最初の大船山登山より13年経った2012年10月に、2度目の大船山を登ることにした。最初の登山がどうも印象が薄く、大船山のイメージが湧いて来なくなっていたためで、改めて大船山を知ろうと向かったものである。前回が十倉からのコースを登っていたため、2度目は東麓の三田アスレチックから始まるコースを登ることにした。
この日は快晴で、雲一つ見られなかった。但しすこしうっすらとした空の色だった。国道176号線を三輪交差点で離れて、県道37号線に入る。そして県道323号線へ。大坂峠を越えたときに大舟寺の案内標識が立っていたので、そこより県道を離れて北へと向かう車道に入った。車道は山裾に沿うようになると細くなって、車一台分の幅となった。少し進んだとき、右手に広い空き地が現れると、そこが三田アスレチックの駐車場だった。その一角に駐車とする。駐車場はアスレッチやキャンプに来た人は無料だったが、登山などで来た場合は500円となっていた。三田スレチックの入口に立つと、大船山の登山口標識が立っていた。それを見てアスレチック場を抜ける道へと入った。最初のうちは車道でもあったので、十分な道幅だった。キャンプ場のエリアを過ぎると、右手に三十三観音巡りの小径が分かれたが、さほど興味を持たなかったので、そのまま登山道を進んだ。登山道は緩やかで、沢沿いを続いていた。少し足下に小石が目立った。周囲の樹林は雑木と植林の混合林で、ごく普通の山の姿だった。登山口から20分と歩かず峠の位置に出た。ここで十倉コースが合流して南の方向へ向かうことになった。登山道は少し細くなったものの、相変わらず緩やかな道で続いた。それにしてもずっと展望の無い登山コースだった。暫く進むと大船谷コースが合流して、登る方向は西となり、山頂の方向に向かうことになった。その合流点の先で急坂登りが始まった。ロープが張られており、露岩もあって、しっかりと登ることになったが、漸く登山をしている気持ちになれた。リズムよく登って、大船谷コースとの合流点から12分で山頂到着となった。狭い山頂だったが平らに開けており、中央は石で作られた祠が占めていた。そして山頂に着いて漸く展望が現れた。まずはベンチに座って一休みとする。先着者は3名いたが、みな高齢者だった。大船谷コースとの合流点では5名ほどを抜いており、そのグループが程なく到着したが、同じく高齢者だった。偶然かも知れなかったが、このような低山の主流は数年前の60代から、今では70代に移ってきているように思われた。一息ついたところで展望を楽しむことにした。南の方向の展望が良く、遠く六甲の山並みが眺め渡せた。また羽束山や千丈寺山、大野山なども眺めらて、展望は悪く無いと言えそうだった。それにしても標高の割には意外と簡単に登れてしまって、少々物足りないと言うのが正直な感想だった。そこで下山は大船谷コースに入って少し長い距離で下ろうかとも考えたが、それよりも午後に別の山に登る方が良いのではと思い、そこで早く下山出来るルートとして、往路を引き返すことにした。その下山にかかったときに10人ほどのグループとすれ違ったが、やはり70代と思える人たちばかりで、先ほどの感想は正しかったのではとの思いを強くした。下山も特に急ぐこともなくのんびりと下ったが、それでも登山口まで42分だった。大船山を思うに、前回の登山でも展望の無いままに短時間で登って下って来られたために、印象が薄くなっていたのではと思われた。途中に展望が開ける所でもあれば、多少変化があったということで少しは記憶に残っていたのではとも思えた。
(2012/11記)(2021/2改訂) |