TAJIHM の 兵庫の山めぐり <摂津編
 
菊水   きくすいやま 458.8m
  No.2
鍋蓋   なべふたやま 486.1m
  No.2
 
1/2.5万地図 : 神戸首部 神戸市
 
【2011年10月】 2011-104(TAJI)
 
    《菊水山》 鍋蓋山より  2011 / 10 《鍋蓋山》 菊水山の城ヶ越より  2011 / 10

 JR神戸線で西から乗ってくると、須磨の山の次に高取山が見え、その次に菊水山と鍋蓋山の並ぶ姿が眺められるが、二つの山は背格好が似ていることもあり、双子の兄弟のようだと思いながら眺めている。その二山共に六甲全山縦走コースに入っており、また単独の登山としても手頃な高さと山頂展望が良いこともあって、多くのハイカーに親しまれているようだった。その両山を初めて登ったのは1997年12月のことで、鵯越駅を起点として縦走コースのままに歩いて、二つのピークに立っただけでなく、再度山と高雄山を併せて登っていた。菊水山と鍋蓋山の二山だけでは物足りないのではと思えてのことだった。二度目の登山を考えたとき、やはり別の山と併せてと考えて、今度は高取山と組み合わせた。2011年10月のことで、朝から快晴の広がる日だった。三つの山を登るにはやはり六甲全山縦走コースが便利で、地下鉄・妙法寺駅を起点として歩き始めて、まずは高取山に登り、そして鵯越駅の前に出た。下山後に町中を長々と歩いて来たことで、どうも高取山で一つの登山を終えた気持ちだった。そして気持ちを切り替えて菊水山へ向かった。鵯越駅に沿って歩き出すが、14年ぶりとあって以前の記憶は薄らいでおり、初めてのコースを歩くような新鮮さがあった。コースはすっかり遊歩道になっており、小さな丘を越すとイヤガ谷川沿いに車道を歩くようになった。快晴とあってこの日は六甲全山縦走を目指すトレイルランナーが多いようで、ゆっくり歩いているこちらを、背後から一気に抜いて行くので、その度に少なからず驚かされた。やはり山はのんびり歩きたいものである。烏原ポンプ場の横を通り下水処理場を過ぎると、左手の斜面に登山道が始まった。登山道と言ってもよく整備されており、ここも遊歩道と呼べそうだった。左手に石井ダムを見るとき、前方に菊水山山頂の電波塔が眺められたが、まだまだ見上げる高さだった。それだけ標高差(200m)がある訳だが、その先でその標高差を一気に詰めることになった。急坂が始まって、階段道を登ったり岩の間を通り抜けて行く。快晴とあって陽射しの下で登ることになり、けっこう汗をかきながらで、あえぎながら登ることになった。ここで前回もあえぎながら一気に登ったことを思い出したが、今回はマイペースで登って行く。もうそろそろ山頂が近いのではと思えても、まだ先があり、そうなるとその急坂をむしろ楽しもうと気持ちを切り替えて登った。登るほどに展望は良くなって、足下にはゴルフ場(菊水CC)が、そして南西には須磨アルプスが眺められた。人声が聞こ出して山頂が近いと思われたが、その声が次第に大きくなってきた。そして上空が広くなったとき山頂に着いた。そこにはざっと50人ばかりの人がいた。半数は子供のようで、どうやらこの日はハイキング大会のようなことが行われているようだった。山頂には二つの大きな電波塔があり、その手前は広く開けているのだが、これだけ多いと一人離れてという訳にもいかず、集団の中で一休みとする。山頂は少し強めの風が吹いており、急坂登りで火照った体を、程良く冷やしてくれた。一息ついたところで展望を楽しむ。山頂は比較的展望が良く、南に神戸市街と港の風景を、また電波塔の下は展望台になっており、そこに立つと須磨アルプスから北東の丹生山まで広く眺められた。少し残念なのはこの日の視界がうっすらしていたことで、近くの須磨アルプスでさえシルエットになっており、その背後の淡路島は、輪郭がかすかに分かるだけだった。休む間にもグループ登山者の人数は更に増えてきたが、歩いて来る方向はこちらが登った急坂道では無く、東の尾根からだった。菊水山での休憩は20分ほどで切り上げて、次の鍋蓋山へと縦走コースに従って尾根を東へと歩いて行く。まだ登ってくるグループ登山者だけで無く、足を止めると背後からもハイカーに抜かれるので、尾根を歩く人は多いようだった。少し下ると左手に車道が現れたが、グループ登山者はその車道から上がってきていた。縦走コースで下りを続けるうちに、前方に鍋蓋山が眺められるようになった。どっしりとした姿で悪くない。下り坂は長く続き、最後に有馬街道のそばに出た。その車道の上を吊り橋(天王吊橋)が架かっており、それを渡って鍋蓋山の登りが始まった。菊水山より鍋蓋山の方が高いので、それだけ登り返さなければならない。ただ菊水山手前の急坂と比べると、登山道はつづら道もあって緩やかであり、また木陰の道でもあって、比較的楽な登りだった。展望は無いものの自然な雑木の尾根を登って行くとごく緩やかな道となり、暫くそれが続いた先が鍋蓋山の山頂だった。四等三角点が置かれた山頂は狭いながらも平らになって、落ち着きが感じられた。ただそこより一段低い位置も平らになっており、そちらはベンチも置かれていたので、休憩はそちらでとることにした。その低い位置からは展望もあり、うっすらとした神戸の市街地以外にも、西隣りの菊水山も半分ほど姿を眺めることが出来た。この日は始めの予定では、そのまま縦走路を歩いて市ヶ原に出るつもりだったが、それでは前回と全く同じコースになってしまうので、下山コースは少し変えることにした。出来れば歩いて駅に着きたいと考えて、選んだのは鍋蓋北道だった。鈴蘭台へと下りて、神鉄の鈴蘭台駅に出られそうだった。縦走路を少し歩くと、程なく鍋蓋北道が分かれたので、そちらへと入った。それまでは前後に人を見ていたのだが、途端に人影が無くなって一気に静かになった。道は緩やかな下り坂で続くので、気楽なものだった。途中で左手の鍋蓋北谷の方向へ折れると、さほど歩かず登山口に下り着いた。その先は車道となって、ごく緩い下り坂が続いた。住宅地が見えてくると、大きな通りに出たが、それは縦走の途中で見た有馬街道で、交差点は鈴蘭台東口だった。後は町中を通って鈴蘭台駅に向かうのだが、まだそこから駅までは1.5kmほどあり、くねくねとした車道を登って丘を一つ越えなければならなかった。結局、登山口から鈴蘭台駅まで35分ほどかかることになった。そうして鈴蘭台駅でゴールとなったが、けっこう疲れた思いだった。それは歩き疲れと言うよりも、大勢の人と出会っての人疲れではと思いながら駅の改札を通った。
(2011/11記)(2021/7改訂)
<登山日> 2011年10月16日 10:47鵯越駅スタート/11:22石井ダムを左に見る/11:52〜12:52菊水山/12:43天王吊橋/13:13〜34鍋蓋山/13:39鍋蓋北道に入る/13:55鍋蓋北道登山口/14:10「鈴蘭台東口」交差点/14:30鈴蘭台駅エンド。
(天気) 快晴。雲は僅かしか見られなかった。但し空の色は淡く、視界もうっすらとしていた。気温は木陰で18℃ほど、陽射しの当たる所は21℃まで上がっていた。菊水山も鍋蓋山も山頂は強めの風があり、十分に涼しかった。
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鵯越駅を起点に歩き始める 登山道は駅の横に付いていた 鵯越市民公園のそばを通る
雰囲気の良い小径を歩いて行く 車道を歩くようになった 烏原ポンプ場に出る
ポンプ場の先で右手の小径に入る このまま山の中に入る雰囲気だったが また車道を歩くようになった
下水処理場の先で左手に登山道が始まった 階段を登って行く 左手に廃駅となった菊水山駅を見る
コスモスの咲き乱れるそばを通る 神戸電鉄の上に、菊水山山頂の電波塔を見る 小ぎれいな橋を渡る
北に真新しい石井ダムを見る 平坦な道が続く 山頂まで900mの標識が現れた
急坂が始まった 丸太の階段道になっていた ときおり傾斜の緩むことがあったが ほぼ急坂で山頂へと続く プラ階段も現れた

 登るほどに背後に
 風景が広がって、
 足下に菊水CCを
 見る

  山頂の電波塔が見
  えてきた

 山頂に着く 山頂
 は大勢のハイカー
 で大賑わいだった

  家族連れのハイキ
  ング大会があった
  ようだった
菊水山の山頂広場からは神戸の市街地が一望だった 神戸大橋の辺りを大きく見る
電波塔の下が展望台になっており、南西から北西まで広く眺められた
上の写真の須磨アルプスを大きく見る 上の写真の丹生山の尾根を大きく見る
並んで建つもう一方の電波塔の方向を見る 東に摩耶山を見る 北東方向へと尾根歩きを始める
緩やかな道が暫く続いた 下り坂となって北から東にかけて展望が広がった 写真の左に写るのは中里町
中里町の整然とした家並を見る 上の写真の帝釈山を大きく見る 上の写真の稚子ヶ墓山を大きく見る

 前方に鍋蓋山を
 すっきり見るこ
 とがあった

 階段でどんどん
 下って行く
鉄の階段道もあった 急坂が終わって池のそばに出る 堰堤の池だった 鞍部に架かっていたのは天王吊橋だった
吊橋を渡りながら鍋蓋山を見上げる 鍋蓋山の登りにかかる 始めは石が多かった 登るうちに登山道がはっきりしてきた
大きな岩のそばを通る 送電塔のそばを通った 緩やかな道が暫く続く 

 鍋蓋山の山頂に着
 く 木陰で落ち着
 いた雰囲気だった

  山頂の四等三角点
  を見る
 
一段低い所も平らに開けてベンチも置かれていた そこからは神戸市街が眺められるだけでなく、先ほど立っていた菊水山の姿も望まれた

 鍋蓋蓋山を離れ
 て縦走路歩きを
 続ける

 程なく左手に鍋
 蓋北道が分かれ
 た
一気に人影を見なくなった 優しい木陰の道が続く 鈴蘭台へは途中から左手の道に入った
登山口に下り着く 前方の建物は桑の木工房だ
った
車道歩きが続く 前方に住宅地が見えてきた
「鈴蘭台東口」交差点に着く 鈴蘭台の町中を通って行く この日のゴールは鈴蘭台駅だった