佐用町の明神岳を知ったのは「山の地名を歩く」によってだが、登山となると地形図を見て決めるしかなく、手探りの形で安井集落から登ったものだが、「佐用ハイキング」が出版されると、そこに明神岳が紹介されていた。そこで二度目の明神岳はその紹介コースで登ることにした。前回とほぼ同じルートとなるが、目印が新たに付けられていると思われた。
この日の天気は午後に良くなるとなっていたが、佐用町の空はちょうど天気の境目のようで、上空はまだ雲が覆いものの青空の広がっている所もあった。県道240号線を仁方バス停のそばで離れると、小橋を渡って安井集落に入った。集落の最奥まで車を進めると、路肩スペースが現れた。そこがガイドブックでPマークが付いていた地点だったので、そこに駐車とした。すぐに林道に向かわず、一度県道の方向に戻って仁方バス停を起点にハイキングを開始した。これは神場神社に立ち寄りたかったためで、一度通り抜けた安井集落に再び入り、神社への石段を登った。意外と長い石段を登った先で小ぶりな神場神社を見ると、林道方向へと別の道を歩いた。駐車地点のそばを通るとすぐにゲートが現れて通り抜けることになった。そこから先が林道と呼べそうだった。まだ舗装路の林道を東へと歩いて行く。ガイドブックでは林道をずっと歩いて仁方池の方向へと向かうのだが、林道からは何度か枝道が分岐しており、そこに標識を見なかった。そこで標識を見るまではと歩いていたところ、どうも行き過ぎたように思えてGPSを見ると、やはり東へと行き過ぎていたので、すぐに引き返した。そして地図の破線路にほぼ戻って来たとき、小径が左手に分かれているのを見た。それは林道では無かったが、一度その小径を歩いてみることにした。ちょっとしたヤブ道だったが、少し歩くと棚田跡に出た。ヤブ道は以前は農道として使われていたようだった。こんな奥にも棚田が作られていたことに少々驚きながら棚田跡を抜けた。棚田跡からはそばの尾根に出て破線路の方向へと向かうと、長くも歩かず正しいコースとなる林道に合流した。後は林道のままに歩いて行くだけだった。林道の周囲の木々は新緑の盛りで、なかなかの美しさだった。但し展望は無かったが。その林道が仁方池に近づいたとき二手に分かれると、そこに付けられた明神岳の標識のままに直進した。直進方向は仁方池には近づかず、池の北側の辺りまで進んだとき林道は終点となった。その先は山道があり目印テープが点々と付いていたので、それを追うようにして歩いた。一帯は緩やかな地形とあって尾根を歩いている感じはならずに山頂に近づいた。そして緩い上り坂を歩いて山頂に到着した。山頂は三角点を中心として切り開かれていたが、周囲は樹林がすっかり囲んでおり展望は無かった。ただ三角点のそばで休むだけだった。20分ほどの休憩を済ませると、歩いてきた道を引き返した。仁方池のそばまで戻って来ると、池に近づこうと標識に従って別の道に入ったのだが、なぜか道はすぐに不確かになってしまった。かまわず樹林の中を適当に歩いて池のそばに出た。後は池の縁を回って池の南側となる土手に出た。そこから見る仁方池は新緑の山に囲まれて、なかなかの美しさだった。そこはこの日一番の落ち着ける場所でもあった。池のそばでも休憩をとると、後は林道に出て林道をずっと歩いた。地道の林道は緩い下り坂として続き、安井集落に通じる林道に合流した。往路で歩いた野道よりも少し西の位置だった。それにしても林道の分岐点にこそ明神岳の標識が必要ではと思った。合流点から先で漸く展望が現れて、仁方地区の佇まいが眺められた。午後となって天気は予定通り回復しており、上空は明るかった。合流点から5分も歩けばゲートの位置に戻ってきた。そのすぐ先が駐車地点だった。
(2018/6記) |