宍粟市朝来市の境界尾根を歩こうと向かったのは、1996年11月のこと。一宮町黒原の奥組集落に入ると、集落の最奥に車を止めた。集落の道は奥山林道となって北へと続いており、その奥山林道を終点まで歩いた。緩やかな上り坂だったが、少し荒れて気味だった。林道の終点に着くと、その先も踏み跡程度の細い道が続いていた。少し雑草の繁っている所があり、朝露が気になった。山道の傾斜は緩やかなままだったので、大屋町と一宮町との境界尾根に着いたときは、あっけなく登ったと言う感じだった。境界尾根は樹林に囲まれて展望は無いものの、なかなかの歩き易さだった。歩く方向は南となったが、その間に三郡山のピークを通ったようだった。はっきりとした尾根道こそ少なかったが、下生えはほとんど無く高低差も少なく、落ち葉を踏みしめて気楽に歩いて行く。落葉が終わった木々の隙間から望めたのは須留ヶ峰だった。黒原山に近づくほどに広葉樹が増えてきた。その広葉樹にまだ紅い葉が残っており、少しは紅葉を楽しめた。難なくと言った感じで黒原山の山頂に着いた。そこはまずまずの展望があった。少し木立が目障りながらも東面が開いており、婆々山から生野高原、千町ヶ峰と続く山並みが近くに見えていた。遠くには千ヶ峰も望めた。また山頂は平らに開けていたので、ゆったりと休憩をとることが出来た。黒原山からは小さなピークを越しながらも概ね下り坂となり、次の三角点ピークとなる奥組山に向かった。その尾根も広葉樹が多くあり、残った紅葉が美しかった。奥組山に着くとそこはカラマツが多いようで、そのカラマツがきれいに黄葉していた。そして奥組山はこの日一番の展望地だった。南面側が伐採されており、笠杉山から千町ガ峰、大段山と続く山並みが圧巻となって迫っており、なかなかの眺めに満足した。後はスタート地点まで一本尾根を下って行った。途中までは害獣除けネットに沿っての下りだった。その下りは下生えが多くあって少々歩き難さがあった。なお下る途中でクリタケの生えている所があり、少しばかりキノコ採りを楽しんだ。
(2002/5記)(2019/11改訂)(2019/12写真改訂) |