TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
平谷深山    ひらだにみやま 492.9m 美作市(岡山県)
佐用町
 
1/2.5万地図 : 佐用
 
【2009年6月】 No.2 2009-68(TAJI&HM)
 
    行者山より  2007 / 3

 佐用町は西を岡山県と接しているが、その中ほどに標高500mに近い尾根がなだらかに続いている。その中の最高点に二等三角点ピークがあり、地元では平谷深山と呼んでいるようだった。「佐用」の地図を見ると、その山頂へと幾つかの破線の道が描かれており、よく歩かれている印象を受けた。そこで2002年の6月に訪れたのだが、谷を間違えて道の無い所を登ってしまった。下山も県境尾根を南へと歩いたため、結局、山頂への破線の道は歩かずに終わった。そこで次に登るのなら、破線の道を正しく歩いて山頂を踏もうと考えた。その二回目が、7年後の2009年6月のこと。この日は日曜日で、前日までは雨が予想されていたのだが、当日の朝になって晴れの予想に変わっていた。その予想を見て急きょ山に登りたくなり、思いついたのが平谷深山の登山だった。但し日曜日はパートナーになかなかつきあってもらえない。そこで単独で出かけることにした。
 朝の空はまだ曇り空だった。佐用ICの近くで国道373号線を離れて、県道240号線に向かい、その県道を北上した。そして豊福集落の先で平谷集落に向かう車道に入った。その平谷集落に着いて、北へと向かう細い車道に入った。そのまま進めば地図の破線路となり、山頂に至ることになる。その道を歩いて行くつもりだった。この日は周回コースを考えており、その北への道へと入ってすぐに現れた路肩スペースに駐車とした。もうその辺りは農道の様相で、歩き出してすぐに出会った畑仕事の人に道の様子を尋ねてみた。その人の話では道は続くものの、手入れがされていないため荒れているとのことだった。また最近はこの辺りでもクマが出没しており、前日も目撃情報があったそうだった。車道を歩いて行くと、山中へと入って周囲は植林の風景となった。道も既に林道になっていた。その林道が平坦なまま続いた。そして徐々に上り坂になった。その坂がまだ緩やかなうちに林道は終点となった。その位置で林道の続きのように左手に小径が続いていたので、思わずつられてそちらに入ると、すぐにヤブになってしまった。地図を見直して、林道終点の位置から真っ直ぐ歩いて行くことを確認する。林道終点に戻り北へと歩き出すが、そちらは最初からヤブ道で、倒木も多かった。沢筋に沿うあるか無いかのような小径を辿って行くのだが、ときに消えたかと思うときもあれば、はっきりとした道になることもあった。ただ手入れをされずに放置されているので、基本的にヤブ道だった。傾斜が増してくるとヤブは減ってきたが、道はほぼ消えた状態となり、もう歩き易い所を登って行くだけだった。更に傾斜が増してくると、石がゴロゴロとしだした。とにかく沢筋を登って行ったが、更に一段と傾斜は増して急斜面状態になってきたので、木に掴まりながらの登りとなった。それが結局、県境尾根に出るまで続いた。県境尾根に出ると、尾根はなだらかになっており、尾根道もあって一気に気楽な雰囲気となった。ただ地図の破線路を辿っていたのであればそこが山頂なのだが、そこは尾根の途中のようで、南北に緩やかに続いているだけだった。地図を見直すと、どうやら一つ右隣の谷筋を登ってしまったようだった。山頂から離れていると言っても、300mほどの距離でしかなかった。県境尾根を北から南へと、ハイキング気分で歩いて行った。尾根は自然な雰囲気で、アカマツが多いようだった。地表が松葉に隠されている所もあった。一度緩く下り、そして緩く登り返す。尾根にはほのかな涼しい風もあり歩くには気楽だったが、展望は全く無かった。その雰囲気のまま傾斜が増してきた。そこをほんのひと登りの感じで登りきった所が山頂だった。そこもすっかり自然林に囲まれており、中央にポツンと二等三角点(点名・豊福)があるだけだった。7年前と変わらぬ佇まいと言えたが、二度目の山頂でもありここが平谷深山であることを実感したく、暫しの休憩の後、周囲に展望のある所は無いかと探ることにした。そして尾根なりに少し南へと歩くと、左手に一ヶ所明るい所が見えた。よく見ると倒木があって、そこに空間が出来ていた。そこに近づくと、空間は狭かったがすんなりとした山が覗いていた。一目で分かる日名倉山だった。その左手には後山が雲を被っていた。その場所が気に入って、そこで改めて休憩とした。空はどんどん良くなっているようで、上空には青空も見え始め、後山にかかる雲も薄れてきた。やはり山頂に立って目ぼしい山が見えるのはうれしいことだった。さて下山だったが、これも地図の破線路の一つを辿ることにした。それは山頂から南へと描かれている道のことだったが、どうも山頂の道は尾根道以外は、小径と呼べそうな道は見当たらなかった。そこで南の方向をコンパスで確かめた後、その方向へ適当に下って行くことにした。そちらの木々は空いており、道こそ見えなかったが下るのは楽だった。方向だけを頼りに下ると、谷筋に下り着いた。辺りは植林地になっており、その谷筋には踏み跡程度の杣道が付いていた。方向からして地図の破線路のようだった。その谷筋の道を辿って行くと、道は次第にはっきりしたが今度はササが繁ってきた。途中ではヤブコギ状態となったが、進むうちにササは疎らになり道は一段とはっきりしてきた。そして平谷集落の西外れとなる、水田の一角に出ることになった。そこはもう真夏の陽射しで、気温もたちまち30℃まで上がってきた。後は青々とした水田を右手に、真昼どきの田舎道を駐車地点へと戻って行った。往路、下山路ともに地図の破線路を辿ったのだが、今はほとんど歩かれなくなったためか、道の形を成していなかったと言えそうだった。
(2009/7記)(2010/11改訂)(2021/10改訂2)
<登山日> 2009年6月28日 9:21スタート/9:42車道終点/10:10〜14尾根に出る/10:34〜11:53山頂/12:27村外れの水田に出る/12:45エンド。
(天気) 朝のうちは薄曇りの空だったが、登るうちに雲は薄れてきた。山頂では青空も見られて、陽も射してきた。山中での気温は22〜23℃。尾根では弱いながらも風があり、過ごし易かった。視界は悪くなかったが、展望はほとんど無し。下山をしている間に快晴の空となる。平谷集落に戻ってきたときは、30℃と真夏の暑さだった。
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平谷集落から北へと延びる道を歩き出す 車道は林道となって植林地の中を続いた 林道終点に着く 勘違いして左手の小径を進んだ
    
小径は暫く続いたが、程なく荒れてきた 林道終点に戻って、改めて北へと向かう 北への道もけっこう倒木があって荒れ道だった
    
次第にヤブは減ってきた 石のゴロゴロとした所を多く見るようになった 県境尾根に出ると、一気に歩き易くなった
   
山頂へと最後の登りにかかる 山頂は開けていたが、周囲を雑木が囲んでいる 二等三角点は一角が大きく削られていた
    

 山頂の近くに倒
 木があり、少し
 北の風景が覗い
 ていた

  日名倉山を大き
  く見る
    
日名倉山の手前を見ると、山中に建物が並んで
いた 養鶏場のようだった
山頂からの下山は南へと地図の破線路を辿るが
実際は小径ははっきりとしていなかった
植林地に下り着くと、そこからは細々と小径が
始まっていた
      
道がはっきりすると、ネザサの中を歩いた 平谷集落の外れとなる水田の一角に出た 平谷集落を歩いて駐車地点へと戻って行った