伊勢山へは南麓側の「打越木もれ日の森」からも西麓側の「伊勢岩屋の森」からも登山道が通じているが、久々に空木城跡を訪れたく「伊勢岩屋の森」に向かったのは2020年10月10日のことだった。この日は終日曇り空の予想だったが、朝の空は良く晴れていた。その空を見て伊勢山で昼を過ごすことにしたのだが、そこから空木城跡を訪れたいと思い付いたものである。「伊勢岩屋の森」の入口広場に着いたのは11時過ぎのこと。そこから登山道を歩き出すと、すぐに空木城跡コースと直登コースとに分かれた。そこが登山口と言えたが、まずは空木城跡コースに入った。始めにカヤトの茂る所が現れたが、長くも続かずすぐに歩き易くなった。その空木城跡コースは階段道が多いものの、周囲に優しげな自然林が広がって雰囲気は悪くなかった。登山口から20分で空木城跡に着くと、そこで一休みとした城跡の佇まいは以前のままだったが、木々が大きくなったためか展望は少し悪くなっていた。その空木城跡からは尾根歩きに移って、南へと向かった。シダの茂る所もあったが、優しく歩ける尾根だった。伊勢山西峰が間近になると右手から直登コースが合流して、西峰までの急坂登りが始まった。ロープが張られており、そのロープは補修されていた。西峰の真下が神座の窟(しんざのいわや)だが、その中に入って一休みとした。ちょうど12時になっていたので、そこで昼食とした。その頃には上空は天気予報通りすっかり曇り空になっていた。神座の窟は風の通りが良いようで、涼しい風を受けながらの昼休憩だった。その神座の窟を出ると、西峰には立たずに山頂を目指した。山頂までは10分ほどだった。樹林に囲まれた山頂は単にピークに立ったと言う感じだったので、すぐに引き返した。そして伊勢山西峰のピークに立つと、そこは岩場の好展望地とあって存分に展望を楽しんだ。視界は澄んでおり、瀬戸の島々もはっきり見えていた。下山は駐車地点に早く戻ろうと、急坂を下ると直登コースに入った。その直登コースは礫が多くあって少々マイナーな感じではあったが、休まず下って行くと西峰から25分で登山口に戻ってきた。そして駐車地点にに着いて登山靴を脱いでいると、靴に小さな山ヒルが張り付いているのを見た。どうやら伊勢山まで山ヒルの生息域が広がってきたようだった。
(2020/10記) |