TAJIHM の 兵庫の山めぐり <丹波 
 
鋸山    のこぎりやま 605.7m 丹波篠山市・丹波市
 
1/2.5万地図 : 宮田
 
【2008年8月】 No.1 2008-74(TAJI)
 
    南麓の川西集落辺りより  2008 / 8

 2008年のお盆休暇は14日から4日間だった。短い休暇だが南アルプス辺りを考えていたところ、直前になって天気が良くないことが分かってきた。そこで遠出はあきらめて、地元兵庫の山で過ごすことにした。久々に丹波の山を登るのも悪くないと考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが、この鋸山だった。めぼしい兵庫丹波の山には登っているつもりだったが、「兵庫の山やま」にも紹介されている鋸山は未登だった。そこで次に丹波の山を登るのなら鋸山と考えていたものである。この鋸山へのコースとしては幾つか考えられるが、真夏のことでもあり低山を長く歩きたくは無く、山の様子を眺めるだけを目的として、ごく普通に佐仲ダム湖のそばから登ることにした。
 暑い盛りの登山は午前で終わりたく、この日、自宅を離れたのは6時半過ぎだった。ひたすら国道372号線を走って篠山市に入る。そして国道176号線、県道97号線と走って佐仲ダム湖への車道に入った。前方に鋸山が見えて来たが、南から見る山容ではさほど鋭さは感じられなかった。佐仲ダム湖に着くと、湖岸道路に多くの車が止まっており、ダム湖を見ると多くの釣り人が糸を垂れていた。ヘラブナ釣りのようだった。車はその車列には止めず、少し離れた位置に止めた。佐仲峠への道が分岐する位置だった。そこよりダム湖岸道路を引き返す形で歩き出す。上空は雲が多いものの晴れと言えそうで、生ぬるい風が吹いていた。ちょっと暑い登山になりそうだった。ダム湖の管理事務所を過ぎると登山標識が現れた。鏡峠への登山口だった。それを頼りに歩き出そうとしたが、一帯は草深くどこが登山道なのかよく分からなかった。そこで沢沿いを適当に登って行く。すると登山道に程なく合流したが、それが登山口からの道と思えた。その辺りでははっきりした道になっていた。その道を登って行くと、前方に鹿が一頭草をはんでいた。近づいても逃げないので人に馴れているのかと思っていると、5メートルほどになったとき、こちらを見て一気に逃げ出した。よほど草を食べることに熱中していたようだった。またその先ではじっとしているマムシを踏みそうになった。どうも要らぬ気を使わされてしまった。登山道が沢に接したとき、また不確かになった。もう道を気にせず沢沿いを登って行くことにした。程なく小さな滝が現れ、それを巻いて上に出ると、その先は緩やかな地形に変わった。木立も空いており、のんびり歩ける雰囲気だった。尾根が近づいてもさほど傾斜は増さず、ごくスムーズに尾根に着いた。尾根にははっきりとした道が付いており、すっかりハイキングコースの雰囲気だった。着いた位置は鏡峠からは東の位置のようで、そこから鋸山山頂方向へと東に歩き出す。助かったのは涼しげな風が吹いていたことで、それまで無風の中を登っていただけに救われる思いだった。尾根道にはときおり標識が立っており、「分水界の径」と書かれていた。尾根の南に落ちる水は宮田川に集まり、篠山川、加古川と流れて瀬戸内海へ、北に落ちる水は竹田川から土師川、由良川と流れて日本海に達するようだった。小さなピークを越すとその次がけっこう急坂となって二つ目のピークに着いた。そこより進んで一段登った所が鋸山山頂だった。真夏どきとあって無人の山頂だった。それまでは尾根に出たからと言っても木立の隙間からちらちらとしか展望は無かったのだが、山頂はまずまず展望があった。北にはすっきりと丹波市の山並み、東には三嶽がちらりと見えていた。南も倒木のおかげで大野山から白髪岳までが眺められることになった。展望にまず気を取られたが、小さく開けた山頂は風が一段と涼しく、休むにはちょうど良かった。一息入れたところで次にどうするかを考えた。その山頂からは東に間近く次のピークが見えており、そこに大きく岩が現れているのが見えた。僅かな距離でもありそちらにも立ち寄ってみる。数分でその岩の上に出ると、やはり展望は良く、鋸山山頂を間近に眺めることになった。その右手には五台山の尾根が見えている。本当は更に東へと尾根歩きを楽しんでも良かったのだが暑い盛りでもあり、また展望にも満足したのでこれで鋸山を終えることにした。また鋸山山頂に戻って来たとき、木立を通して北西間近に支尾根が見えた。岩肌が荒々しく見えており、そこも展望が良さそうだった。その位置まで行けるかどうか分からなかったが、気になったのでそこにも立ち寄ることにした。鏡峠の方向に少し戻って支尾根が分かれる位置に着くと、どうやら支尾根を辿れそうだった。特にヤブになっていることもなく、軽く灌木を避ける程度で支尾根を下り出すと、すぐに岩尾根になった。これがけっこう痩せ尾根で注意が必要だった。それでも木立の切れる位置までは短い距離だった。そこは焼けたように木立が枯れており、そして期待通りに展望が良かった。まず目に飛び込んで来たのが西に位置する三尾山で、その端正な姿をすっきりと眺められた。その左手には黒頭峰と夏栗山が並んでいる。飜れば荒々しい岩肌を所々で覗かせる鋸山が全貌を見せていた。鋸山の名は尾根全体の姿よりも、この鋭い岩肌にこそその名が相応しいのではと思ってしまった。もうこれだけ眺められればこの日の登山としては十分な思いだった。後は主尾根に戻って下山するのみだった。もう気楽なものと安心して歩いていると、どうも尾根なりに下ってしまったようで、気が付いたときは尾根道を外して知らない尾根を下っていた。ちょっと注意不足だった。そこで引き返せば良かったのだが、今少し位置がはっきりするところまでと下って行くと大岩が現れた。そのそばから展望を得ると、舞鶴若桜自動車道がずいぶん西に離れて見えていた。小坂集落に出る尾根を下っていたようだった。また主尾根に戻るのも一仕事なので、どうなるか分からなかったがトラバースで西に向かうことにした。これがけっこうかかってしまった。道はないものの特にヤブでもないので歩けることは歩けたが、山の襞なりに歩くのはけっこう距離を歩くことになり時間ばかりがかかった。また昼となって気温は上がっており、大いに汗をかいてしまった。結局一時間ほどかかって登山道のある尾根に辿り着いた。それは朝に登っていた登山道の続きで、下るとなると道は特に不確かなことも無く無難に辿って行けた。そしてごくスムーズに佐仲ダム湖岸に戻り着いた。すっかり夏の厳しい陽射しの中を湖岸道路を歩いていると、ダム湖では朝と変わらず大勢の釣り人がヘラブナ釣りを楽しんでいた。
(2008/8記)(2016/5改訂)(2019/6写真改訂)
<登山日> 2008年8月14日 8:53スタート/8:58登山口/9:24小滝の上に出る/9:41〜45尾根に出る/10:21〜53鋸山(三角点ピーク)/10:53〜58東隣りのピーク/11:05〜20支尾根に立ち寄る/11:25〜40尾根に戻って昼休憩/12:08大岩(尾根の間違いに気付きトラバースに移る)/13:00展望岩/13:08登山道合流/13:26登山口/13:31エンド。
(天気) 晴れ。佐仲ダム湖には9時前に着いたが、陽射しは強く風は生暖かかった。気温は27℃。沢沿いを登っているときも、さほど涼しさは感じず。尾根に出ると快い風があって、ぐんと涼しくなる。25℃。雲は多かったが、晴れは変わらず。視界は遠方こそうっすらしていたが、まずまず良かった。下山を終えて佐仲ダム湖に着いたときは真夏の暑さだった。
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佐仲ダム湖に近づくと、案内板が現れた 佐仲ダム湖
一帯は佐仲自然公園になっていた
ダム湖の北西まで車を進めて、佐仲峠方向に向かう林
道の起点に駐車とした
始めにダム湖の東岸道路を引き返す形で歩いた ダム
湖には大勢の釣り人がいた
ダム湖の管理事務所を過ぎると鏡峠入口が現れた 登山道は荒れ気味で、はっきりしていなかった 沢沿いを適当に登って行くことにした
小さな滝が現れたが、そこは巻いて登った 小滝の上に出ると緩やかな地形に変わった 尾根が近づくと緑が鮮やかだった
尾根が間近になった 尾根に着くと歩き易い尾根道に出会った 尾根道には「分水界の径」と名が付いてい
尾根を東へと歩いて行った ときおり標識が現れた 幾つか小さなピークを越えて行く 山頂が目前になった
山頂に着いた 地肌がむき出しになっていたが手頃な
広さだった
三角点は山頂よりも少し低い位置にあった 三等三角
点(点名・奥谷)だった
山頂を別の角度から眺めた
山頂より東を望むと、三嶽が眺められた 左の写真に写る三嶽を少し大きく見た
山頂からの展望が良いのは北の方向で、旧春日町の北を限る尾根が眺められた
山頂から南へも倒木のおかげで広く眺められた

(←)
上の写真に写る松
尾山と白髪岳を大き
く見る

 (→)
  同じく西光寺山を
  大きく見る
東隣のピークの手前に岩が見えていた その岩の上に立って西を見ると、鋸山の山頂を中心に広く眺められた

右上の写真に写る
五台山の辺りを大
きく見る

山頂に戻ったとき
木々の隙間から北
西に岩の支尾根を
見た

その岩の支尾根に
入ってみた

支尾根の展望地に
立って山頂方向を
眺めた

右上の写真と同じ
位置より西の方向
を見た

三尾山の姿を大き
く見る
往路を戻るつもりが適当に歩いてしまい、予定外の尾
根を下ってしまった
その尾根を今少し下ると岩場が現れて展望を得た そ
の後は主尾根に戻らずトラバースで軌道修正した
トラバースを一時間ほど続けて漸く登山道に出会った
ごくスムーズに佐仲ダム湖岸に戻り着いた