◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <丹波編> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
弥十郎ヶ嶽 じゅうろうがだけ | 715.0m | 丹波篠山市 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
丈山 じょうざん ・ 北中山(丈山北峰) ・ シドロ北峰 ・ 飛曽山 ひそやま | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
701m | 725.9m | 723m | 663m | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 福住 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2011年4月】 No.2 | 2011-44(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
西本荘より 2011 / 4 |
二度目の弥十郎ヶ嶽を目指そうと考えたのは2010年12月のことで、その前に近くの山から弥十郎ヶ嶽を眺めたいと思った。そこで12月19日に高城山と衣笠山の二つの山に登って、弥十郎ヶ嶽の姿を目に納めた。そして次は弥十郎ヶ嶽と思っていたのだが、どうも冬季は雪山に目が向いてしまい、そちらを登っていた。漸く実行したのは里の桜が散った後、4月も中旬過ぎとなる24日のことだった。天気予報を信じて快晴を予想していたのだが、丹波の空は青空はあるものの雲が多く、視界もうっすらとしていた。何よりもまだ空気が冷たく、季節が一ヶ月ほど逆戻りしたのではと思えた。前回は南側から弥十郎ヶ嶽を登っていたが、それとはコースを変えたかった。また東向かいの尾根にある丈山と丈山北峰も登りたく、そこで辻奥山林道をアプローチとして周回で歩くことにした。その考えで国道372号線を走って辻集落に近づいた。集落に入ると「辻見どころMAP」の案内板があり、そこに描かれていた丈山の尾根には、地元の呼び名が付いていた。丈山の名は同じだったが、丈山北峰は北中山とシドロ大丸の二つの名が、そしてその北にある723mピークはシドロ北峰と記されていた。丈山北峰の名は昭文社の登山地図「北摂の山々」に書かれている名だったが、どうも北中山の名の方がしっくりくるような気がして、ここではその名で呼ぶことにする。集落を抜けて辻奥山林道に近づくと、ゲートと出会った。そのゲート近くに下山してくる予定だったので、車でゲートを抜けることはせず、少し手前の広い路肩スペースに駐車とした。この日考えていたコースは、始めに弥十郎北峰の近くに出る東尾根を登って行く。そして主稜に出ると南へと歩いて、弥十郎ヶ嶽に立ち、その後は篭坊コースを歩いて丈山の尾根に出る。そして丈山へ。それから引き返す形で北へと尾根歩きを続け、北中山、飛曽山と過ぎ、その先の440mピークの手前で適当に斜面を下って、辻奥山林道に戻ってくるというものだった。まずはゲートを抜けて辻奥山林道に入った。辻川の左岸を歩いていたが、すぐに小橋を渡って右岸側を歩くようになった。林道はほぼ平坦路として続いており、始め周囲は植林だったが、自然林に変わってくると、山肌の山桜が満開になっているのが眺められるようになった。上空は雲が多かったが青空も見えており、陽射しが新緑の木立を浮き上がらせると、その淡い緑色に春が本番になっていることを感じさせられた。30分ほど歩いて林道が再び左岸側に移ったとき、右手の斜面の取り付き易そうな所を探した。その辺りから適当に上れば弥十郎北峰につながる東尾根に出られるはずだった。緩斜面が見えないため、急斜面に取り付いて登って行く。適当に掴まる木があったので、難儀は無かったが、踏ん張って登って行く。すぐに尾根筋を登るようになるも急斜面のままだった。その自然なままの尾根を登って行くのかと思っていると、急に小径に出会った。左手から来ており、知っておればそれを登っていたのにと思ったが、後の祭りである。その先は小径のままに登って行くだけだった。害獣避けネットを通ると、程なく尾根は緩やかになった。一帯は伐採地になっており、新しく植林されたばかりのようだった。おかげで遮るものの無い展望が広がっていた。前方は弥十郎ヶ嶽の尾根、後方は中北山の尾根だった。その先はひたすら歩き易い尾根道が続いた。ただ良く見ると足下に雑草が生えようとしており、その雑草がどうやらイバラのようで、これだと夏はイバラの尾根になりそうだった。西の尾根に近づいて傾斜が増してくると、再び害獣避けネットが現れた。そして自然林の中へと入って行った。すぐに弥十郎ヶ嶽の主脈に合流する。緩やかな登りが続いて、まず立ったピークが弥十郎北峰だった。そこは樹林に囲まれて展望は無かった。足を止めずに先へ進むと、鞍部の位置で右手から登山道が合流した。畑市からのコースである。主コースを歩くようになったことで、尾根道ははっきりとした登山道となった。また道標も見られるようになった。もう弥十郎ヶ嶽は近かった。特に傾斜はきつくなることも無く、適度な上り坂を歩いて山頂に着いた。山頂は手頃な広さで、他にハイカーを一人見るのみで静かなものだった。15年ぶりの山頂だったが、北に三獄が見えるものの、少し展望が少なくなっているように思えた。昼が近づいていたことでもあり、ここで昼食とする。東尾根を登っていたときから雲は多かったが、そのときはまだ青空も見えていた。その空の雲が更に増えたようで、ほぼ曇り空に変わっていた。その空が休むうちに黒みを増してきた。晴れの予想だったので一時的な曇りと考えていたところ、そのうちに雨粒が落ちてきた。そればかりかカミナリの音も聞こえてきた。どうなることかと思っていると、雨は小雨になるほどでもなく、ただぱらつくだけだった。北の空を見ると晴れる兆しも見えたので、心配しないことにした。30分ほどの休憩を終えて山頂を離れる。南へと歩いて行くと、登山道は竹谷コースと篭坊コースに分かれた。そこは篭坊コースへと主脈から離れる形で細い登山道に入った。始めは少し急傾斜で下っていたが、すぐに傾斜は緩んだ。この尾根は小さなピークが続くのだが、そのピークを巻くときがあり、方向が分かり難くなることがあった。但し目印がずっと付いているため、コースを外す心配は無かった。周囲は常に樹林が続くとあって展望は無いものの、落ち着きのある尾根だった。歩くうちに雨粒の落ちてくることは無くなり、少しずつ雲の色が薄くなってきた。木の間越しに見る北の空は青空が広がっているのが分かった。そして丈山の尾根が近づく頃には陽射しが現れるようになり、確実に晴れに向かっていることが分かった。登山道が篭坊の方向へと南に折れると、そこより丈山の尾根への小径が始まっていた。始めはか細い道だったが、すぐにはっきりとしてきた。辺りは間伐が進められており、またネットが続くようになった。その風景を眺めながら歩いているとき、一度、木々の隙間から丈山の山頂が覗けた。丸みを帯びて坊主山と言いたくなる姿だった。程なく尾根上に出た。北へ向かえば北中山で、南が丈山だった。まずは丈山へと向かう。相変わらず樹林が視界を塞いでいる。始めは尾根上を登山道は続いていたのだが、途中から尾根筋を少し離れて、西側を続くようになった。幅広の道となり、細い林道を歩いている感じだった。その登山道がどのように丈山につながるのかと思っていると、再び尾根筋を歩くようになり、程なく広場のような所に出た。幅広の道はそこまでだった。そこは丈山の山頂では無く、その先に小径が緩やかな坂で始まっていた。それを辿った先が丈山の山頂だった。そこはヒノキ林になっており、展望は全く無いと言ってよかった。地味な山頂と言えるだろう。そこで一息入れて引き返して行く。そのまま道なり、尾根なりに歩いて行けば北中山に着くはずだった。篭坊コースから分かれた小径との合流点を過ぎると、程なく右手より農文塾コースが合流した。そこの道標はあくまでも弥十郎ヶ嶽に対してのもので、北中山は示されていなかった。その先は地形図の通りに緩やかな尾根で続いた。その尾根を包むのは自然林の裸木で、足下には落ち葉が積もっている。展望は無くとも雰囲気は良かった。木々に切れ目が無いと言ってもまだ新緑が芽生えていないため、木々の隙間から弥十郎ヶ嶽の姿が眺められた。上空は薄い色ながら青空が広がっており、もうすっかり明るい尾根だった。その緩やかな登りを続けるうちに、ごく小さなピークに着いた。そこが北中山のピークと思えたが、山名標識は見なかった。そこも展望は無いものの、落ち着きがあって悪くなかった。その先に緩い下りがあって、緩く登り返してまた小さなピークに着いた。そこはシドロ北峰となるが、そこも山名標識は見なかった。展望が無いだけに、訪れる人が少ないためかと思えた。ただこちらの感想としては、少し雑然とした弥十郎ヶ嶽の尾根よりも、この北中山の尾根の方が雰囲気は上ではと思えた。その先は下り坂となって少し雑然としてきた。登山道としてマイナーな感じとなったが、代わりにツツジの花が増えてきて目を楽しませてくれた。もうそのまま展望は無いのかと思っていると、途中で岩場が現れて、そこからは少しだが弥十郎ヶ嶽が眺められた。それだけでなく、次に小さなピークに着くとそこは岩場になっており、飛曽山の名が付いていた。そして岩場の上に立ってみると、けっこう展望の良いことが分かった。北中山から弥十郎ヶ嶽までが一望で、この日歩いた中では一番展望が良いのではと思えた。やはり長く尾根を歩いていると、一カ所は展望が現れるようだった。欲を言えばこの尾根からも三獄を見たいと思ったが、それは贅沢と言うものだろう。後はどの位置で尾根を離れるかを注意するだけだった。飛曽山を離れるとその先は急斜面になっていた。尾根の方向が分かり難くなったが、目印テープが続いていたので、注意深くそれを追って下る。その急斜面の途中で期待しなかった三獄が望めたのは意外だった。下るうちに尾根は緩くなって、尾根筋がはっきりとしてきた。歩き易い尾根道となって、程なく三角点(点名・飛曽)と出会った。ただそこはピークでな無く、その先の方が幾分高かった。なお持っていた地図は古いようで、三角点記号は無いものの、逆にピークには481mの標高点が付いていた。その先は下りが続いて、440mピークとの鞍部に着いたとき、そこで尾根を離れることにした。左手方向、辻奥山林道側へと薄暗い植林地を適当に下って行くことにした。少し傾斜のきつい斜面を歩き易い所を選びながら下っていたところ、失敗をしてしまった。足下をおろそかにしていたこともあって、植林の切り落とされた枝で足を滑らしてしまった。左足首を軽くネンザしたのだが、古傷が治りきっていなかったため、足首に違和感を覚えた。痛みは無かったが、どうやらじわじわと痛みそうだった。その失敗は気にせず下りを続けると、斜面が少し緩やかになったときに小径が現れた。後はその小径を歩いて行くのみ。小径は歩くうちにはっきりとした道になって、無事に林道へ合流した。そこは辻奥山林道が辻川の左岸側から右岸側に移った位置で、林道入口のゲートまで数分の距離だった。 終わってみれば展望の少なかったことに多少不満が残るものの、丈山から飛曽山への明るい尾根歩きはいかにも静けさを楽しめると言った雰囲気があって、弥十郎ヶ嶽の山頂に立ったことよりも楽しかったのではと思えた。 (2011/5記)(2021/7改訂) |
<登山日> | 2011年4月24日 | 9:47ゲート手前よりスタート/10:17林道を離れて急斜面に取り付く/11:05主尾根に合流/11:17弥十郎北峰/11:30〜12:07弥十郎ヶ嶽/12:48篭坊コース分岐点/12:59丈山の尾根に出る/13:11〜20丈山/13:45〜50北中山/14:07シドロ北峰/14:20〜25展望のある岩場/14:37〜47飛曽山/15:15点名・飛曽/15:26尾根を離れる/15:41林道に出る/15:46エンド。 | |
(天気) | スタート時は青空が見えるものの、雲の多い空だった。尾根に出ると、冷たさのある風を受けた。気温は11℃。次第に雲が増えて、曇り空に変わった。そして気温は10℃まで下がってきた。そのうちに雨がぱらつき出した。更にカミナリの音も聞こえてきた。その状態が暫く続いたが、丈山に向かううちに雨は止み、北から青空が広がり出した。そして上空も青空に変わってくる。陽射しが現れるようになると、気温は15℃まで上がってきた。風も暖かくなり快かった。視界は少しうっすらとしていた。 | ||
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