TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬
 
大倉部山    おおくらべやま 691.9m 朝来市
 
1/2.5万地図 : 但馬竹田
 
【2009年10月】 No.2 2009-100(TAJI)
 
    藤和峠に近い位置より   2009 / 10

 2009年の10月に入って14年ぶりに養父市の宝引山に登ったところ、すっかりクマザサが消えており、ごくスムーズに登れてしまった。そこで他の山でも同じ状況が起こっているのだろうかと考えたとき、大倉部山が思い出された。大倉部山も宝引山と同じく久しく登っていなかった山で、また登ろうかと少し気になり出していたのだが、その大倉部山にも少しクマザサのあったことを思い出して、登って確かめてみようと気持ちが傾いた。
 向かったのは宝引山を登った翌週の23日のこと。この大倉部山は特に登山コースは無いようで、前回は久留引集落から登って、下山は長い東尾根を最後まで下ったが、この日は午後遅くに用事があることでもあり、短い時間で登れるコースはと考えた。そして決めたのが、藤和峠を越えた先の藤和集落側からアプローチすることだった。生野峠を越えて但馬の地に入ると、秋の快晴の日にありがちな霧がかかっており、朝来の山並みは隠されれていた。加都交差点で国道312号線を離れて藤和峠に向かった。その峠道を登り出す頃より霧は薄れ出し、藤和の里に入ると秋晴れと呼べる快晴の澄んだ空が広がっていた。その藤和の里の入口に藤和橋があるが、その手前より大倉部山に近づく農道が分かれていた。但し入口は害獣避けゲートで閉ざされていた。そのゲートを開けて車を進めても良かったが、足慣らしで始めに農道を歩くのも悪くないと考えて、車は藤和橋に近い広い空き地に駐車した。前方に明るい大倉部山を見ながら歩き始めた。取り着き点としては久留引集落に通じる峠道(地図の破線路)に入った位置からと考えていた。農道の右手、山裾はフェンスがずっと続いていたが、小径の始まる位置に着いたとき、そこにはゲートが付いていた。その小径が久留引集落につながる道と思えてゲートを通った。そして登り易そうな山裾に取り着いて北へと登り出した。一帯は灌木のヤブだったが、登るうちにササが現れて、踏み跡程度の杣道を辿れるようになった。そして小さなピークに出た。どうも頭に描いていた地形と違うので「但馬竹田」の地図を取り出してみると、破線の小径が予定していた峠道の南にもう一本書かれていた。それは南に向かってしまう小径で、どうやらその小径に入ってしまったようだった。北を見ると小さな谷を挟んで大倉部山が木々を通して見えていた。軌道修正することにした。植林地の斜面を北へと下ると、すぐに沢のそばに下り着いた。その沢に沿ってはっきりとした小径が続いていた。それが予定していた峠越えの小径のようだった。沢を横切ってそのまま斜面に取り着いた。北へと登るうちに小さな尾根を辿るようになった。尾根には害獣避けネットが続いていたが、所々で切れておりあまり役立っていないようだった。そして一帯は若木の植林地だったが、手入れは悪いようで雑草がはびこっていた。ネット沿いを歩き易い所を選んで登って行くが、イバラが雑草に混じっており、何度となく引っかかった。そのイバラを切りながらで、ちょっと厳しさのあるヤブコギだった。傾斜が次第に増してきたが、ヤブコギは続いた。どうもコース設定を間違えたようだった。ただ登るほどに植林は小さくなって頭上が明るくなってきた。山頂まで標高差にして100mほどとなったとき、漸くヤブ地を抜け出して、周囲は雑木の風景となった。下生えも無くぐんと歩き易くなった。どうやら一帯のクマザサが消えての結果かと思われた。木々の切れ目からは展望もあり、その中で比較的広く眺められる所で休憩とした。空はすっかり明るく、ほとんど雲は見られなかった。その位置からは藤和集落の西を限る尾根が大きく眺められた。山頂が間近になると、尾根の傾斜は緩くなってきた。そして元はササ地だったと思われる所にシダやアセビがはびこり出した。ササヤブの減った所によく見られる変化だった。そのアセビとシダの中を突っ切ると、大きな岩が目の前に現れて、そこが三等三角点のある山頂だった。その一帯も下生えは少なくけっこう展望が良かった。どうやら木も少し切られたようだった。まだ残っている木々に一部を遮られるものの、けっこう広く周囲の山並みが眺められた。展望に関しては特に期待していなかったのだが、西に氷ノ山、北には東床尾山、東に粟鹿山と主だった但馬の山が眺められたのはうれしいことだった。そしてここが但馬の地であることを十分に知る思いだった。軽い昼食をとった後は、少し尾根を東に歩いたりして山上でのひとときを過ごした。澄んだ快晴の下で展望に恵まれるのは幸せなことだとありがたかった。山上で過ごしたのは1時間ほど。さて下山だったが、登って来た尾根は想定外のヤブだったため、予定よりも時間がかかっていたので、もっと短い時間で下れる尾根はと地図を見直した。そして西の方向に延びる緩やかな尾根を下って行くことにした。始めは登って来た南南西方向の尾根を下って行き、途中から西を目指して尾根を離れた。最初は草ヤブだったり笹ヤブだったり、それにイバラも混じったが、程なく雑木林に入ると下生えはぐんと減った。歩き易くなっただけで無く、木々の中を涼しく下って行けた。また目印のピンクテープを見かけるようになった。途中で左手に尾根が見えたのでその尾根に上がって見ると、その尾根筋に沿ってネットがあり、南面は伐採地になって展望が広がっていた。暫くネット沿いを歩いてみたが、急傾斜になって歩き辛くなったため、尾根より少し離れて雑木帯を木に掴まりながら下った。やがて前方から沢音が聞こえてきた。沢が近くなったとき周囲の林が疎らになって明るくなり、最後に植林地を通って沢そばに下り着いた。一帯は平坦になっており沢はどちらに流れているかと見ると、北だった。その流れる方向を見ても、ここは但馬だった。沢そばでひと息入れた後、沢沿いの小径を歩いて南の上流側へと向かった。小径は途中に崩壊地があったが、そこは沢そばに下りて巻くことにした。5分も歩けばもう畑地のそばに出た。畑地はすっかりフェンスに囲まれていたが、そのフェンス沿いを西に歩いてゲートを見つけた。その先は真っ直ぐに農道が延びていた。もう道のままに歩けば駐車地点に戻れるはずだった。
 この日の登山はササが減って登り易くなっていることを予想していたのだが、草ヤブになった植林地を登るとは思ってもいなかった。その予想外の展開に始めは少々とまどったが、下山で歩いた尾根は易しく、また山頂で思わぬ好展望に出会えたことで、この日の大倉部山は楽しかったとの思いを持つことが出来た。やはり同じ山に登っても年月が経てば印象は違って来るし、またコースを変えても新たな印象を持つことが出来るものだと、この日の大倉部山で改めて知ることになった。
(2009/11記)(2021/10改訂)
<登山日> 2009年10月23日 9:17スタート/9:26山すそのゲートを通る/9:42〜47小さなピークでひと休み/軌道修正で鞍部に下りる/10:00南尾根を登るようになる/10:48〜57山頂手前の展望地で休憩/11:12〜12:07山頂/南西尾根を下る/12:55〜13:00沢そばに下り着く/13:05畑地に出る/13:24エンド。
(天気) 快晴。雲は僅かで澄んだ青空が広がっていた。朝の気温は15℃、山頂では18℃まで上がっていた。風は無く、空気はからっとして爽やかさがあった。視界は良く澄んでおり、山並みがくっきりと見えていた。
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大倉部山へは農道を歩くが、始めに害獣避けゲ
ートを通る
農道を歩いて行くと、次第に大倉部山が大きく
なってきた
東の谷筋に山道が見えた。それを利用して山裾
に取り付こうと、またゲートを通った
ゲートの先は雑草の生える荒れ道だった すぐに左手のヤブを登って行く 小さな花が咲いていた センブリのようだった
小さなピークに着いたとき、道誤りに気付いた
西向かいの尾根を見る
軌道修正で、北の谷へと下って行く こちらは
特にヤブでも無かった
下る途中で木立が切れて、前方に大倉部山を間
近に見る
谷に下り着くと、本来歩くはずだった小径を見た 山頂方向へと適当に斜面に取り付いた 尾根を歩くようになって山頂を見上げる

 ネット沿いを歩くよ
 うになったが、次第
 にヤブになってきた

     ヤブコギ登山の合間
     に視界が開けて大路
     山が眺められた
植林地のヤブが続いた 植林地を抜けると下生えは少なくなった 一度、東に粟鹿山が眺められた

 登るほどに木々も
 空いて歩き易くな
 った

   南に向かって展望
   の開けた所があっ
   た
足下には最初に歩いた農道が見えていた 右上の写真の大杉山を大きく見る 山頂が近くなると傾斜も緩くなってきた
山頂が間近になってアセビとシダが現れる 山頂に着いた 大きな岩が山頂を占めていた 大岩のそばに三等三角点(点名・小倉部)を見る

 山頂から一番展望が
 良かったのは、この
 南東方向の眺めだっ
 た

     左の写真の青倉山
     を大きく見る
粟鹿山の山頂を大きく見る 上の写真の古城山を大きく見る 左の写真の山頂にある竹田城址を大きく見る
山頂より北西方向を眺める 左の写真の光明山を大きく見る
上の写真の木に隠れた部分を、位置を変えて眺める 左の写真の三川山を大きく見る
西には間近に建屋山の尾根が眺められた 北東に和田山町の市街地を見る その北には床尾山が大きかった
上の写真の右手には氷ノ山が望まれた 左の写真の氷ノ山を大きく見る
山頂を東の方向から眺める 下山を開始する 始めにアセビの茂る所を通った 南南西尾根を離れて笹地の中を西に向かう
雑木帯に入ると目印テープが続いていた 一度尾根に上がってネット沿いを下る ネットからは南に展望が開けていた
また雑木帯に入り、明るい林の中を下って行く 沢のそばに下り着いた 畑川の上流だった  沢沿いには小径が続いていた 南へと歩く
小径を歩いて行くと農地のそばに出た フェンス沿いを西に歩くと、ゲートが現れた ゲートの先は農道だった 駐車地点へと戻って行く