2016年6月は4日に梅雨入りとなった。以後は曇り空が続き、強くはなかったが雨の降る日もあった。その空が金曜日になって久々の晴れとなった。そして翌日の土曜日も晴れとの天気予報が出た。そこで宍粟市北部の山を登る計画を立てたのだが、いざ土曜日になると、なぜか曇り空で朝を迎えた。ただ雨の心配は無さそうだったので、その程度の空ならと予定通り宍粟市へと向かった。ところが山崎町まで来て北部の空が見えてくると、そちらはガス雲が広がっており、高い山はガスに隠されていた。そうなると北部へ向かう気持ちは萎んでしまった。代わりに山崎町近辺で手頃な山を登ることにした。そして思い付いたのが安富町の当田山を登ることだった。前回登山から15年が経っており、久々に登るのも悪くないと思ってのことだった。急な思い付きだったので、コースは前回と同様に当田山から見ると北向かいとなる尾根に上がって、そこからぐるりと歩いて山頂に立つことにした。その北向かいの尾根にはどこから取り付こうかと国道29号線を離れてアピアやすとみに通じる車道を進んで行くと、花温泉への道が分岐する辺りまで来たとき、左手の山裾に駐車スペースを見た。またそばの沢には小橋も架かっていた。その小橋からなら尾根へと向かっていけそうだった。そこで駐車スペースに車を止めると、小橋を渡って山裾に取り付いた。始めに竹林を抜けると、その先の樹林は疎らになっていた。尾根を目指して樹林に入り、適当に斜面を登った。ヤブの感じは無く、ごく無難に支尾根に出た。その支尾根を登って主尾根に出ると、南東へと歩いた。歩くのは問題無かったが、やはり梅雨どきとあって蒸し暑さはかなりのもので、けっこう汗をかきながら歩くことになった。程なく送電塔(播磨線65番)が現れると、一休みとした。その一休みをしているとき、手に痒みを覚えた。見るとヒルが引っ付いていた。あわてて引きはがしたが、服を見ると他にも2匹が付いていた。パートナーも同様だった。当田山一帯もいつの間にかヒルが棲息する地域になっていたようだった。以後はヒルに注意しながら歩くことになった。その北の尾根は緩やかで、低木の小枝が少し煩わしい程度だった。尾根の向きが南へと変わると、程なく488mピークに着いた。そこでも一息入れたが、ヒルは目にしなかった。少し風が出てきたようで、蒸し暑さは和らいでいた。その先は西へと歩くことになり、緩やかに下って鞍部に出た。辺りは木立が疎らで、ずいぶんゆったいとした雰囲気だった。そこから登り返すこと70mで山頂到着となった。そこは北側こそ植林が壁となっていたが、一帯はごく緩やかで木立は疎らだった。前回来たときは笹が辺りに広がっていたのだが、その笹はほぼ枯れて痕跡を見るだけだった。その山頂の南寄りの位置でで昼休憩とした。けっこう涼しい風が渡っており、良い感じで休めた。その風に誘われて少し横になったところ、知らぬ間にヒルが寄ってきていた。山頂もゆっくり出来ないようだった。昼食を済ますと、展望を探すことにした。山頂は南の方向に少し展望があり、南向かいの葛城山や南西に的場山が眺められた。山頂は東西に平坦となっていたため少し西へと歩いたが、そちらに展望は現れなかった。そこで下山をすることにした。下山は往路を引き返したくなかったので、北面側を下って行くことにした。始めに急斜面があり、木に掴まりながら下ることになった。それも下るうちに尾根を辿るようになり、尾根も緩やかになって易しく歩けるようになった。そのまま下って行けたら良かったのだが、中腹まで来るとまた急尾根となった。いっそうの急角度で、木に掴まりながらでも滑り落ちそうだった。しかもヤブになってきて、そこにイバラが混じっていた。途中から真っ直ぐ下るのがどうにも難しくなってきたので、沢筋に出ようと北西方向に斜めに下った。斜めと言ってもなかなかの急斜面で、木を掴めないときは雑草を掴んで下った。何とか沢筋に下り着くと、沢筋に沿って下った。沢筋は小径こそ無かったが、緩やかとあって無難に歩けた。そして堰堤が見えて来ると、その先から車道が始まっていた。後は車道のままに歩いて行くと、住宅地のの一角に出てきた。前方には二つの大きなマンション(アピアやすとみ)があり、その先が駐車地点だった。ズボンを見るとやはりヒルが貼り付いていた。ただ幸いなことにパートナー共々この日は血を吸われることは無かったので、不愉快になることも無くハイキングを終了することが出来た。
(2016/6記)(2020/4改訂) |