以前は年に一度は六甲山系の山を訪れており、それも概ね冬の季節が多かった。それが特に理由も無いまま、とんと登らなくなってしまった。調べてみると、1999年2月の長峰山が最後になっていた。そこで久々に訪れることにしたものである。選んだのはこの荒地山であるが、岩肌の登りが面白そうに思えてのことだった。向かったのは12月20日のことで、に向かったのだが、前日より兵庫北部は寒波襲来となって大荒れの天気になっており、それが播州南部まで影響して姫路の低山もすっかり白くなっていた。ただこの日の空模様は瀬戸内沿岸部のみは何とか青空が広がっており、六甲山系もどうやら大丈夫に思えた。そこで安心して東へと向かったのだが、JRで神戸の町に入ると六甲山の尾根は雪雲にすっかり隠されていた。阪急に乗り換えて芦屋川駅に降り立ってみると、冷たい風に小雪の舞う天気ながら青空も覗いており、何とか天気は良さそうだった。向かう荒地山も標高が低いだけに、雪雲からはまぬがれていた。芦屋川沿いを歩いて住宅地を抜けて行くが、道標が適度にあって迷わず登山口に着けた。登山道ははっきりしており、多くの人に歩かれてきただけに道は踏み固まっていた。その固い足裏の感触に六甲山を登っていることを実感した。この冬一番の寒さのためか、登山口を歩き始めてより誰にも会わないまま、マイペースで登って行けた。鷹尾山の辺りで一度大阪湾の展望があり、そこを過ぎると行く手に荒地山が姿を現した。山肌に岩が点々と見えるその姿は、名の通り少々荒い風貌をしていた。暫くはアップダウンがあったり平坦尾根であったりして、あまり高度は上がらなかった。うっすらとだが雪が登山道を覆っていた。尾根では時おり荒地山が姿を見せ、幾人かの人が岩を伝っているのが見えていた。その岩場の尾根が近づくと、漸くきつい上り坂となった。岩を伝って登るのだが、掴む所がはっきりしていたので、結構気楽に登っていけた。岩梯子と呼ばれる岩場の登りが現れると、そこは一般コースなだけにロープもしっかり付いており、問題無く登って行けた。ところがその中程で先行グループに追い付くと、俄然渋滞してしまった。その中高年グループの何とも遅いこと。ロープを使って一気に登ってもらいたいのに、かわいそうなくらい難儀している。その姿はいやいや登っている様で、少々情けなくなってしまった。あまりの遅さにたのんで先に行かせてもらったが、じっくりと登ることを楽しもうとしていたのに、ごちゃついた印象のみで登ってしまった。その岩梯子の上は展望も良かったが、そこには別のグループがいたので休まず先を進むと、程なく山頂に到着した。鷹尾山からちょうど1時間だった。そこは中央部が平らに開けていたが、周囲は雑木が取り囲んでおり展望は無かった。その後は、天気さえ良ければ東おたふく山を目指したかったが、北の空は厚くガスがかかっており、それと荒地山に着いたことで少し気が抜けてしまい、この日の登山は荒地山で終わることにした。下山は西へのコースを辿ることにした。こちらはマイナールートなのか、朝から誰も歩いていないらしく、雪には踏み跡が付いていなかった。下り始めて程なく「黒岩」の展望地に着き、初めて長い休憩をとった。東には荒地山が見えており、足元には大阪湾を一望出来た。ちょうどうまい具合に青空が広がって暖かい陽射しを受けるようになったので、暫しの間のんびりと市街地を眺めていた。その後は道なりに登山道を下って行くと、高座ノ滝からの登山道と合流した。それにしても、この登山道にイノシシの多いこと。播州の山のイノシシと違い、人擦れがしており、少々不気味なほどふてぶてしい姿だった。
(2003/12記)(2012/11改訂)(2020/12改訂2) |