14年ぶりに弘浪山を登ろうと考えたとき、前回とはコースを変えて登ることにした。前回の2003年では北面側から登っていたが、東面側にもコースがあるようだったので、その黒川コースを登ることにした。
向かったのは2017年5月の最終土曜日のこと。清水坂トンネルが出来たおかげで播但道、高坂トンネルと併せてのルートは姫路から氷上町へは早道ルートとなり、おかげで1時間半程度で行けるようになった。氷上町に入ると成町西町交差点で右折して県道109号線をに入った。弘浪山の東麓側を走っていると程なく井関農機の営業所が現れて、その先に登山口の標識を見た。そこまでは良かったのだが、その近辺に手頃な駐車場所が見つからなかった。周辺をうろうろして結局止めた所は、弘浪山の南東に位置する西方墓地だった。そこから登山口までは10分の距離だった。県道は歩道が無いため車に注意しながら歩かなければならなかった。登山口の標識を見ると、途中に高山寺遺跡があるようだった。登山口には扉があり、その辺りはヤブっぽい雰囲気があったが、扉を抜けると後ははっきりした登山道が続いており、ヤブになるようなことは無かった。始めは緩やかな道で、斜面を登るようになるとつづら折れの道となったので、急坂になることは無かった。但し石ころと言うか礫の多い道でちょっと歩き難かった。そのコースの途中には「休場跡」と名付けられた所があったので、このコースは高山寺への参道だったと思えた。尾根に出ると東に展望地が現れて、向山や石戸山の尾根が眺められた。また行く手には山頂が望めたが、その右手に450mピークが見えており、それを越すことになるのかと思ったが、尾根道は途中で巻き道となり、最短ルートで山頂に近づいた。巻き道の途中で平らになった所が現れると、そこは高山寺跡で、石垣が残っていたり礎石や幾つかの五輪塔を見た。その寺の跡を過ぎた先で再び尾根歩きとなり、登るほどに急坂となってきた。木に掴まりながら登ることもあり、しっかり登ることになった。その急坂を登りきった所が山頂だった。そこは四等三角点を中心に開けており、好展望地になっていた。以前の記憶では樹林に囲まれていたはずなので、広く木が伐られたようだった。そこは最高点では無く、少し先が若干高くなっていたが、その最高点の辺りはすっかり木々が茂っており、展望は無かった。三角点に戻って昼休憩とした。登っているときは青空が広がろうとしており、晴れの山頂で休憩することになると思っていたのだが、いつしか雲が広がってしまったようで、すっかり曇り空に変わっていた。おかげで涼しい中で過ごすことが出来た。昼食を済ませると展望を楽しんだ。南には間近に白山が見えており、その尾根は篠ヶ峰へと続いていた。白山の左手は旧柏原町の山並みだった。そして足下は田園風景で、田植えの終わった田もあれば、これから始めるのではと思える田もあった。山頂で休んでいたのは40分ほど。下山は北へと下ることも考えていたのだが、下山後に車の通行が多い県道109号線を長く歩くことがためらわれて、結局往路を戻ることにした。急坂を慎重に下れば後は楽だった。この下山で気付いたのは高山寺跡に大きなイチョウの木があることで、そのイチョウがすっかり若葉で包まれている様は圧巻だった。この下山でも展望地で一休みをとり、後は石ころに注意しながら麓へと下りて行った。この下山中に青空が少しは見られるようになったが、やはり雲の多い空だった。登山口まで1時間だった。往路でも70分程度だったので、弘浪山の黒川コースは手頃なコースだったと言えそうだった。
(2017/6記)(2020/4改訂) |