TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬 
 
もっつい山 (持継山) 775.7m 朝来市
 
1/2.5万地図 : 但馬新井
 
【2007年5月】 No.2 2007-48(TAJI&HM)
 
    銀山湖に近い送電塔(大河内線34番)のそばより 2007 / 5

 多々良木ダム湖を眺める山はないかと考えて、このもっつい山(点名・赤星)に注目して登ったのは1997年4月のことだった。もっつい山こそ雑木に囲まれて展望は無かったが、東隣の731mピークからはすっきりと多々良木ダム湖が眺められて、目的を達することが出来た。そのもっつい山をひょんなことで再登してしまった。
 2007年5月の最終土曜日は快晴だった。ただ本来は澄んだ青空が広がっているはずだったが、空はいくぶん黄色みを帯びており、風景も紗がかかったような見え具合で、遠方は霞んでいた。季節外れの黄砂の影響かと思われた。この日の目的は銀山湖を巡る山並みの中では一番高い法道寺山で、法道谷をアプローチとすることにした。銀山湖に着くと好天とあって、大勢の釣り人が水際に陣取っていた。車を止めたのは上生野橋の西側にある駐車場で、朝をゆっくりしていたため10時が近い時間になっていた。上生野橋を渡り、ハイキングコースの標識のかかる林道へと入った。法道寺谷川は道からは十メートルほど下を流れていたが、林道を歩くうちに近づいて来た。ハイキングコースらしく周囲の木々は優しげで、新緑が明るく光っていた。林道は10分も歩かずに終わり、その先は遊歩道となった。遊歩道はあまり歩かれていないのか、灌木がはびこりだしていた。またゴミの多いのが気になった。その頃には沢は道そばまで来ており、ナメになっている所も多く、それはそれで美しかった。沢がやがて北西方向に折れ出すと、北東に向かう沢が分かれた。その辺りより遊歩道は不確かになり、また滑り易くなって来た。そのとき、そのまま法道谷を遡るのでは無く、沢が二手に分かれた位置に見えた小径を辿るのも悪くないと思えてきた。その小径の方向は法道寺山の東向かいの尾根となり、法道寺山へは大回りで向かうことになるが、それでも良いかと小径を辿ることにした。但し小径がどこかで終わってしまう心配は多いにあった。ただ無理となれば引き返すだけである。やや急坂の小径を辿り出すと、程なく小さな沢に沿って登るようになった。沢は急流になっていた。そしてその先で沢はナメの滝となり、案の定、小径は不確かになってしまった。左は断崖で右手も急斜面だった。何とか歩けるのはナメ滝のそばだけだったが、その先は本当の滝になっており、行き止まりになるのは目に見え出した。それでも何となく登れるのではと思えてナメ滝に沿って行くと、右手の急斜面が木に掴まりながらなら登れそうに見えた。そこで急斜面に取り付くと、思惑以上に登る先に登れそうな所が現れ、どんどん高度を上げて行けた。本当に木に掴まりながらの登りだったが、とうとう急斜面を登り切って岩場の上に立つことが出来た。そこは尾根の端で、その先は断崖になっていた。登って来たのはその断崖のそばだったが、振り返るとどこを登ってこれたのかと不思議な感じだった。そこは断崖の上とあって展望は良く、西向かいに法道寺山が堂々とした姿で対峙しており、間は深い法道谷だった。その法道寺山へは尾根を一度北へと歩いて行かなければならなかった。地図を見ると尾根はなだらかに続いており、尾根を上り詰めたピークがもっつい山だった。いざ尾根を歩き出すと、地図の形状以上にひたすらなだらかで、先ほどの急傾斜地とは180度の変わりようだった。ただスムーズに歩けるかと言うとそうでも無く、倒木がけっこう多くまた灌木のアセビも多くあって、それを避けながら歩くことになった。それでもそぞろ歩き程度で歩いて行けた。ときおり木々が切れて法道寺山が覗けたが、その距離は次第に離れることになった。もっつい山が間近になると、はっきりとした尾根道が現れて、そうなるとすっかりハイキングの気分となり、その雰囲気のまま、もっつい山の山頂に立てた。新緑の雑木林にゆったりと覆われている様は、以前と変わらぬ佇まいだった。ちょうど昼どきでもあり、三角点のそばで昼休憩とした。そこは程良い木陰になっており、爽やかな風も通って申し分なしと言えた。展望の無いことは気にならず、その雰囲気を味わえただけでも山頂に立った甲斐があったと言うものだった。ところでこの山頂で気持ちが十分にリラックスしてしまったと言うか、お腹もふくらんで気力が少し下がったと言うか、どうも法道寺山を目指す気持ちが消えてしまった。法道寺山へ向かうとなると幾つかのピークを越えて行くことになり、けっこうきつそうで、もうこのもっつい山だけで十分の気持ちになってしまったものである。そこで地図を開いて下山路を考えた。そして登って来た尾根の一つ東隣の尾根に注目した。それは山頂のそばから始まっており、登りの尾根と同じようにひたすらなだらかに続いていた。もう楽に下れることに越したことは無く、そうと決めると早々に山頂を後にした。その尾根に入ると、地図で見るよりもいっそう気楽な尾根で、登山道も続いていた。尾根の先には二つの送電塔が見えており、どうやらそのための巡視路のようだった。アカマツの多い尾根でそのアカマツに視界は塞がれたが、歩き易いままに下るうちには木々のばらけた所も現れて、東の尾根や西の法道寺山が眺められることもあった。そののんびり歩きに別の楽しさが待っていた。それは送電塔の立つ位置が素晴らしい展望地だったことだった。最初の鉄塔(大河内線No.36)では東から北東方向を広く望めることになり、次の鉄塔(No.35)ではそれ以上で、西の法道寺山から北のもっつい山までの尾根が一望だった。南西には銀山湖も覗いていた。あいにくの黄砂で風景はぼやけていたが、その開放感は素晴らしかった。尾根道はその先も続いていたが、次の送電塔の位置は支尾根にあるとあって、尾根の途中で巡視路は分かれた。その送電塔の尾根でこちらも下る考えであったため、その巡視路が近道になることでもあり、辿って行くことにした。しかしそれは少し間違いだったようで、巡視路は程なく倒木によって寸断されてしまった。そこは急斜面の位置で、ちょっと迂回するのに苦労することになった。何とか支尾根に辿り着いて尾根筋を下り出すと再び巡視路に出会え、その先で次の送電塔に着いた。そこも素晴らしい展望地で、銀山湖が一段と近くに見え、対岸の金香瀬山の平らな山頂も望まれた。その鉄塔の位置から林道までは標高差にして100mほどなので、後は適当に木々の空いた所を下って行くと、ごく平穏に林道に下り着いた。思えばこの日の二つの尾根の他にも、前回の登山で更に東の二つの尾根を歩いており、総て歩き易い気楽な尾根だったことになる。尾根は赤松が多いので、その季節は入山禁止かと思えるが、尾根上に出るルートさえはっきり分かれば、山歩きとしては展望もあって楽しい山域ではと思いながら、駐車地点へと戻って行った。
(2007/6記)(2012/6改訂)(2022/1写真改訂)
<登山日> 2007年5月26日 9:54スタート/10:01林道終点/10:24沢を離れて尾根道に入る/11:05〜21尾根の岩場で休憩/11:30[674m]地点/12:15〜13:03山頂/13:42〜53[36番]鉄塔/14:00〜22[35番]鉄塔/14:54[34番]鉄塔/15:09林道に下り着く/15:17エンド。
(天気) 快晴だったが、黄砂により視界の透明度は悪かった。遠方はうっすらとしか見えていなかった。山頂の気温は18℃。風が涼しく、ひたすら爽やかだった。
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銀山湖の風景を眺めてから法道谷に向かった 始めに林道を歩いて行った 林道が終わると、緩やかな遊歩道が続いていた
法道寺谷川はときにナメ沢になった 遊歩道のそばに石仏を見た 法道寺谷川を離れて、小さな沢沿いの小径を登った
沢沿いは次第に険しくなって、滝のそばを登るようになった 沢そばの急斜面に取り付いた 木に掴まりながら登って行った 尾根の上に出ると、尾根端は切り立った崖になっていた

尾根端に立つと、
西向かいに法道寺
山が対峙していた

尾根端に立って、
法道寺山の左手を
望む
尾根はもう平坦そのものだった 俄然のんびり歩きになった ただアセビを避けることはあった
尾根を歩いていると、ときおり法道寺山が望まれた 倒木もあり、ずっと歩き易い訳でも無かった 山頂が近づいて、尾根にははっきりと道が現れた
山頂に着いて三角点を見る 四等三角点(点名・赤星)だった 山頂の周囲は優しげな自然林が広がっていた
頭上も自然林で塞がれていた 下山は山頂から南に延びる尾根を下ることにした 始めは行く手に法道寺山が見えていた
南に向かい出すと、二基の送電塔を見るようになった 尾根道にはプラ階段があり、すっかり巡視路だった 尾根はひたすら歩き易いまま続いた
振り返ると、もっつい山が望まれた アカマツの多い尾根だった 最初の送電塔に着くと、そこは素晴らしい展望地だった
最初の送電塔の位置より北東を望む 黄砂で山並みはうっすらとしていた 南東方向を見る 735mピークは一週前に登った山だった

南の方向を眺めた

そちらは一段とう
っすらしていた

二つ目の送電塔が
近づいた

送電塔に先につい
て、パートナーを
待った

送電塔のそばから
は銀山湖がちらり
と見えていた

振り返って西から
北にかけての尾根
を眺めた
この日三つ目の送電塔に着くと、銀山湖対岸の金香瀬山が近くに見えていた 左の写真に写る銀山湖を大きく見る 後は林道へと、新緑の樹林帯の中へと入って行った