TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
後山    うしろやま 404.6m 佐用町
 
1/2.5万地図 : 上月
 
【2014年5月】 No.2 2014-46(TAJI&HM)
 
    目高集落の手前より  2014 / 5

 佐用町の目高集落の奥に立つ後山は、林道終点からは僅かな距離しかなく、しかも展望が無いとあって、単なる三角点を持つ山頂としか印象を持てなかった。ただ目高集落については、山の斜面に整然と並ぶ姿が強く印象に残っていた。その集落を囲むようにして棚田が見られたので、ぜひ田植え後に再訪したいと考えていた。それを実行したのは前回の訪問から12年後となる2014年5月の第三土曜日のことだった。国道373号線を南から北上して佐用町内に入った。田植えは終わっているのではと考えていたのだが、佐用町内は終わった所もあれば田植え中の所、まだこれからの所と様々だった。もう一週間遅らせても良かったかと思えた。上月駅に近づいたとき上月城跡の標識が現れて、そちらへと国道を離れた。すぐに城跡の入口広場が現れた。それを横目に車道を先へと進んだ。車道は上り坂となり、山中を走るようになると、程なく目高集落が見えてきた。今回は目高集落を見るのが目的だったので、集落に入る手前にあった路肩スペースに駐車とした。そしてそこからハイキングを開始した。車道を歩いて行くのだが、車道は集落から少し離れており、適度な距離で集落を眺めることになった。この日は快晴。澄んだ空に新緑の木立が鮮やかで、そこに10軒ほどの民家が統一をとって並ぶ姿は、県内でも有数の美しい山村風景ではと思えた。ただ残念だったのはほとんどの棚田が放置されていたことで、水田風景はごく一部にとどまっていた。ゆっくりと歩いて山里の美しさを楽しむと、後は車道を更に奥へと歩いて行った。すっかり林道の様相となってきたが、その車道を登り詰めた峠の位置に二軒の家が建っていた。一軒は広い敷地に建っており、色使いがきれいでアメリカの風景を見ている錯覚を覚えた。その門前には「利他の花咲く村」と標識が立っていた。もう一軒は後山へと向かう方向に建っており、後山に行こうとすれば、その家の敷地内を歩いてしまいそうだった。他人の敷地に入るのは躊躇されたので、回り込んで尾根に出ることにした。そこで近くに建っていた携帯の基地局の辺りから取り付くことにした。適当に電波塔のそばから取り付くと、少しヤブをこぐことになったが、すぐに植林地に入り、そして尾根道を辿れるようになった。辿ると言ってもごく僅かな距離を歩くだけで山頂だった。前回来たときはすっかり樹林に覆われていたのだが、そこがすっかり切り開かれて広場のようになっていた。陽射しがたっぷりと注いでおり、その中央にぽつんと三等三角点を見た。それだけなら単に山頂部が伐採されているだけと思うのだが、一角に標識が立っており、そこが「目高の築地(つんじ)」であることを示していた。築地とは砦のことのようで、山頂一帯は戦国時代に砦が作られていたようだった。山頂は開けて明るいものの、周囲は樹林が囲んでおり、展望は全く無かった。そこですぐに下山とした。下山は車道が走る峠の位置へと尾根道を辿って行くことにした。尾根道のままに下ると、やはり民家の敷地に近づくことになったので、出来るだけ敷地の縁を歩いて車道に戻った。後は車道を引き返すのみ。また目高集落へと入り、その風景を眺めながら駐車地点へと戻って行った。
(2014/6記)(2020/10改訂)
<登山日> 2014年5月17日 9:40スタート/10:11電波塔/10:19〜22山頂/10:27林道に下り着く/10:47エンド。
(天気) 快晴。気温は陽射しの下では25℃ほどあったが、木陰では21℃ほどで、空気が爽やかだった。風はほとんど無し。視界は良かった。
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目高集落の手前から歩き始めた 目高集落が車道から少し離れて見えてきた 車道は緩やかに延びている
目高集落がすっきりと眺められるようになった 澄んだ青空が広がる 北東の方向には黒尾山が見えていた
目高集落を西の方向から眺める 田植えをされていたのは、ごく一部の棚田だけ
だった
集落の木立が新緑で眩しかった

 目高集落を上から
 眺める位置まで歩
 いてきた

   集落を後にして車道
   を更に歩いた
目高配水池のそばを通る 木立の隙間から山頂の少し南の辺りが望めた 車道はすっかり林道の様相だった
雑木林はすっかり新緑色だった 峠の位置まで来ると、色使いのきれいな家が建っていた アメリカの風景のように思えた
家の前には「利他の花咲く村」と標識が立って
いた
山頂方向には別の家があり、尾根道を歩こうとす
るとその家の敷地に入らなければならなかった
他人の敷地には入りたくなく、そこで近くに建
っていた携帯基地局の電波塔まで歩いた
電波塔のそばから適当に山肌に取り付くと、少しヤブをこぐことになった ヤブはすぐ抜けて、その先は植林地だった 尾根に出ると、左手は自然林だった 尾根道を歩いて山頂に向かう

 すぐに後山の山
 頂に着いた 一
 帯は広く伐採さ
 れていた

  その中央に三等
  三角点を見た
山頂の一角には「目高の築地」の標識が立って
おり、ここが砦跡であることを示していた
三角点周りこそ開けていたが、周囲は樹林が囲
んでおり展望は無かった
すぐに山頂を離れることにした 下山は尾根道
を辿って車道へと向かった
車道の手前でやはり民家に近づくことになったので、敷地の縁を歩いた 車道に出ると、後はただ車道を下るのみ 目高集落に戻ってきた
再び目高集落の佇まいを眺めながら戻った 黒尾山と水剣山の並ぶ姿を改めて眺めた