江笠山を初めて登ったのは1999年年のこと。南西側にある林道をアプローチとして登ったが、適当に登っており視界も薄ぼんやりしていたことで、数年も経つと記憶はほとんど無くなっていた。その江笠山を改めて記憶に刻もうと向かったのは20年後の2019年11月の第一土曜日のことだった。この日は京丹後市の磯砂山が目的だったが、磯砂山は簡単に登れる山とあって午前で終わることが予測された。そこで午後にもう一つ簡単な山を登ろうと考えて思い付いたのが江笠山の再訪だった。
11月2日は朝から澄んだ青空が広がっていた。磯砂山を登り終えたのは12時前と、予定通りに昼までに登山口に戻ってきた。そこからの移動は国道312号線を豊岡方面へと走って久美浜町で国道482号線に入った。後は県道701号線、県道251号線と走って薬王寺峠に着くと、そこからは郷路林道が西の方向に始まっていた。その郷路林道に入ったのは林道から江笠山の姿を見るためだった。その目的はすぐに叶い、薬王寺峠に戻って来ると次は江笠山の登山口を探すことだった。右手の山肌を注意しながら下ったのだが、登山口を見落としたのか薬王寺集落まで走ってしまった。改めて登山口を探そうと薬王寺峠に向かうと、峠が近づいたとき古びた登山口標識を見た。やはり見落としていたようで、そこは峠からは南へ500mほど下った位置だった。登山口は駐車スペースが無かったので、今少しくだった所に路肩スペースを見たのでそこに駐車とした。そして県道を北へと登って登山口に着くと江笠山登山を開始した。登山道は始め沢沿いに続いていたが、途中で沢を横切って斜面を登るようになった。登山道は細々とした小径だったが、別に荒れてもおらず目印テープもあって無難に歩けた。尾根に出るとそこから山頂までは尾根筋歩きだった。但し尾根の傾斜がきつくなると少し尾根筋から離れて歩くこともあった。周囲は概ね植林地で、展望はほぼ無かった。それでも一度展望が現れて、そこから見えたのは南の方角となる三岳山だった。ほぼ緩やかな尾根歩きを続けて山頂に着いたのは、登山口に入ってから44分後だった。山頂の辺りは雑木林になっていたので展望は少なく、東の方向に大江山を見る程度だった。地味な江笠山だったが、滞りなく山頂に立てたことを素直に喜んだ。山頂で10分少々過ごすと、下山は忠実に歩いてきた道筋を辿って登山口へと戻って行った。
(2019/12記) |