず、遠出をしてまで山を登る気持ちは萎みがちになるので、近場の山に目が向かうことになる。2019年6月最終週の土曜日も雨は無かったものの蒸し暑さはひとしおで、そのような気持ちになってしまった。そこで思い付いたのが伊勢山を「打越木もれ日の森」から登ることだった。ただ前回の2018年10月も同じく「打越木もれ日の森」から登っていたので、少しコースを変えることにした。前回は往路は東尾根コース、復路は中尾根コースとしたので、今回は往路は西尾根を登って行くことにした。そして復路は東尾根コースを予定した。
「打越こもれびの森」の駐車場に着いたのは10時半のこと。車から降りると生暖かい空気に包まれた。始めにヤマザクラ広場を通って里山北コースを歩いて行った。小さな沢に沿って歩くようになり、10分少々で東尾根コースの分岐点に着いた。そこは下山で下りて来る所なので先へと進むと、すぐに西尾根への道が左手に分かれた。そこに立つ標識には西尾根の名は無く行き先は展望広場になっていたが、かまわずその小径に入って西尾根を目指した。ごく緩い坂を登って10分ほどで尾根に出ると、そこから南に向かえば展望広場だった。こちらは伊勢山山頂を目指すので北へと尾根道を辿った。その北への道は始めこそ上り坂だったが、すぐに急坂下りとなった。30mほど下った後、上り坂に変わった。その西尾根を少し登ると右手から西沢コースが合流した。その先は西尾根をずっと登るのでは無く、登山道は巻き道となって中尾根の方向に向かい出した。登山道を離れて西尾根を忠実に辿ってもよかったが、もうだるさを覚えだしたので道の無い尾根を登るよりも登山道なりに歩いて行こうと中尾根に向かった。その中尾根に入ると程なく急坂となり、また露岩地が現れて岩登りとなった。その岩を登っているうちに蒸し暑さから次第にバテてきた。露岩地を登り切った地点は西尾根との合流点でもあり、そこは好展望地だった。バテ気味の体を癒やす意味もあって風景を眺めながら暫しの休憩としたが、少々陽射しを受けながらの休憩ではどうもバテ気味となった体力は回復しなかった。そこで神座の窟に移動してそちらで体を横にすることにした。展望地のすぐ先が316mピークで、いわゆる伊勢山西峰の南端だった。そこから先はほぼ緩やかな尾根となり、西峰のピークに近づいた。そのピーク野下が神座の窟で、そこに入ると気温が23℃ほどと少し低めのうえ、涼しい風が吹き込んでいた。おかげで十分に涼しい中で体を横にすることが出来た。その神座の窟での休憩を終えると西峰のピークに立ち、おもむろに伊勢山本峰へと向かった。そこまで僅かな距離なのだが、体は十分回復していなかったようでまたバテてきた。そこで山頂でも体を横にして休憩とした。しかも50分ほどの長休憩をとった。その休憩で漸く体力が戻ってきたようだった。本峰からの下山は東尾根コースを歩くことにした。山頂に東尾根コースの方向を示す標識があり、それに従って尾根に入った。東尾根を離れるまでに小さなピークを幾つか越すのだが、基本的に下る方向なのでもうバテ気味になるようなことも無く歩けた。但し標識は少ないようで、東尾根を離れるポイントにも標識は見なかった。ただ目印テープを見るだけだった。それが尾根を離れて沢筋に向かう道を下り出すと、標識を何度も見るようになった。そして尾根を離れてから20分で里山北コースに合流した。そこから駐車地点までは10分の距離だった。
涼しい季節なら何の問題も無い易しいコースを、梅雨の蒸し暑さの中で登ったとあってバテ気味になってしまったが、神座の窟の涼しさが強い印象となったこの日の伊勢山登山だった。
(2019/7記) |