TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
三濃山    みのうさん 508.3m 相生市・上郡町
・たつの市
西山    にしやま 339.0m 相生市
1/2.5万地図 : 二木
 
【2009年4月】 No.4 2009-44(TAJI&HM)
 
    《三濃山》 千種町千草より  18/5

 三濃山を周回コースで楽しむとなると少し距離は長くなるが、羅漢の里を起点に鍛冶屋川沿いの林道を歩き、正面谷池経由で山頂へ。そして下山は南へと延びる尾根歩いて西山、感状山経由で戻るコースであろう。久々に三濃山を楽しもうと考えたのは2009年4月の晴れた日のことだった。この日は車を修理に出しており、代車では遠くに出かけることも出来ず、そこで近場のハイキングを楽しもうとこの三濃山を思い付いたものである。始めの考えでは鍛冶屋川沿いで山頂を目指すものの、下山は周回とせずピストンでと気楽にと考えていた。羅漢の里に向かうとき、空を見ると春霞とでも言うのか、うっすらとした色になっていた。羅漢の里には幾つか駐車場があるが、尾根コースでの下山も考えて水車小屋が近い駐車場に車を止めた。鍛冶屋川沿いに北へと続く車道を歩き出すと、子供の声が前方から聞こえてきた。その先にアスレチックなどの設備があり、小さな子供連れの家族を多く見かけた。舗装車道は広い駐車場のある管理事務所の前までで、その先は未舗装の林道となって鍛冶屋川沿いを続いていた。以前は一般車も進めたのだが、今は通行止めのガードが林道入口に置かれていた。明るい陽射しを受けながら林道を歩いて行く。水の流れは歩き始めたときは左手にあったが、堰堤の位置を過ぎると右手に変わった。周囲も木々が囲むようになり、ハイキングとして悪く無い雰囲気だった。新緑が目に優しかった。ツバキの木も多いようで、赤い花をいっぱい付けていた。その花が沢の中に落下しているのも沢の彩りになっており、その風情を眺めながら歩いた。それにしても静かなハイキングで、終始人影を見なかった。水の流れが北東に折れると林道も同じく曲がったが、そこから漸く道の傾斜が増してきた。道も荒れてきて、林道と言うよりも山道の雰囲気だった。ただ相変わらずツバキの花が目に付いた。暫く登ると小さな橋があり、それを越すと正面谷池のそばに出た。いつもながら静かな佇まいだった。その先で道は細くなりすっかり山道だった。尾根を巻くように登ると道は平坦になって何となく山裾辺りを歩いている雰囲気だった。小さな沼があり竹林が目に付き出すと、三濃山史蹟案内図の前に出た。そこは感状山から続く尾根コースとの合流点で、そこからは寺域を歩く雰囲気となった。石段を登って求福教寺の前に出る。その寺の裏手に回って少し進むと庫裏とおぼしき家屋があり、その先に明るい三濃山山頂が見えていた。山頂の桜は花びらを落とし終わった後で、その花びらが登山道を隠さんばかりに落ちていた。山頂に着いたときは歩き始めてから80分が経っていた。その三濃山山頂には巨木のアカガシがあることで有名だが、すっかり枯れて幹も大枝も落ちてしまって、そばに立つ杉の木の方がずっと大きく見えていた。ただアカガシは懸命に延命治療がされており、その成果が新しい枝となって残った幹から芽生えていたのはちょっとした感動ものだった。山頂は他にも植林が進んでおり、ただいま整備中の雰囲気だった。落ち着いた感じになるにはまだ暫く時間がかかりそうに思えた。その高木があまり見られない明るい山頂で昼休憩とした。三濃山は一帯では一番高い山だが、周囲もあまり高さは変わらないので、明るく開けているものの展望は良いとは言えず、瀬戸の一角やたつの市との境界尾根が眺められるだけだった。北は樹林にすっかり閉ざされている。それにしてもこの山頂も人影は無かった。どうも巡り合わせなのか、三濃山では人と会わないようだった。パートナーと少し遅い昼をゆっくり過ごすことになった。気温は23℃まで上がって少し暑さも感じられたが、空気はからっとしており、弱く吹く風が快かった。その山頂で雨水桶の水を老アカガシにかけた後、下山とした。足に疲れを感じないので、周回コースで帰ることにした。三濃山史蹟案内図の立つ位置まで戻り、東へと向かう登山コースに入った。その登山道のままでは遠回りになるので、途中より斜め横断で尾根に向かうと、程なく尾根コースの登山道に合流した。後は登山道のままに下って行くだけだった。始めは周囲は植林地だったが、次第に雑木林へと変わってきた。アカマツが多いようで、登山道が松葉で隠されている所もあった。その尾根は下る一方でも無く、小さくアップダウンがあり、何度か登り坂となった。その尾根の途中で「播磨線15番鉄塔」と書かれた送電塔の前に出た。少しは開けており鉄塔越しに東の方向が眺められたが、展望は良いとは言えなかった。その先も小径は続き、所々に感状山への方向を示す標識が置かれていた。次第にシダが目立つようになったが、歩く妨げでも無かった。南の方向を眺めながらの下りを続けているとまた送電塔が建っており、そこからは登山道の向きは東となった。程なく小さな沢のそばに出た。そこは40日前に西山からの帰路で歩いた所であり、その位置よりその時の逆に歩くことになった。上り坂となって暫く登ると、この日三つ目の送電塔が見えた。登山道から少し離れているが寄り道とする。その送電塔のそばからは北に向かって410mピークが立派に見えたが、この日も登る気持ちまでは起こらず下山を続けることにした。西山の三角点を見た後は感状山に向かうことになるが、その感状山への登りにかかったときに巻き道が見えた。それを見なければそのまま感状山へと登るのだが、このまま感状山へと登ってしまうと三濃山に対する印象が薄れるのではと思えてきた。そこで感状山へは向かわず巻き道を歩いて下山することにした。巻き道は感状山の西を回り込むように緩やかに付いており、その先で木々が疎らに立つ落ち着いた雰囲気の広場に出た。そこは城跡の一角で、出曲輪跡だった。その先で再び感状山登山コースに合流した。物見台に立ち寄ると、後は麓まで遊歩道の木段を休まず下って行った。周囲の木々は新緑の姿を見せており、この数週間ですっかり樹林の雰囲気は変わっていた。その風情を目で追いながら羅漢の里へと下りて行った。じっくりと三濃山を登りたいときは、このコースは悪く無いと思えたこの日のハイキングだった。
(2009/5記)(2021/5改訂)
<登山日> 2009年4月18日 11:17駐車場スタート/11:25管理事務所を過ぎて林道に入る/11:55山頂まで2km地点/12:13正面谷池/12:30感状山分岐点/12:39〜13:15三濃山山頂/14:00〜05[15番]鉄塔/14:29次の鉄塔/14:42〜47次の鉄塔/14:49西山/15:04〜06城跡(倉庫跡)/15:23エンド。
(天気) 空は春霞でうっすらしていたが、雲はほとんど無く快晴の空だった。鍛冶屋川の渓谷は19℃と程良い涼しさだった。山頂は陽射しがよく当たっており、気温は23℃まで上がって、少し暑さも感じた。ただ湿度は低いので、からっとしていた。また東風が快かった。視界は遠方が少しうっすらとしていたが、悪いと言うほどでもなかった。
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駐車場のそばでユキヤナギが満開だった 羅漢の里の管理棟前は広い駐車場になっていた コテージ群を左手に見る
林道は車両通行止になっていた 林道を歩いて行くと堰堤が現れた 幼いシマヘビが岩陰から覗いていた
林道は未舗装路に変わった 沢沿いをハイキング気分で歩く 沢の中にツバキの花がよく落ちていた
新緑がまぶしかった 正面谷池のそばに出る  湖面を背景に鮮やかなツツジを見る
山頂に近づいて平坦な道が続いた 感状山コースの合流点に史蹟案内図が立っていた 求福教寺の前に出た
桜の花びらに覆われた道を歩いて山頂へ 山頂が目前になる 明るく開けていた 山頂を眺める 少し雑然としていた
山頂に立つ老アカガシを見る 老アカガシには新しい芽が育っていた 山頂の三角点は老アカガシのそばだった

 三濃山山頂からは
 南への展望が良か
 った
        

 左の写真の一角に
 立って南の風景を
 眺める

 南東の近い位置に
 高巖を見る

   右上の写真の御
   山脈を大きく見
   る

 山頂を離れて下山
 を始める

  山頂を離れるとき
  南西に黒鉄山を見
  る
下山は感状山へ向かう尾根道を歩く 緩やかに尾根道は続く この標識がコース上に点々と置かれていた
尾根の途中で送電塔に出会う 尾根にシダが増えてきた シダに囲まれた中を小径は続く
この日二つめの送電塔の前に立つ 三つ目の送電塔より北に410mピークを見る 感状山へは向かわず巻き道を歩く
巻き道を歩いて出曲輪跡に出る 物見台に立って矢野川流域を眺める 最後は遊歩道の階段を下る