TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編 
三郡    さんぐんやま 950m 宍粟市・朝来市・養父市
黒原山      くろはらやま 977.5m 宍粟市・朝来市
奥組山      おくぐみやま 845.6m 宍粟市・朝来市
1/2.5万地図 : 神子畑
【2019年11月】 No.2 2019-170(TAJI)
    養父市と宍粟市の境界尾根にある798mピークより 2019 / 11

 2017年に宍粟50名山に新たに5山が加えられて、その5山は「宍粟別選5名山」と呼ばれているが、その一つが三郡山だった。初めて聞く名だったが、そのことよりも三郡山自体が漠然としていた。名前の通り宍粟郡、朝来郡、養父郡と三つの郡の境に位置するピークだったが、地図を見ると地形としてはなだらかな上にピークには三角点も標高点も無く、周囲を見るとその辺りでむしろ目に付くのはその北に位置する967mピーク(点名・間歩谷)と980mピークの方だった。宍粟50名山の三国平と同じように、単に位置的なことから新たに名前を付けて山として呼ぶようにしたのではと思えた。その三郡山を含めて黒原山、奥組山と続く宍粟市と朝来市との境界尾根は1996年の秋に歩いており、易しく歩ける尾根との印象を持っていた。「宍粟別選5名山」のパンフレットではその境界尾根だけでなく宍粟市と養父市との境界尾根も歩いて周回コースとして紹介していた。そこでその周回コースを新緑の季節か紅葉の季節かどちらかで歩こうと考えていた。
 向かったのは2019年の紅葉の季節、11月の第二日曜日のことだった。偶然にも23年前と同じ日だった。宍粟市一宮町に入って安積橋交差点より県道6号線を北上すると、三方町で県道は国道429号線との重複区間となった。その重複区間は繁盛小学校跡を過ぎた先で終わることになり、直進方向の県道から分かれて右折側となる国道の方を進んだ。上り坂で東へと向かうことになり、少し走って現れたのは黒原集落だった。その集落の中で三郡山の標識が現れた。それに従って北へと向かう枝道に入った。まだ集落は続いており、その民家が終わると周囲は物寂しい風景となり、程なく黒原・井内浄水場が現れた。そこがパンフレットの紹介コースではスタート点となっている位置で、数台分の駐車スペースがあった。そこからのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。パンフレットは三郡山登山を周回コースで紹介していたので、そのコースを右回りで歩くことにした。車道は浄水場の辺りでは林道と呼べそうな道になっており、まずは林道歩きでスタートした。黒原川に沿って歩いていたが、数分で登山口標識が現れて左手の斜面に入った。細々とした登山道だったが、的確に目印テープが付いており、ときおりは標識も現れて無難に登って行けた。始めは小さな沢に沿って歩いたが、沢から離れると境界尾根へと斜面を登った。登るうちに支尾根を辿るようになり、登山口に入ってから40分で宍粟市と養父市との境界尾根に出た。そこからは北東へと尾根道を辿れば自然と三郡山に立つことになる。境界尾根も自然林が現れたり植林地が現れたりで、どちらであってもごくスムーズに歩けた。登山としては易しい部類と言えそうだった。但しずっと展望の無い尾根歩きだった。その尾根歩きで紅葉を眺めるのが楽しみではあった。三郡山に着くとそこはなだらかな上に植林に囲まれているため、山頂の雰囲気は無かった。山名標柱が無ければ通過点として通り過ぎてしまいそうだった。その三郡山のピークより少し北に展望地があるようだったので、そちらに寄り道することにした。寄り道と言っても数十メートル歩くだけだった。展望地に着くとそこは単に植林地の切れ目があるだけで、広々としたものでは無かった。その狭い展望は北西方向で、すっきりと見えていたのは藤無山だった。その右手には氷ノ山も見えていたが、植林に隠れ気味だった。氷ノ山はしっかり見たいと近くの木に登ってみると、思いの外すっきりと氷ノ山が眺められて少しは満足することが出来た。その後は山頂に戻り、南の方向へと境界尾根歩きを再開した。三郡山からは宍粟市と朝来市との境界尾根だった。その南尾根は自然林が多くあり、西尾根よりも更に紅葉が楽しめて雰囲気は良かった。その良い感じでコースの最高地点となる黒原山の山頂に着いた。そこは広く開けており三郡山よりも山頂らしさがあったが、周囲は植林が囲んでいるために展望は悪かった。その黒原山で遅めの昼食をとった。黒原山を後にすると後は概ね緩い下り坂となったが、小さなピークも幾つかあってそれを越えて行く。その途中で尾根の分岐点が現れると、そこは注意して南南東の方向へと目印テープを追った。そしてまた小さなピークに着いたがそこは奥組山では無く、その先の開けたピークが奥組山だった。そこはコースの中で唯一の展望地と言える所で、笠杉山が間近に見えており、南西遠くには黒尾山も見えていた。ただ23年前と比べると木々が展望を少し妨げていた。奥組山から先は下る一方だった。南西へと概ね古びたネットに沿って下った。もう尾根歩きを十分に楽しんだので、ひたすら目印テープを追って下ると最後は作業道に下り着いた。その作業道がいただけなかった。ミツマタのヤブがあるかと思うとヤブで無い所は地表がでこぼこしておりスムーズに歩けなかった。その歩き難さを我慢しながらの下りが20分ほど続いて浄水場へと通じる車道に合流した。そこから浄水場までは6分の距離だった。
(2019/11記)
<登山日> 2019年11月10日 9:44浄水場スタート/9:49登山口/10:30境界尾根に出る/11:35〜12:10三郡山(展望地での休憩を含む)/12:38〜55黒原山/13:52〜14:03奥組山/14:20作業道に下り着く/14:39集落の道に出る/14:45浄水場エンド。
(天気) 朝は快晴だったが、徐々に雲が増えてきて昼には空の半分は雲となった。駐車地点に戻ってきたときは薄曇りになっていた。気温は沢筋で9℃、山頂でも8℃とあまり変わらなかった。少し風がありひんやりとしていた。視界は良かった。
<< Photo Album 2019/11/10 >>
国道429号線を走って黒原集落に入ると、奥組集落
に通じる車道が分かれた
その車道の分岐点に三郡山の標識を見た 奥組集落を抜けた先で黒原・井内浄水場が現れた 車
はその手前に止めた
浄水場からは北へと林道となった車道を歩いた 標識が現れたが、それには黒原川源流と書かれていた 黒原川に沿って歩いた

浄水場から5分も
歩けば登山口が現
れた

三郡山の登山口標
柱を見る
始めに植林地を登った 小さな沢沿いを歩くようになると、この先で沢を二度
ほど渡ることになった
コースが二手に分かれたとき、ショートコースに入ら
ず右回りコースを選んだ
やや急坂の斜面を登って行く 周囲は自然林に変わってきた 紅葉は進んでいなかった
植林と自然林の混じる尾根を登るようになった 色付きが進んだ木を見るようになった 登山口から40分で境界尾根に出た
東へと向かう 色付いた木をよく見るようになった 逆光に光る黄色い葉を見る ショートコースが合流した
834mピークが近づいた 834mピークに着いて南に千町ヶ峰を見る 北東へと向かい出して、前方に三郡山を見た
三郡山の山頂を大きく見る 木々の切れ目があり、尾根が明るかった 周囲が植林地に変わってきた

植林地が続く中で
872mピークに
着いた

900mピークに
着いた そこから
は歩く方向が北東
となることを示す
標識が付いていた

木々の隙間から北
東方向に見えてい
たのはスリガ峯の
ようだった

スリガ峯の左手後
方に妙見山を見る
きれいに紅葉したウレハダカエデを見た 三郡山へと真っ直ぐ続く緩やかな尾根を歩いた 植林が多く、ほぼ展望の無いまま三郡山に近づいた

(←)
三郡山の山頂に
着くと、そこは
すっかり樹林に
囲まれていた

  (→)
  山名標柱が立っ
  ていた
山頂から北に向かうと、すぐに開けた所が現れた 植林地に切れ目があり、そこから藤無山が見えていた ちらりと三室山も見えていた

氷ノ山も見えてい
たが、木々に邪魔
されていた

そこで手頃な木に
登ると、けっこう
すっきりと望めた

氷ノ山の山頂を大
きく見る
鉢伏山を少し大きく見る 今少し北へと尾根を歩いた きれいな紅葉が現れた
紅葉を眺めながら昼休憩とした 休憩を終えると三郡山を越して南の尾根に入った 朝来市と宍粟市の境界尾根を緩やかに下る
木々の隙間から北東に980mピークを見る 尾根は自然林と思えば植林に変わった 小さなアップダウンがあり、この尾根でも標識を見た
頭上を見ると落葉が進んでいた 地表は新しい落ち葉が積もっていた カエデの紅葉に陽射しが当たった

黒原山に着いた

三郡山から30
分ほどかかって
いた

二等三角点(点名
・神子畑)を見る
展望はほぼ無い黒原山だったが、木々の隙間からは少
し遠くが望めた 北東に粟鹿山を見る
東は間近に二つの山を見る 左は900mピークで右
は点名・絵本を持つ924mピークだった
900mピークの背後に見えたのは三国岳だった
924mピークを少し大きく見る 千ヶ峰も望めた 黒原山の先では自然林が続いた
頭上のカエデが明るい赤だった 黄色い葉も美しかった 黄色と赤の中間色を見る
890mピークで図根三角点を見た 890mピークからは南南東方向に延びる尾根に入った すぐそばに作業道を見ることがあった
一度作業道に下りて、作業道から尾根を眺めた 尾根に戻って尾根歩きを続けた 924mピークを見るが、見上げるようになっていた

南南東へと歩いて
850mピークを
越した先の小さな
ピークが奥組山だ
った

ピークに四等三角
点(点名・朝来)
を見る

23年前は印象的
だったカラマツの
紅葉はあまり目を
惹かなかった

奥組山は尾根で一
番の展望地だった

ただ前回と比べる
とこの展望も木々
の生長で悪くなっ
ていた
今少し良く見ようと近くの木に登って南の山並みを眺めた 左の写真に写る千町ヶ峰を大きく見る

(←)
木から下りて南
西の方向を見る

 (→)
  黒尾山の尾根を
  少し大きく見る
下山は南西方向に延びる尾根に入った 尾根には古いネットが残っていた 下るほどに尾根の紅葉は進んでいなかった
右手が植林地に代わってきた 尾根の途中で「右に下山して下さい」の指示が現れた 右手には間近に作業道が見えていた
作業道に下り着いて登山口標識を見た 後は作業道を戻るだけだった 作業道上にミツマタが繁茂している所があった
見た目は易しい作業道だったが、意外と歩き難かった 下るうちに易しく歩けるようになった 奥組集落から来ている車道に合流した
合流地点にも標識が付いていた 後は車道を集落がある方向とは逆の方向に歩いた 浄水場が見えてきた