宍粟50名山に新たに5山が加えられて55山となったが、その5山の中に岡ノ上三山が含まれていた。三山とあるように、暁晴山の西にちらばる幾つかのピークのうち、代表的な三つの山(岡の上、出石山、熊ノ原)を総称して岡ノ上三山と呼ぶようにしたようである。その岡ノ上三山のハイキングコースを歩こうと向かったのは、2018年6月の第一土曜日のことだった。
国道29号線を東市場交差点で離れると県道8号線を走って坂ノ辻峠へと向かった。峠が間近になったとき左手に峰山林道が分かれると、林道へと入った。林道は北へと長々と続くが、7kmほど走ったとき岡ノ上林道の分岐点が現れた。そこは岡ノ上三山コースのパーキング地点になっていたので、そこに車を止めることにした。そのとき気付いたのは、そこが暁晴山土塁コースの登山口でもあったことだった。岡ノ上三山のハイキングは歩く距離こそまずまずあっても、高低差は少ないので足はあまり使わないと思えた。そこで足慣らしの意味もあって暁晴山を土塁コースで先に登ることにした。その暁晴山登山は、駐車地点と暁晴山山頂との標高差は130mほどとあって、休憩時間を入れても1時間程度と予想通りごく気軽に終えることが出来た。そして駐車地点に戻ってくると、改めて岡ノ上三山のハイキングを開始した。始めに岡ノ上を登ろうと、岡ノ上林道を西へと歩いた。すぐ現れた登山口は出石山へのコースだったので直進した。今度は林道が分岐したが、右手に分かれた道は熊ノ原への林道だったので、そこは左手の林道に入った。その岡ノ上林道はずっと下り坂で、岡ノ上に通じる作業道が分岐する位置まで100mほど下ることになった。そして作業道に入ると、すぐに車止めのチェーンが現れ、その先で道は東西に分かれた。西の方向が岡ノ上に近づくため、そちらの作業道に入ったところ、10分と歩かないうちに終点になってしまった。そばの斜面を登れば岡ノ上に近づけるのだが、もう一つの作業道が正しかったのか確かめたく引き返すことにした。そして改めて東へと向かう作業道に入った。東へと向かうのは最初だけで、すぐに西の方向へと向かい出した。やはりこちらが正しいコースのようだった。先ほど歩いた作業道が足下に見えていた。作業道入口から8分ほど歩くと尾根筋に着いたようで、そこに岡ノ上の標識があり、登山道が始まっていた。その小径へと入るも、入口と岡ノ上山頂との標高差は30mほどでしかなく、ごく緩やかな上り坂だった。植林地を抜けた先で自然林となり雰囲気が良くなった。そして入口から10分も歩けば、もう岡ノ上の山頂だった。山頂には四等三角点(点名・岡ノ上)があり、その辺りこそ開けていたが、周りは樹林が囲んでいた。北側ではアセビが繁茂していた。そのアセビ越しに少し展望があったが、もう少し良く見たいと思った。そこで三角点のそばに立つ木に登ってみたところ一気に展望が開けて、北西から北までが一望となった。その展望に満足すると、三角点のそばで昼休憩とした。木陰は涼しく、良い感じで休むことが出来た。岡ノ上で30分ばかりの休憩を終えると、小径を戻って作業道に出た。そこからは更に上へと作業道を歩いた。作業道はジグザグ道として尾根筋に付いており、50mほど登ったとき出石山の標識が現れて作業道を離れることになった。そこは標高980m地点で、出石山との標高差は70mとあって、また緩い尾根歩きとなった。周囲は疎らな樹林帯で、ごく気楽な登りだった。出石山手前の1028mピーク辺りは展望があって、岡ノ上と同様に北西方向が広く眺められた。その先はアセビが増えてきたが、その中に突っ込むことも無く歩けた。そして樹林から抜け出すように着いた出石山の山頂はすっかりアセビに覆われていた。その風景は4年前とあまり変わっていないように思えた。出石山には三角点は無く展望も悪かったので、手前の樹林に入って休憩をとることにした。そのとき近くに暁晴山の展望地があったことを思い出して、その位置まで歩いてみると、そこは暁晴山が変わらずすっきりと眺められた。出石山での休憩を終えると、コース設定のままに北へと尾根を歩いた。赤テープが付いていたので、それを目印とした。その尾根でも展望地があって氷ノ山が眺められたが、午後の光とあってごくうっすらとした眺めになっていた。尾根なりに緩く下って行くと、林道に合流した。熊ノ原までは林道を歩いて近づくことになった。林道もごく緩やかな道だったので気楽に歩けた。林道から枝道が幾度か分かれたが、標識があってそれに従って歩いた。いずれ熊ノ原の山頂へと通じる小径が現れてそこに標識があるものと思って歩いていたところ、気が付くと熊ノ原の西側まで歩いていた。紹介コースは熊ノ原に南側から近づくことになっていたので、分岐点を見過ごしたようだった。但しその位置からでも熊ノ原のピークに立てそうだったので、右手の斜面に取り付いた。熊ノ原はごく小さなピークなので、ごく短時間で山頂に着いた。そこはすっかり樹林に囲まれており、展望は皆無だった。三山の中で一番平凡な山頂と言えそうだった。そうなるとすぐに下山に移った。やはり南からの小径があり、目印テープも付いていた。その小径を辿って行くと四等三角点(点名・細畑)のそばを通り、林道が間近になると「乙女岩」の名が付いた大岩のそばを通った。林道に合流するとそこに標識を見なかったが、小径に少し入った位置には熊ノ原の標識が付いていた。今少し林道寄りに付いていたなら見落とさなかったのにと思った。後はひたすら林道を南へと歩いた。林道の周囲は概ね植林地だったが、自然林が広がるときがあって、そのときは良い雰囲気となった。その林道を25分ほど歩くと岡ノ上林道に合流した。そこからは往路で歩いた道で、2分も歩けば駐車地点に到着となった。
(2018/6記) |