TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
笠ヶ城山    かさがじょうやま 668.9m 宍粟市
 
1/2.5万地図 : 音水湖
 
【2011年11月】 No.2 2011-110(TAJI&HM)
 
    波賀町飯見集落の近くより  2011 / 11

 笠ヶ城山の名を初めて見たのは「波賀町誌」の中だったが、宍粟の山にしては標高が低いためなかなか足を向けず、漸く訪れたのは2002年9月のことだった。千間原に通じる林道の起点に近い位置から登り始めて、クサイソ山経由で山頂に立ったものの、展望は良いとは言えず、そのまま尾根を更に北東へと辿って次の三角点ピーク(点名・千間原)まで歩いたが、結局、満足な展望は得られなかった。その地味な山として記憶していた笠ヶ城山が宍粟50山の中に入っていたときは少し驚いたが、地域のバランスをとることを理由として選ばれたとしか思えなかった。ただガイド本「宍粟50名山」の中で紹介されている皆木集落側からのコースは、ごく簡単に山頂に立てそうであり、またクサイソ山との鞍部はモミジ谷と呼ばれていることを知った。そこで紅葉の季節に気楽なハイキングをしたいと考えたときに再訪しようと考えていた。それを実行したのは2011年11月3日、文化の日だった。週中の祝日のため、無理のないハイキングをしたいと考えた。そして季節がら紅葉を楽しみたいと考えたとき、モミジ谷のある笠ヶ城山を思い付いたものである。
 この日は朝の空を見て雲の多い日かと思っていたが、国道29号線を北上するうちに天気はどんどん快方に向かい、波賀町に入ったときはすっかり好天になっていた。ただ空の色は、少し青みが少ないようだった。波賀町の中心部を過ぎて皆木集落への車道に入った。集落内の細い道を適当に走って集落を抜けると、程なく登山口標識が現れた。この日はガイド本の紹介コース通りに歩く予定だったので、大谷登山口の標識が現れたとき、その近くにあった広い路肩に車を止めた。まずは北へと林道を歩いて行くと、すぐに害獣避けゲートが現れて、その先は山道となった。一帯は植林地で、山道と言うよりも植林の作業道だった。植林地は薄暗く、小さな沢沿いを歩くようになった。赤テープが付いており、道が少し分かり難い所はそのテープを頼りに登って行った。やがて登山道は左手の尾根の方向に向かい出した。尾根が近づくと植林地を抜け出して、周囲は自然林となって明るくなった。尾根に着くと、そこはクサイソ山と笠ヶ城山との鞍部で、モミジ谷と呼ばれる所だった。ところが全く紅葉していなかった。モミジ谷の名の通りにカエデの木が多く見られたが、どの木も青々としていた。どうも今年の紅葉は遅いようで、肩すかしにあったようだった。この後は尾根を北へと向かえば笠ヶ城山となる。尾根の傾斜はきつくは無く、自然な尾根道が続いていた。木々の疎らな所も現れて、そこからは少し展望があって東山が眺められた。また尾根歩きとなって、紅葉した木が少し見られ出した。展望があれば足を止めたりと、ごくゆっくりと登っていたのだが、前方が開けてきたと思っていると、そこが山頂だった。尾根歩きを始めてから20分とかかっていないので、呆気なく着いた感じだった。その山頂が前回と様変わりしていた。多くの木が伐られたようで、けっこう展望の良い山頂に変わっていた。また伐られた木の切り株が椅子のようになっており、休むのにも良さそうだった。あまり歩いた感じもしないまま着いたことに、少々物足りなさを感じながら小休止とした。序でに軽く小腹を満たした。そして山頂展望を楽しんだ。東には一山、西には大甲山からヒルガタワへと続く千メートルの尾根が眺められた。間近に見るだけに、雄大さがあった。また北西には三室山も覗いていた。紅葉は楽しめなかったが、展望は逆に期待していなかっただけに、うれしい誤算だった。その山頂で30分ほど休憩した後、尾根を東へと歩いて行った。緩く下って緩く登り返した所が観音屋敷跡で、そこから南の方向へ下れば峠登山口に出られるようだった。そこは標識があってこそ分かるが、無ければ通過してしまいそうな所だった。峠登山口へと、南の方向へ下って行った。また植林地となり、急斜面をどんどん下った。この下りの登山道も、植林の作業道の雰囲気だった。途中で幅広の山道に出会ったが、それはトラバース道のため長くは歩かず、再び作業道のような小径を歩くことになりそのまま林道に下り着いた。そこは林道の終点位置になっており、今は工事が行われているようだった。そのためかそこにあると思っていた登山口の標柱は見当たらなかった。後は林道を歩いて行くと、15分ほどで駐車地点に戻り着いた。時間はまだ正午になっていなかったので、笠ヶ城山のハイキングがごく簡単に終わったことでもあり、午後にもう一つ登っても良いとも思えたが、山頂での展望に満足してしまったことと、週中の休みのためあまり疲れたくもなかったので、この日は笠ヶ城山だけにとどめて帰路についた。
(2011/11記)(2021/7改訂) 
<登山日> 2011年11月3日 9:45スタート/10:07分岐点/10:14〜18モミジ谷/尾根の途中で小休止/10:36〜11:05山頂/11:09観音屋敷跡(ここより尾根を離れる)/11:22下る途中で作業道に出会う/11:32林道終点/11:46エンド。
(天気) 晴れ。雲は少な目で、淡い色の青空だった。気温は21℃とこの季節にしては高めで、空気に少し生暖かさを感じた。風はほとんど無し。視界はまずまず良かった。昼が近づいて、空は次第に薄晴れとなってきて、視界も少しうっすらとしてきた。
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皆木集落を抜けて、大谷登山口のそばに駐車する 登山口のそばから皆木集落の方向を望む 登山口のそばからは深山の尾根が眺められた
     
北へと歩き始めると、害獣避けゲートが現れた ゲートを抜けると、植林帯に入って行った 丸太の小橋を渡る
   
荒れた沢に沿って右に行ったり左に行ったりする パートナーが木漏れ日の中を登る コースは二手に分かれたが、モミジ谷に向かう
     

尾根が近づくと、
木々は自然林に替
わってきた

尾根に着いた

そこはクサイソ山
と笠ヶ城山との鞍
部で、モミジ谷と
呼ばれる所だった

まだほとんど紅葉
していなかった
見上げる頭上の木が、僅かに紅葉していた 笠ヶ城山へと色付き始めた尾根を登って行く 尾根に露岩が見られるようになった
   

 木立の空いた所が
 現れて、南に展望
 が開けた

  東山を大きく見る
    
南西方向に黒尾山も望まれた 黒尾山を大きく見る 上野地区を大きく見る
    
尾根歩きを続ける 見事に色付いた木立を見る 山頂が近づいてきた
    

9年ぶりの山頂だ
ったが、広く木が
伐られて、展望の
山頂に変わってい


山頂の三等三角点
(点名・笠ヶ城)
を見る
山頂に立って北から北東にかけてを眺める 左の写真の一山を大きく見る
    
西から北西にかけてを見る 左の写真の三室山を大きく見る
   
大甲山を今少しよく見る 山頂はアセビが繁茂しようとしていた 木立の空いた所から千間原の農地が覗いていた
    
山頂の休憩を終えると、尾根を東へと歩く 観音屋敷跡に着く 大谷登山口への道が分かれた 尾根歩きを続ける なだらかな道が続く
    
峠登山口の標識が現れて、ここで尾根を離れた 南の方向へと、やや急斜面を下って行く 下るうちに周囲は植林帯に変わった
    
一度はっきりとした山道を歩いたが、すぐに離
れる
また急斜面の植林帯を下って行く 登山口のある林道が見えてきた
   
下り着いた所は林道の終点で、工事中だった 後は駐車地点へと林道を戻って行った 林道歩いていると、前方に大甲山が眺められた