2007年の梅雨はなかなか明けず、8月に入っても空はぐずついたままで最初の週末を迎えた。これでは夏山を目指して遠征するわけにはいかなかった。そこで近くの山へでも行って少しは体を動かそうと考えたが、どんよりとした曇り空の上にひどいモヤの視界で、すかっとした登山は望めそうにも無かった。そこで歩くことに集中できる山はと考えると、山頂まで車道の通じた山をウォーキング感覚で登るのも悪くないと思えた。そして思い浮かんで来たのがこの赤十字山だった。考えると9年前に登ったときもほぼ同じような理由だったようで、どうも頭の中の思考回路は変わっていないようだった。ただこの赤十字山だけでは物足りないので、赤十字山に向かう前に、同じ佐用町内にある仁位山を同じくウォーキング登山で足慣らしすることにした。その仁位山のウォーキング登山は本当にごく軽いもので、1時間程度で終わってしまった。そしてすぐに赤十字山へと移動した。
車は丸尾集落の外れにある給水設備の駐車場に置いた。そして山頂へと向かえるコンクリート舗装の道に入り、害獣避けゲートを抜けてウォーキングを開始した。何とも蒸し暑い日だったが、仁位山ウォーキングで既に大汗をかいており、この赤十字山では大量に汗をかくことも無く登って行けた。道は緩やかな坂で続いており、周囲は木々が取り囲んでいたため展望は良いとは言えなかった。それでも途中の直線部ではすこし展望を得た。但し強いモヤの視界で、ぼんやりとしか見えていなかったが。この日二つめのウォーキング登山とあって体は十分にほぐれており、途中から少し早足ぎみに登って行った。そして山頂そばの車道が二つに分かれる地点では迷わず北への道に入った。その道を終点艶歩くと山頂から離れるので、途中で右手の斜面を登って山頂に立った。山頂の二等三角点(点名・多賀)は何年経っても無傷のままだった。以前と違うのは山名標識と山の名にちなんだ赤十字の旗が置かれていたことだった。これは「播磨 山の地名を歩く」にこの山のことが紹介されて、少しは訪れる人が現れてきたことによるものと思われた。その山頂はすっかり樹林に囲まれていたので、そこよりも林道終点の位置の方が開けており、そちらに移動して昼休憩とした。麓と比べると2℃ほど気温は低く、僅かな風も助けになって少しは凌ぎ易かった。相変わらず展望の無い山頂だったので、一休みの後はすぐに下山してもよかったが、南隣のピークにも立ち寄ることにした。そちらのピークは多賀無線中継局の敷地だったが、囲いだけで電波塔は建っていなかった。それを確認するとすぐに下山とした。そして再び舗装路を歩くことに専念して麓を目指した。この下山で気が付いたのは中腹の直線部での展望が良いことで、西に展望が開けて、西向かいの高倉山から伸びる尾根が眺められたりした。この下山を終えるとまた汗まみれになっていた。そこで帰路に一汗流すことにした。立ち寄ったのは道の駅「しんぐう」のそばにある福祉会館。その中にある「ふれあいの湯」は温泉では無かったが入湯料も300円とリーズナブルだった。暑いさなかの昼どきとあって他に人はおらず、のんびりと浴槽に浸ることが出来た。
(2007/9記)(2021/12改訂) |